タコクラゲを南国高知で採集して飼ってみた 12時間も死んだふり?

タコクラゲを南国高知で採集して飼ってみた 12時間も死んだふり?

以前、何かの動画で見て、1度は会ってみたかったのがタコクラゲ。家族で高知・黒潮町へ行くと、道の駅で瓶に入ったタコクラゲが売られていた。思わず購入…と思ったけれど、ちょっと待てよ、ここで売られてるんならその辺の港に行けば採れるんじゃないか…と言う事で、早速、近所の佐賀漁港へ出かけた。

高知県のリアルタイム天気&風波情報

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

TSURINEWS編集部 TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

高水温を好むクラゲ

タコクラゲを南国高知で採集して飼ってみた 12時間も死んだふり?道の駅で売られていた(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

黒潮町佐賀漁港は大型港湾部で台風の波がまともに押し寄せる地域にあるためか、防潮堤も強固で高い。ただ、港内とは言っても水は透明で、船を上げ下ろしするスロープには小魚やアオリイカまでが泳いでいるのが見える。

今回の目的、タコクラゲについてネットで調べてみると、刺胞動物門鉢虫綱タコクラゲ科に属するクラゲで、国内では関東以南の沿岸部で夏の暑い時期をメインに出現する。

毒は持っていても痛みはない

口腕から繋がる付属器が8本あることから、タコになぞらえてタコクラゲと名付けられた。

本来、タコクラゲも刺胞生物なので、通常のクラゲ同様刺す器官を持っているが、ほとんどは人が痛みを感じない程度の毒らしい。

タコクラゲを南国高知で採集して飼ってみた 12時間も死んだふり?これがタコクラゲ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

サンゴの白化とも関連?

また、褐色の個体は褐虫藻が共生していて、光合成でも栄養を得る事ができる。褐虫藻とは海産の無脊椎動物と共生する渦鞭毛藻の仲間の総称。

よく知られているのがサンゴ。褐虫藻が共生しているサンゴから褐虫藻がいなくなった状態がサンゴの白化である。

ま、難しい話はさておき、丸い形と、フワフワと外套を小刻みに動かしながら泳ぎ回る姿はミズクラゲのゆったりした泳ぎとは逆ながら、その動きには非常に癒されるのである。

港内に無数のクラゲが・・funetsuri 

そして本題のタコクラゲ探し。佐賀漁港の港内に行って、船上げの場のスロープを除くと、ポツリ、そしてまたポツリとタコクラゲが浮いている。ただ、道の駅で売られていたのと比べるとエラくデカい!

タコクラゲを南国高知で採集して飼ってみた 12時間も死んだふり?よく見ると!(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

まずはシュノーケルを付けて、船上げのスロープからソッと入水。顔を付けて水面下を眺めてみると。

おっ、あそこに泳いでる。こっちにも…と言う具合に、水面上から見るのとは違ってけっこういるではないか。そして、フワフワとせわしなく進んでいる。色は赤いのやら、褐色なのやら青いのやらバラバラだ。

タコクラゲを南国高知で採集して飼ってみた 12時間も死んだふり?案外たくさんいるぞ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

微妙な光の加減で色合いがずいぶんとかわるようで、違った場所で撮影すると群れ全体が真っ赤に写ってしまうのが不思議。

タコクラゲを南国高知で採集して飼ってみた 12時間も死んだふり?赤いタコクラゲの集団(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

さて、どうやって取るか…手網を用意してソッと網の中へ誘導しそのまま、小さなプラケースへ。すぐに付属器が取れそうなので注意しながらケースに誘導するようにしていると、あっという間に10匹以上が生かしバッカンの中へ。

あまり採集しても、持ち帰る前に死なせてしまっては意味がないので、やや小型のタコクラゲを10匹ばかり持ち帰った。

「タコの脚」はちぎれやすいのだ

ネットで調べてみると、遊泳力が比較的あるのだが、やはり口腕から連なる「タコの脚」はちぎれやすいのと、目の粗いネットなどで擦れるとすぐに傷が付くのでダメらしい。

タコクラゲを南国高知で採集して飼ってみた 12時間も死んだふり?持ち帰ったタコクラゲ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

本来は丸い水槽でぶつかることなくクルクルと回っている状態が望ましいらしい。自作も考えたがとりあえず、石の粒で傷つかないように、エアレーションのストーンの石に当たらないよう、目の細かいネットで飼育ケースを仕切って、一方にタコクラゲ、もう一方にストーンを入れてみた。10匹近いタコクラゲが水槽内をあちこち泳ぎ回るのには癒される。

エサは『ブラインシュリンプ』

さて、飼育をするにはエサである。これもネットで調べるとブラインシュリンプという微少な甲殻類をエサに与えるといいらしい。以前、ブラインシュリンプが必要になった時、確か卵を乾燥させたものが瓶に入って売られていて、その卵を水に浸けておくといつの間にか孵化して泳ぎ回る姿を見る事ができた。

が、すでにタコクラゲは目の前。そして、確かブラインシュリンプの卵は非常に高価であった覚えが・・。と思っていると、冷凍のブラインシュリンプが売られているらしい。最近は便利な世の中になったものだ。

というわけですぐにペットショップに走ると、1軒目は取り扱いなし、2軒目はペットショップと言うよりは、熱帯魚屋さんで、こちらには置いてあったので即購入。

スポイトで傘の下へエサを投入

帰宅して小皿にブラインシュリンプを少量の水で溶かし、スポイトで吸って、クラゲの脚の所へ掛けてやる。エサを口で食べ求める訳じゃなく、泳いでいるウチにエサが触手に引っ付いてくるのを食べている感じなので、エサが沈んでしまうとなかなか食べられず、そのままだと水質が悪くなる。

そこで、少量ずつを傘の内側へ吹きかけてやる感じにすると、ブラインシュリンプをたくさん付けて泳ぎ回る姿が見られる。こちらもネットで調べたのだが、案外遊泳力があるので、その分体力消費も大きく、しょっちゅうエサを食べていないとダメらしい。

でも、こちらも寝る時間は欲しい・・。

12時間も死んだフリ?

翌朝、水槽をのぞくと、傘を下にして逆さまになって動かなくなっている。ん、死んじゃったのかなと思っていると、部屋を明るくした途端、またまた泳ぎだした。で、早々にエサをやると、止まっていたヤツらもどんどん復活して、活気を取り戻した。

この止まっている状況は時々見られ、時には12時間くらい沈んで止まったままで、完全に死んだと思っていたら、突然復活したりと非常に理解に苦しむ行動を取る。

寿命は半年~1年

タコクラゲの寿命は短くてものの本によると飼育下では半年から1年と書かれていた。このクラゲたちも実は数ヶ月持ったのだが、徐々に「タコの脚」が切れて消失したりして、ボロボロになっていき、最後には動かない状況が続いたかと思っていると、どんどんボロボロになって死んでいった。

寿命なのか、それとも飼育下での環境が悪かったのかは不明だが、美人薄命とでも言うべきか。次回はもう少し、環境を整えてから飼育に再挑戦したい。

ちなみに後日談として、タコクラゲは光合成を行う個体も多い習性上、日照量が多い猛暑の夏などに太平洋岸を中心に大量発生する事が多いらしい。関西では和歌山・串本町辺りでよく見られるとの事だ。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

▼この採取場所
黒潮町佐賀漁港