「今期のカワハギは厳しい」。そんな声を聞く人はいるだろう。確かに2年魚は少なく、産まれたばかりのワッペンか25cmを超える多年魚ばかりが目立つ。9月25日(水)、東京湾・金沢八景の弁天屋から取材した。
(アイキャッチ画像撮影:週刊つりニュース関東版 大谷俊夫)
弁天屋でカワハギ釣行
今年のカワハギは、昨年度の台風などの影響で、数を減らしてしまったのかもしれない。しかし「もっと寒くなったころ、湾内に逃げ込んだ個体が戻ってくる可能性はある」と語るのはシマノ・インストラクターの鈴木孝さん。
その鈴木さんは右舷ミヨシへ。当日の潮は左舷トモから入ってくるので、不利な釣り座になってしまった。
早々に良型28.5cmをキャッチ
ほか数人の乗客を乗せて、7時15分に桟橋を離れる。予報に反して北東風が強く、航程1時間ほどかけて大貫沖へ。合図と同時に投入。
苦戦は予想されたが、鈴木さんは開始早々、28.5cmの良型を仕留める。「きょうは期待できるかも」が頭をよぎるが、そう簡単にはいかない。船中誰もがなかなかアタリをだすことができない。
本命は25㎝超えのグットサイズ
本命はもちろん、定番ゲストの姿すら見られず、時折、思い出したように本命が顔を出す程度。しかし、型はどれも25cmを超えるグッドサイズ。
左舷トモの大野さんは海底付近をていねいに探ってゲット。
続いて三原さんも良型を手にして笑顔を見せる。いい人2尾のまま、11時を過ぎる。小林さんはここで貴重な1尾目を仕留める。「やっと釣れましたよ」とホッとした様子だ。
松本さんは苦戦しながらも2尾目。鈴木さんはエキスパートらしく、いろいろな誘いや仕掛けを試しながら魚の反応を探るが、正解を導き出せないまま、残り1時間。「これはまずいですね」とつぶやきながら集中していき、口数が減る。
初挑戦でグッドサイズ
その時、鈴木さんの隣で竿を出す初心者の根岸さんがグッドサイズを掛ける。初挑戦での良型に「釣れてしまいました」と本人が驚いている。
誘い方が分からず、ほぼ動かさないまま、海底~2m上まで探っていたのを見て「動かさずにじっと止めたほうがいいんだな、きょうは」と鈴木さん。ここからすさまじい追い上げが始まる。
潮の流れが変わり連釣も
13時を過ぎると潮の流れが変化。右舷ミヨシに有利な流れになる。このチャンスを逃さず、次々に本命を仕留め始める鈴木さん。結局5尾を手にして竿頭。「たぶん魚はいるんですよ。ただ、そう簡単には掛けられない」とコメント。
ゆっくり探る釣法が奏功
海底にはわせるとトラギス、1m上げればシロサバフグ。オモリ1個分上げて、ごくゆっくり探る釣法が奏功したようだ。
今シーズンはより難易度が高いカワハギ。技術にプラスして思考と観察が求められる、さらにゲーム性が高い釣りになっている。
<週刊つりニュース関東版 大谷俊夫/TSURINEWS編>