大阪湾の夏の風物詩ともいえるテンヤタチウオ釣りは「指4本クラス」良型が揃うようになり、面白くなってきた。8月21日は泉佐野・北中通漁港から出船の夢丸に乗船。前半は二枚潮に苦戦したが、後半は隣の釣り人の「横の釣り」を真似てペースアップ。14匹の釣果を得ることができた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・大西満)
二枚潮解消で追釣り
何度か釣り場を移動して釣っていると、ようやく船長のアナウンス通りの水深でテンヤが着底するようになった。二枚潮がなくなったようだ。するとコツンッとくる小さい前アタリも穂先に出たし、微かなフワッとした食い上げも出て、それを即アワせるとドンッと乗った。
掛けアワせて穂先に重さを感じ、巻き上げを掛けるとギューンッと穂先が海面まで引き込まれる。この重量感がまさにタチウオ釣りの醍醐味ではないだろうか。
潮が素直な間は、かすかな前アタリから誘いを掛けて食い込ませ、力のあるアタリで掛けアワせる微妙な駆け引きを味わいつつ釣り、少しずつイケスのタチウオが増えていった。
ただ、タチウオのアタリが多くなって空振りも多くなり、イワシのエサではすぐボロボロにされてしまう。こうなると加工サンマ(キングドラゴン)の出番だった。エサもちがいいから次のアタリを待てるのだ。
「縦の釣り」から「横の釣り」へ
午前10時過ぎ、上潮が前へ滑りだした。隣の人は思いっきり前へテンヤを飛ばし、テンヤをかなり沈めてから、まだフォール中なのにひょいひょいと誘いながらリールを巻いて、それで次々とタチウオを掛けている。底近くの宙層でテンヤをひょいひょいと動かしながら手前に泳がせて釣っている感じ。
これまでが底から巻き上げる「タテの釣り」なのに対し、これは「横の釣り」ではないか…。しかし、「釣れたら真理」なのだ。私もすぐ、マネをする。
水深60mのアナウンスで、テンヤを沖へ投げてラインが斜めになっているから、そのままでは着底するのは85mほどになる。それを60mで止めてヒョイヒョイと誘いながらレベル3の微速巻きで釣る。私の頭の中では底10m付近をテンヤが横に泳いでいるイメージだ。
やがてクーッと穂先が押さえられ、アワせるとドーンッ。だが、手応えが軽い。リールを巻いてからもう一度強くアワせて、強い手応え(ハリ掛かり)を確認してから巻き取ると、90cm級のタチウオが釣れてきた。それでも指4本はありそうな幅広の魚体だった。
メーター級主体に14匹
それからはこの釣り方が独壇場になった。これをやり始めた隣の人と、それをマネした私の2人が交互にサオを曲げるシーンが続く。
潮が素直に流れだしても、沖へテンヤを遠投してフリーフォールさせ、水深の10mほど上で止めて軽く誘いを掛けながら微速巻きで釣ると、仕掛けがまっすぐ立つ前にアタリが出てぼつぼつとタチウオが釣れたのだった。
この「横の釣り」でまた一つ、私のタチウオ釣りの引き出しが増えたうれしい一日だった。
この日の釣果は船中のトップは18匹で、私はタチウオ14匹(92~103cm)。ほとんどがメーター級が揃っていてかなりのボリュームがあった。
<大西満/TSURINEWS・WEBライター>
夢丸