各地で予選大会が佳境を迎え、好シーズンに突入したカワハギ。そこで、エキスパートの林良一さんに「エリア別攻略法」を複数回に渡り解説してもらう。今回は、各釣り場の解説に入る前に知っておくべき基礎知識や今期の傾向などを確認しておこう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 林 良一)
今期の傾向
昨年から続き個体数が少なく、難しいシーズン。
去年の夏の終わりの台風通過後には、「砂浜にカワハギの稚魚が大量に打ち上げられていた」という話が聞かれたが、そんな昨シーズンよりも今期の方が魚は少ないように感じられる。しかし、10月中旬からコッパが釣れだし、ようやくシーズン到来といった感がでてきた。
「個体数が少ない」と仮定すれば、生息域の1尾あたりのエサは相対的に多くなるわけで、いつも以上にエサを取っていると考えられる。「いつもお腹一杯の魚は、釣り人のエサをどのように食うのか?」を考えてみたい。
秋、競ってエサを追うような時期は、他の個体にエサを食べられまいとして、一気にエサを吸い込んで食べているのではないかと考えられる。
アタリをどう掛けるか
一方個体数が少なければ、エサを奪うライバルが少ないので、1尾でゆっくり食べることができる。一気に吸い込まず、味わって食べているのではないだろうか。
この「味わって食べる」が曲者で、人と同様に唇があって歯があり口腔。そのオチョボ口を少し開いて歯を使ってエサを小さくかみちぎるように食べているのではないだろうか?
その証拠に、唇の皮1枚に浅くハリ掛かりしていることが多く、アワセ直後や巻き上げ途中で唇が切れてバレることも多い。
そこで、仕掛けに小さいハリと細くて長いハリスを使い、ハリスをたるませることをくり返して摂餌時に口の中にハリを送り込む釣り方が有効になってきているようだ。
次回は、エリア別の特徴と攻略法を解説
そんな今期の釣り方を踏まえ、次号以降はエリア別の特徴、攻略法をお伝えしたいと思う。
<週刊つりニュース関東版 林 良一/TSURINEWS編>