タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能

タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能

タカラガイという生き物をご存じだろうか。古くは貨幣の代わりに流通していた国もある。まさに宝の貝なのだが、その生体を見た事がある人は少ないはず。実は案外近場のタイドプール(潮溜まり)などにもいるのだが、なかなか気が付かない。見つけると何ともシアワセになるタカラガイについて紹介したい。

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(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

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南紀を中心に紀北にも生息

和歌山市内にある加太大波止。そのさらに東側へ回り込んだ磯場は、大潮の干潮時になると広大な磯が出現し、あちこちにタイドプールと呼ばれる潮溜まりができる。ここは磯場の観察会などにも使用されるほど生物が多用で、あちこちに水族館でもお目見えするような海の生き物が見つかる。

タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能これな~んだ?(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

そんなエリアの小さな転石をひっくり返すと、海藻の塊のような丸い物体が引っ付いている事がある。それをそっと手で触ってみると。中から貝殻が出現する。それもピカピカの光沢を放つ、独特のなまめかしさを持つ貝である。これがタカラガイである。

タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能茶色い塊の中から出てくると(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

黒潮域を中心に日本には約90種

基本的に温暖な黒潮域をメインとして世界に230種類ほどが知られていて、そのうち日本には90種類ほどが確認されている。 

実はこのタカラガイの光沢は自ら炭酸カルシウムを分泌して貝殻を形成する時にできるもので、フジツボなどが貝殻に付くのを防止している。なので、基本的に外套膜で覆われた状態で潜んでいる。外套膜とはいわば、通常は殻の中にある器官で貝殻の中から出てきた外套膜が貝殻を覆っている。

貝殻の模様や外套膜の違いなどが変化に富んでいて、非常に面白い生物の一群である。

タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能身近なタカラガイいろいろ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

水温低下で死滅する場合も

関西では黒潮の影響を受ける和歌山の南部に数多く生息するが、一部は紀北エリアや、時には大阪湾にも生息している事がある。ただ、南方系の貝だけに、水温低下には弱く、大型の種類でも水温14度以下の状態が数日間続くと死んでしまうと言う調査結果も出ている。

和歌山県下の冬場では、多くの場所で潮が上る(大阪湾側へ北上する)と、水温が上がり、大阪湾からの水が流れ出る下りになると水温が低下する傾向にある。磯のグレ釣りの状況を見ているとよく分かるのだが、安定して上り潮が続いているとグレがよく釣れ、下り潮になると水温低下により食いが渋くなる。

死んだ直後の貝が理想

実は冬場のタカラガイ採集は、磯場などで打ち上げられる貝殻拾いがメインとなるのだが、死んで時間が経ち、風や砂にさらされるとその光沢が失われる。よく砂浜で貝殻拾いをしていると、丸い小さなタカラガイが落ちているが、そのほとんどは光沢が失われているのだ。

タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能タカラガイが拾える海岸(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

そこで、理想的には死んで打ち上がったすぐの貝を拾いたい。なんなら、生きている貝を採集してきて、水槽で飼って死んでしまえばすぐにその光沢そのままに飾りたいという事で、筆者宅ではタカラガイの飼育をスタートした。

小さな転石エリアに潜む

冬場に生きたタカラガイを採集するのは難しいので、シーズンは夏場。多くの小型タカラガイは磯場を中心に、頭の大きさくらいの石が転がるような場所で、石の陰に潜んでジッとしている。タイドプールに石が転がっていれば、そっと石をひっくり返すと出てくる事が多い。

主食は藻やコケ

採集したタカラガイは電池式のエアレーションを入れたバケツで持ち帰る。この時、忘れてはならないのが藻が生えた石を少し持ち帰る事。実はこのタカラガイのエサは石に付着する藻やコケの仲間である。細かく言うと、種類によって食べているものもかわり、浅い岩礁帯に生えている藻やコケを主食とする種類も居れば、サンゴに依存している種類も居る。

浅場で手軽に採集できるのはハナビラダカラ、キイロダカラ、ハナマルユキ、メダカラなどの小型が主体。ほとんどが石に付いたコケや藻で育てる事ができる。ちなみに、海水魚飼育の愛好家の間ではこのタカラガイを水槽のコケ掃除に使うため、魚と一緒に飼っている…なんて事も珍しくない。

タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能飼いやすい小型のタカラガイもきれい(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

食欲は旺盛で一晩(夜によく活動している)あれば小石ならコケが全てなくなっているくらい。窓際に置いておくと多少はコケも生えてくるが追いつかないので、釣行のたびにコケ付きの小石をいくつか拾ってくるのが習慣に。水槽の壁面にコケが付きだすと、これもエサとなりかなり助かるが。

水槽内が地味?

ただし、難点(とは思ってないのだが)は、外套膜が海藻の塊みたいなもので、派手さは全くなく、動きもほぼないので静かな水槽になってしまうこと。ちなみに魚と一緒に飼う事はできるが、カワハギやベラなど貝を突く魚はNG。

タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能水槽の中ではこんな感じ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

死んでしまったら

さて、どうしてタカラガイを飼育するかと言えば、見ていて癒されるのもあるが、実は残念ながら死んでしまった直後のタカラガイは傷がなく光沢が非常にきれい。普通にコレクションする人もいるし、アクセサリーとして加工もできる。

タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能キーホルダーにしてみた(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

タカラガイは小さいけれど親になると殻が分厚くなり、加工しても割る事が少ないのも魅力だ。殻の端に穴を開けて紐を通すだけで、立派なキーホルダーにもなる。もちろん、キーホルダーにしてしまうと表面が擦れて光沢はなくなってしまうのだが・・。

タカラガイの探し方と飼育方法 アクセサリーやインテリアにも活用可能ちょっとしたインテリアにも(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

個性的な種類も多いので集めて飾っておくのも楽しいもの。我が家には日本産約90種類のウチ、和歌山・南紀や高知・足摺岬などで採集してきたコレクションが50種類以上あって、見ていても非常に楽しいのだ。

<松村計吾/TSUTINEWS関西編集部・松村>