大阪湾のタチウオ釣りはいよいよシーズン本番に突入した。船はもちろん波止でも好調のようだが、どうしても混じってくる指2本、3本クラスの処理に困る方もいるのではないだろうか。今回は、小型タチウオのおいしい食べ方を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・大西満)
タチウオの目打ち
指2~3本クラスのタチウオは、塩焼きや煮付けにしても食べるところが少ないが、三枚におろせばいろいろな料理にして余すことなく味わえる。あの、薄いタチウオを三枚におろす?思われるだろうが、ウナギをさばく要領で、まな板に目打ちするだけで簡単に捌くことができる。
釣り場での下処理
先ずクーラーに潮氷(氷に海水を少し入れる)を入れておく。タチウオが釣れた後、すぐシメてここに入れ、鮮度を保つ。
氷が溶けて真水になると魚の表面の色がかわり、汚く見えてしまうので、海水をいれておこう(味は比較実験したことがないから不明)。
持ち帰り方
釣れたタチウオは、魚体が曲がらないように長めのクーラーに入れて持ち帰ると、あとの料理が楽になる。
自宅での下処理
帰宅したら、できればすぐに内蔵を出してきれいに洗っておく。鱗がないタチウオはこれだけで下処理OKだ。
材料
酢の物用
・塩
・すし酢
・米酢
・砂糖
骨せんべい用
・サラダ油
・塩、胡椒
調理手順
まず、タチウオの内臓を出し、腹側を奥にして(その方が身を厚く取れる)、目玉付近をまな板に千枚通しでしっかり止める。
三枚おろしにする
刃渡りのある刺し身包丁で胸ビレの下から切り込み、骨に当てながら横にして、左手で腹を押さえながら包丁を骨に添わせて一気に尾の方に滑らせる。
骨に添わせると少し抵抗があるが、軽く前後に動かしながらやると、尾の先まで薄いが身を取ることができる。同じ要領で裏側の身も取る。
切り身に塩をふり、酢に漬ける
薄い身はタッパーに並べて、軽く塩をふって30分ほどおき、氷水で塩を洗い落としてから甘酢(すし酢と米酢を一対一)に浸ける。酢の味は好みによって、少し砂糖を入れてもいい。
浸ける時間は、生加減がいい人は30分、白く締まったものが好みなら1時間ぐらい漬けておくとちょうどよいだろう。
タチウオの酢のもの
酢から上げ、ペーパーでふき取って酢の浸透を止めておけば冷蔵保存が利く。甘酢とキュウリと和える「キュウリもみ」もいいし、細切り大根と和える「なます」もおいしいのでおすすめだ。
そのまま細切りして「おつまみ」としても日本酒によく合う。
骨せんべいと皮付きタチ刺し
少し骨に身が残るが、骨は5cmほどにぶつ切りして二度揚げすれば香ばしい「骨せんべい」の出来上がり。塩、胡椒を少量降れば、ビールのアテとしては最高の肴になる。
身は、そのまま刺し身としていただくとおいしい。皮もおいしいがそのままでは硬いため、表面に2mm幅で切り込みを入れてから2cmほどに切れば、皮付きでも刺し身として味わえる。
いかがだろう?これで、捨てる人もある小タチウオも、頭以外は全部おいしく食べられることできる。
<大西満/TSURINEWS・WEBライター>