伊藤さとしのプライムフィッシング 【バランスの底釣り・基礎編②】

伊藤さとしのプライムフィッシング 【バランスの底釣り・基礎編②】

伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「バランスの底釣り・基礎編」。今回は、底釣りの生命線とも言える底ダテについて伊藤の方法論を交えて解説する。大切なことはアタリが出るタナを見つけることが、それを決めるには基準がほしい。つまり底ダテとはその基準を決める作業だと言うのだが。

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底ダテについて

人によって方法はいろいろあると思われるが、ここでは伊藤さんが勧める方法で解説を進める。

なお底ダテを始める前に、一つ重要な点があるとのこと。

伊藤 さとし

「チョウチンで底に届く竿の長さを選択することがビギナーには大切だよね。そのほうが振り込みもしやすいし、ウキが立つ真下の水深を計りやすいからね」

では解説スタート。

①両バリ付きの状態で宙のエサ落ち目盛を計る

できれば底ギリギリが理想。

仮に水深が5mあったとして、底近くで計った目盛とメーターダナでは1~2節の誤差が生じるため。

②底ダテをはじめる

トップがギリギリ沈む程度のタナ取りゴムに両バリを刺して底ダテをはじめる。

理想は使うエサと同一程度の比重があるゴム。

粘土タイプに代表されるサイズの調整が可能なものがいい。

完璧を求めるなら、使用するエサ2個分を1つにまとめて両バリにつけて、どの程度の早さで沈むかを確認してからゴムの重さを微調整すればなおベター。

ただしトップが沈まなければ意味がないので、エサの重さに合わせることは必須ではない。

③重いゴムではどうか

ではなぜエサの重さに等しいほうがいいのか。

もっと重いゴムではダメなのか。

さらにウキにフロートを付けて測ったほうがより正確な水深を測れるのでは?

伊藤 さとし

「正確な水深を測ることイコール釣れるタナではないよね。大切なことは実際の釣りと同じ方法で測ることなんだよね。フロートを使えばラインがピンと張るから正確な水深を示してくれる。でも実際の釣りとは違うよね。たとえば風流れがあったとする。フロート使用だと、それでもラインはピンと張る。その状態でトンボ(水深を示す目印)を合わせて、今度はフロートを外してエサを打ち込む。するとどうなるかな?おそらくはラインが湾曲してエサが底を切るかもしれないよ。つまり正確さが仇になることもあるってこと」

>伊藤さとしのプライムフィッシング 【バランスの底釣り・基礎編②】ゴムの重さに注意

④ゴムの位置を意識する

着底させるタナ取りゴムの位置は、普通にエサを振り込んでウキが立つ真下。

伊藤 さとし

「よく見かける光景なんだけど、底ダテだと腕をめいいっぱい伸ばした状態で測っている人がいるんだ。でもそれって違うよね。基準は常に竿を置く位置でしょ。自分がいつも万力受けのどこに竿を置いているか。その位置を基準にウキが立つわけだから、底ダテも同じ場所を測らなければ意味がないよね」

⑤水深から地形もイメージする

ウキが立つ真下の水深をトップ先端1節出しで測れたら、その位置にトンボを合わせる。

と同時に前後左右の水深も測って地形のイメージを把握する。

伊藤 さとし

「とくにウキが流される方向の地形がどうなっているかだよね。左右と言っても正確にはやや手前になるわけだし」

伊藤さとしのプライムフィッシング 【バランスの底釣り・基礎編②】トンボの位置を調整する

⑥徐々に深く

トンボの位置に宙で測ったエサ落ち目盛を合わせれば理論的には上バリトントンになるが、このままだとハリ2個分の重さが消えた本当の意味でのエサ落ち目盛が出てこない。

そこで1~2節分ウキ下を深くして空バリで振り込みハリの重さが消えた目盛が出てくるかを確認する。

出てこなければ、出てくるまでウキ下を深くするか構わずそのままでエサ打ちを始めて、ナジミ幅を見ながら徐じょに深くする。

伊藤 さとし

「いわゆる底釣りのエサ落ち目盛が出てくるかってことが大切なわけだけど、通常は宙の目盛よりも1~3節ボディー寄りの目盛が出てくるはずなんだよね。でもそれってトップの浮力や目盛の幅、ハリ2個分の重さで異なるし、流れがあるとトップのシモリが影響して出てくるはずの目盛が出てこないこともある。だから仮に完璧を目指すなら、宙の状態でハリを付けずに打って目盛を確認し、今度は2本のハリを付けてどれだけ目盛が沈むかを見ておけば、ハリ2個分の重さが明確に分かる。そしてその目盛分だけを宙のエサ落ち目盛に足せば(ウキ下を深く)理論的には空バリの状態でハリ2個が完全に底に付いた状態となるわけだよね」

⑦ナジミ幅が出るかどうか

実際にエサを付けて打ち込みを始め、ナジミ幅が出るか出ないかなどを確認する。

伊藤 さとし

「要は⑥までの作業は基準点をどこに定めるかであって、釣れるタナに合わせたとはなっていないわけだよね。大切なのはナジミ幅が出て触りがあったらトップが戻ってきてそこからアタリにつながるかなのだから、それらを探ることのほうがよほど大切なんだよね。でも探るためには何かしらの基準がほしい。それが⑥までの手順を行ったことによって得た、トンボの位置とエサ落ち目盛の確認だってことなんだよね」

では次週は⑦までやったことをベースに、そこからどうやってアタリを出していくかを考えてみよう。

次回も「バランスの底釣り・基礎編」です。

<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>

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隼人大池へら鮒センター
この記事は『週刊へらニュース』2019年4月12日号に掲載された記事を再編集したものになります。