晩夏から初冬の期間限定で回遊する良型カンパチが、今年も瀬や魚礁に付きだしたらしい。これは一大事。魚礁を次々と攻めていくイワシ泳がせ船にすぐ予約を入れた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC.峯卓)
強丸で泳がせヒラメ狙い
9月27日、お世話になったのは三重県鳥羽市安楽島の強丸で、ヒラメが好調で満員のにぎわい。
いつものことだが、最後に到着した私はくじ引きに参加できず、右舷胴の間に釣り座を構える。波は1.5m程度との予報だったが、沖に向かうと見事な大荒れ。
ショートロッドをセットしていたが、急きょムーチングの長ザオに組み直す。
仕掛けはヒラメ狙いではないので、ハリス8号の1本バリ。鼻掛けにして底を取ったら、きっちり5m上げてチャンスに備える。
思惑通り船長は次々と魚礁を丹念に攻めてくれるが、潮回りが小さい上に強風.高波の悪条件ときては、なかなかヒットに持ち込めない。
ヒラメを狙う同船者にヒットが続けば心も揺らぐが、この日はヒラメの食いもおとなしく、ポツポツといった感じだ。
お隣さんにヒラメがヒットするも
悪くなる海況にお隣さんは顔面蒼白で、ショートロッドを置きザオにして、船尾のトイレに駆け込んでいる。
あれま~、お気の毒に…。
あれじゃあ釣りどころじゃないよなと同情していたところ、波でグワン、グワンのお隣さんのロッドが締め込まれた。
「アタってるよ~」と呼んだところで、リバース真っ最中だろう。
仕方なくレバーでアワせ、船長と協力して取り込んだのは良型ヒラメ。蒼白のまま釣り座に戻って来たので、事のいきさつを報告する。
「兄ちゃん、ありがとうな。ウプッ」。
船酔いダウンでも竿頭?
イワシを付けて再投入するやいなや、再びトイレへ逆戻り。何か嫌な予感で、やっぱりまたもや私が取り込む羽目になった。
おじさんは2匹のヒラメで、ただ今のところ堂々のサオ頭。
名付けて「アタクシちょっとあちらへお花を摘みに」釣法はその後もハマチやシオまで呼び寄せ、結果としてはビバ船酔いだろう。
他人のサオで引きを味わったものの、納竿まで1時間余りの時点で私はボウズ。どうせやらかすなら、ド派手に玉と砕けてやろうと、マメにイワシを交換する。
たまには祈りが通じるものだ。
念願のカンパチにヒラメも登場!
ボ~ッと持ったロッドが前触れなくズドンと没し、きつめのドラグからラインが出される。
ドカドカと下品な引きはカンパチ決定!
出港から苦節5時間でとらえた本命の豪引を心ゆくまで堪能して取り込んだのは、70cmには少し足りないが赤銅に輝く本命のカンパチだった。
メンタルに余裕が生まれると万事うまくいくもので、ラスト30分でヒラメに切り替えて4投で3匹。
ちょっと酸っぱい匂いのお隣さんともども、笑顔で帰港した。
<週刊つりニュース中部版 APC.峯卓 /TSURINEWS編>