未来の釣り人を育てるDYFC(ダイワヤングフィッシングスクール)が、1年ぶりに大阪・泉佐野マリンライフで7月20日に開校された。今回のテーマは「追っかけアジ釣り」。私は講師として参加し、この釣りを子供たちにレクチャーした。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・辻原伸弥)
80人の子供たちが集合
梅雨の長雨は、前日の準備段階まで雨模様だったが、受付時間が迫るとともに青空を見せ始めた。
日本各地で開催されるDYFCは大人気!早朝6時30分から今回も厳選なる抽選に当選した80人の会員の子供たちが、続々と保護者の方々と会場に姿を見せた。
『追っかけアジ釣り』に挑戦
今回挑戦する釣りは「追っかけアジ釣り」。関西圏ではあまり聞きなれない釣り方かも知れないが、エサカゴを付けないサビキ仕掛けを使い、船でアジを探し、多数の仕掛けを投入することでアジの活性を上げながら連続ヒットさせていく釣り方。
ライン結びや釣り方のレクチャーと開会式を終え、7時30分、各班が4隻の船に分かれて乗船する。
今回受け持つTEAM辻原は中学~高校1年生の女子チーム。いつもと違う船釣りだけに皆、少し不安な表情だ。「私、渡船でも酔うんです!」。マジで?皆に釣ってほしいし、これは酔わないようにも気を付けて頑張らなければならない(汗)。
フィッシング開始!
港から10分ほど走り、最初のポイントに到着!船長のアナウンスに合わせてスタートフィッシング。水深は15m前後。海底まで仕掛けを落とし、アジからのアタリを待つ。
普段、慣れない船釣りであることと、ご両親と別れて1人で出船していくことに不安を抱く子供も少なくない。しかし、先ほど知り合った同じ班のメンバーとすぐに仲良くなれるのもDYFCならではの魅力。
ツバスもヒット
無数のサヨリがウロウロし、魚からの生命感は満載な状況下なのだが、船釣りに慣れない子供たちはロッドを大きく煽ってしまい魚を誘いきれない。各班のコーチ陣から、ロッドの構え方とサビキ仕掛けの動かし方がレクチャーされる。すると、沈黙から一転しポツポツとアタリをとらえ始めた。
10cm前後のイワシや、15cmぐらいの豆アジがヒットし始めた。アタリがあり、魚が掛かると、ついついリールを巻きたくなる衝動に駆られるが、ここで5回ほどリールを巻き止めると、ブリの幼魚であるツバスがハリに掛かったイワシやアジに食いついてくるのだ。
そして、コーチからのアドバイスを受けた子供にツバスがヒット!幼魚とはいえ、大型青物のDNAを持つツバスはヒットした瞬間から暴れまくる。初めての青物の引きに無心にリールを巻いていく子供たち。「コッチもきた!」「僕にもきた!」と船中あちこちでロッドが曲がっていった。
「私も釣りたいな~!」と言っていたTEAM辻原の女子メンバーのロッドも曲がり始めた。
ロッドへのアタリに集中して、イワシが掛かったら少し待ってゆっくりと巻き上げていく。プルプルとロッドに伝わっていたのが、突然イワシにツバスが食い付きガツン!とロッドが曲がる。「重たい!」と言いつつも頑張って見事ツバスをゲット。
ついに良型アジが
他の船から情報を得て、ポイントを大きく移動して今度は深場を狙う。浅場では比較的簡単にできた動作も、深場では潮流の流れもプラスされ気を抜いてしまえば仕掛けがオマツリしてしまう。また、アジは底付近を好むのだが、このポイントでは底が荒く根掛かりも気を付けなければならない。
スクール終盤戦になると、船の釣りにも慣れてきたのか?成長した子供たちの姿が目立ち始めた。仕掛けを海底へと落としリールを数回巻く。「きました~♪」30cmのアジに満面の笑みの女子。
「終了です!お疲れ様」との船長さんからのアナウンスに「もう、終わり~?」と(笑)。開始直後の不安はすべて払拭され、誰もが船釣りを心底楽しんでいた。港に帰港し、笑顔でご両親と再会して閉会式へ!
まさかの大物賞!
DYFCスクールでは、毎回各班で対抗してその日一番の大物賞を競うのだが、表彰式で「本日の大物賞は?TEAM辻原の皆さん!!」とのMCにビックリ。黙々と頑張っていたリカちゃんの釣り上げたツバスがこの日の大物賞だった。「引きが強くって楽しかった!」と船釣りを楽しんだ様子。
その後、抽選会に保護者参加のじゃんけん大会があり、怪我や事故もなく全員が笑顔でスクールを終えることができた。
親目線から見ると、ついつい心配ばかりが先走るが、少しの時間、親元を離れ、子供たちだけで力を合わせて釣りをすることで大きな成長を得た一日になったのではないだろうか?
<辻原伸弥/TSURINEWS・WEBライター>
泉佐野マリンライフ