広域解禁を迎えた外房大原のヒラメを狙って、10月5日(土)、大吉丸を訪れた。集まったファンは私を含めて10人、左右舷5人ずつ分かれて乗り込む。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・大村隆)
大吉丸でヒラメ釣り
右舷ミヨシには、常連で週刊つりニュース愛読者の石橋さんの姿があり、あいさつをして空いていた左舷トモ2番に入り、タックルの準備に取りかかる。
4時30分、中田文彦船長の舵取りで、まだ真っ暗な岸壁を離れる。左手に見える太東崎の灯台の光に送られて釣り場へと向かう。
天候は晴れ、台風の影響は消え、南西の微風で海上はナギ。航程40分、水平線が茜色に染まり始めるころ釣り場に到着。慎重に潮回りを繰り返し、横流しのルートが決定すると、海水が注ぐオケに、エサの活イワシが3、4尾ずつ配られる。
丁寧にエサのイワシを投入する
投入時刻の5時30分になると「はい、この辺りから探っていきます。用意ができたら始めてください。水深は42mです」とスタートのアナウンス。
オケのイワシを小網ですくい、握る手を海水で冷やしてからイワシの目を覆うようにして軽く握る。親バリを口の中から上アゴの硬い部分へ刺し抜き、孫バリを背ビレ末端の横に浅く掛け、イワシ、オモリの順に投入。イワシにダメージを与えぬようリールのスプールを親指の腹で軽く押え、ブレーキを掛けながらやさしく送り込む。
オモリが着底したらイトフケを取り、イワシが底上50cm~1mの範囲を泳ぐイメージをしながらわずかに底を切り、ヒラメからのシグナルを待つ。
船中1kg級登場も連発せず
早くも右舷トモの常連、黒田さんが竿を湾曲させて巻き上げにはいる。時折、竿先がグッグインと小気味よく引き込まれている。船中の第1号がヒットしたようだ。やがてレギュラーサイズとなる1kgほどの肉厚が浮上、隣の釣り人が差し出すタモへと滑り込む。
ミヨシの石橋さんも同サイズを取り込み、スタート直後から立て続けのヒットに誰もが「きょうはいけそうだ。次はこちらの番だ」とばかりに竿先に神経を集中させるが、3尾目はなかなか上がらない。船長はこまめに移動、ポイントを次つぎに探ってくれるが、潮は流れていないようで、ヒラメはなかなか口を使ってこない。
水深15mの浅場でヒラメ乱舞開始
思案した船長は意を決し、太東崎寄りの浅場へと大きく舵を切る。浅場でも横流しで広い範囲を探る。合図で投入すると、水深はわずか15m。「えっ、こんな浅いところに魚はいるの?」と一抹の不安は頭をよぎったが、イトフケをとりわずかに底を切ると、待ち構えていたかのようにグッグッと待望のアタリ。
「初アタリだ。なんとしてもものにしたい」と心に決め、やり取りを開始。グッグイと少しずつ食い込んでいく様子が手に伝わってくる。はやる気持ちを抑えて待ち続け、グイーッとひと際力強い引き込みがきたところで、魚を乗せるように大きく竿を立てると、グッグインとハリ掛かり。
すぐに竿尻を腹に当て、竿先を目線の高さまで起こし、竿の胴の弾力をフル活用、スムーズに巻き上げる。やがて1kg級が浮上、待ち構えてくれたタモへ頭から誘導し、滑り込ませた。遅まきながらも肉厚で片目が開き、思わずほほが緩む。ここから目を見張るほどのヒラメ乱舞が始まる。