競技カワハギの大会でも、トップトーナメンターが目の色を変えて、タイトルを手にするべく挑戦している「ダイワカワハギオープン」通称「DKO」。1次予選に参加した模様をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)
ダイワカワハギオープン1次予選
今年も昨年同様に内房の勝山から、ダイワカワハギオープン(DKO)予選がスタート。私は10月15日(火)に開催された、久比里会場のA予選に参戦。
前週には台風19号が関東を通過。久比里地区の船宿は浸水被害があり、開催が危ぶまれたが無事に行われた。出船前に釣り座の抽選が行われ、私はC船の右9番。片絃13人が割り当てられ、胴の間のややトモ寄りという釣り座。
開会式では競技方法のほか、「参加者の15%、計13人が2次予選に進める」との説明。4隻出船のため、各船から上位3人が通過。ワイルドカードとして、各船4位の中で一番数多く釣った人もその切符を手にする。
当日の作戦
7時半に出船。平作川を下り、竹岡沖へと船は進む。私はスケジュールの都合で練習釣行ができず、この日がぶっつけ本番。ただ、ここ数日は竿頭でもツ抜けする日がほとんどないという厳しい状況であることは確認済み。
そこで、この日に事前に立てていたプランは、「自分が決めた釣りを徹底的にやり通す」こと。得意な釣りは人それぞれで、多くの引き出しを持っているなら、状況に合わせていくことも可能だが、この判断を間違うと、迷宮に入るのが大会の怖さ。
「アタリをだしたい」という思いが強くなると、雑になったり、集中力が途切れるため、自滅することになる。「練習での事前情報がない分、悩むことはない…」と開き直って挑んだ。得意なタテの釣りを意識。下オモリを浮かせる中で仕掛けを動かす速さや幅、狙うタナを変えながら、釣り続けていくことを頭にたたき込んだ。
船下狙いで20cm級の本命カワハギ
開始のアナウンスが出たのは竹岡沖の水深10m。砂地の平たんな海底。参加者は、こぞって仕掛けをキャストし、広範囲を探る。私は遠投せず、船下から狙う。オモリの着底感で海底形状の変化を見極め、根の上に差しかかった時にでる、硬い感触の場所を探す。
活性が高ければ、魚が満遍なく散らばっている場所だが絶対数が少ないため、「活性が低ければ、魚が付くのはツブ根の周りのはず」とイメージして、まずは海底の感触をオモリで探る。砂地とは明らかに違う硬い感触の場所にさしかかったら、すぐに仕掛けを底から50cmほど上げて、上下の誘いをくわえる。
すると、結果はすぐに出た。ハリ先をついばむアタリを手感でキャッチ。同じ誘いを繰り返すと、ハリが口の中に入った本アタリが到来。魚の重みを竿へと乗せ込むようにアワせる。小気味いい断続的な引きをいなしながら、姿を見せたのは20cm級本命。
早々に本命を手にしたことに安堵するが、「やる気のある魚はまだいるはず…」と、すぐにハリを替え、エサを付けなおして投入。
「縦の釣り」から「横の釣り」へ
再び、着底感の変化をとらえ、同じく縦釣りに移行すると、またもやアタリ。
この同じ流れで、ひと流し目で4尾。想像以上の滑り出し。これを徹底的にやり通し11時には、なんとツ抜け達成。しかし、潮止まりを迎えると、エサ取りからのアタリすらない。
タテの釣りでは太刀打ちできなくなったため、今度はキャストして、「横の釣り」にと移行。速い誘いでは魚が追えないと判断し、仕掛けをゆっくりと揺ったら、ゼロテンションで待つ。アタリがなければ次の誘いへとすぐに移ってしまうが、両隣に迷惑が掛からない程度にとにかく待つ。
1分ほど待っているとアタリ到来。手感ののち、竿先にわずかながら振動。
それが増幅したところで再びアワせた。
ラストは一荷でコッパ
後半はこの釣りが見事にはまり、周囲が釣れない間でも数を伸ばし0時50分。「残り10分。最後まで頑張ってください」と審判のアナウンスが流れた時点で18尾。右舷のトップという自覚があったが、最後まで何があるかわからないのが大会というもの。ラスト10分、さらに集中し、沖上がり直前に再びアタリをとらえると、なんとコッパ(小型)の一荷。