寿司屋が釣果を買い取るサービスを実施 プロジェクトに秘めた想いとは

寿司屋が釣果を買い取るサービスを実施 プロジェクトに秘めた想いとは

「好きなことでお金を稼げたらいいのに…」そう思っている人も少なくはないはず。今回は、釣り好きのために、魚釣り、特に釣った魚を買い取ってくれるところを調査してみました。愛知県の釣魚を買い取ってくれるお店も紹介。

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とんかつの武蔵グループ

寿司屋が釣果を買い取るサービスを実施 プロジェクトに秘めた想いとは

地域によっては釣りたての魚を買い取ってくれるお店があります。今回は、実際に釣果の買い取りを行っている店舗に電話取材を行いました。

電話取材に応えて頂いたのが、寿司店『超グルメ回転すし武蔵丸』と『超グルメ鮨 2代目武蔵丸』を運営している、愛知県にあるとんかつの武蔵グループの代表取締役「河合昭人」さん。(画像参照:とんかつの武蔵グループHP)

釣魚買い取りサービス

『超グルメ回転すし武蔵丸』と『超グルメ鮨 2代目武蔵丸』では、釣りたての魚を買い取るサービスを行っています。

釣行後に『少し釣りすぎてしまったな』や『家族で食べきれないかも』と感じたことがある人も少なくないはずです。そういった時に活用してみるのもいいかもしれません。

しかし、どんな魚でも良いというわけではありません。とんかつの武蔵グループには厳密なルールを5つ設けています。

釣魚買い取りのルール

①魚は鮮度が命
(血抜き。氷締めをして鮮度を保ちましょう)

②温度変化には気をつけて
(クーラーボックスに氷をいれて海水を入れて管理しよう)

③釣魚買い取り希望の連絡を入れてください
(10:00~17:00の間に買い取り、到着2時間前に必ず連絡しましょう)

④直接、お店へ持ち込んでください

⑤現金にて買い取ります

中でも①と②がとても重要とのこと。釣った後に、下処理もせずに、バケツやバッカンに魚を入れているだけでは、魚の鮮度が落ちてしまいます。持ち込む際は、血抜きや内蔵を取り出すなど適切な下処理を心がけて下さい。
※貝類や禁漁期間中の伊勢海老などは買い取りを行いません

LoveFishプロジェクトとは

寿司屋が釣果を買い取るサービスを実施 プロジェクトに秘めた想いとは

なぜ釣り人の釣果買い取りを行っているか。その理由は、同社が推進している『LoveFishプロジェクト』に集約されています。

「釣り人や漁師が、釣りの楽しさや旬のおいしさをいつまでも続けられる用に、また寿司職人をはじめとした魚を扱うお仕事をされている方にも腕と魂に誇りを持ち続けてもらえるようにお互いに協力していきたいと取り組まれているプロジェクトになります。」
※とんかつの武蔵グループHPより引用

HPを見ると一目瞭然。目的はお金儲けではないようです。海洋資源の循環という手段で、関わる人全て(釣り人・料理人・さらには一般のお客さん)へ、自分たちの「想い」を届けることを命題としています。

それは、以下の宣言にも表れています。

釣り人の宣言

・私は釣った魚を大事に扱います。
・私は釣った魚を美味しく食べてもらう努力をします。
・私は釣った魚を欲しがらない人にはあげません。
・私は未来のために稚魚幼魚を釣りません。

料理人の宣言

・私たちは、単なる仕入れとしての釣り魚を買い取りません。生き物を食べ物にする仕事をプロとして、パートナーである釣り人にも魚を大切に扱ってもらいます。

楽しく釣っておいしく味わってもらいたい、という気持ちを大事にしている釣り人から多くの賛同を得ているようです。

(画像参照:LoveFishプロジェクトHP)

過去の持ち込み事例

過去には、サバ200kgを持ち込まれた方もいるようです。その量にまずは驚きますが、ただ持ちこまれただけではなく、下処理も適切にされていたとのこと。

また、1匹づつ袋に小分けにされたイカを持ち込んだ方もいたそうです。

個人で勝手に販売してはダメ

ここで注意点が一つ。

釣果を個人間で売買することは問題ありませんが、商売として不特定多数に対して販売をするのはNG。

魚に限らず、食品を販売する場合には、食品の種類に応じた、保健所の営業許可が必要になります。

そして、鮮魚を販売するには、魚介類販売業の許可が必要です。必ず施設の所在地を所管する保健所に相談してください。

まずは釣りを楽しもう!

大前提として見ず知らずの人が魚を持ち込んで来てもおそらく相手にしてもらえません。漁業組合の人やお店の人と事前に仲良くなり、自分の顔を覚えておいてもらう方法もありますが、もし住まいの近くに『釣りたての魚を買い取ります』といったサービスがあったら釣行前にその内容を問い合わせてみてはいかがでしょう。

寿司屋が釣果を買い取るサービスを実施 プロジェクトに秘めた想いとは出典:Pixabay

「元を取らなきゃ!」というプレッシャーの中でする釣りは楽しくないはず。せっかくの趣味の時間は最大限楽しまなきゃ損。

釣果ありきではなく、まずは「釣り」という体験そのものを満喫しよう!

<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>