埼玉県東松山市にある九頭竜沼は、周囲80mほどの小ぢんまりした釣り場。周囲に桟橋を設置しているため、パラソルを使用しなければスノコや釣り台は不要なので、手軽に楽しむことができる。毎年放流が行われて魚影が濃いうえ比較的型が小さいので、冬場でも口を使うヘラが多い。
九頭竜沼の歴史
釣り場としての歴史は長い。古くはまだこの辺りに集落があったころ、地元では押堀と呼ばれており、当時からヘラがいたと言われている。
その後近くに住んでいた画家が一時は管理釣り場として営業したが、長くは続かなかった。そして昭和50年代前半に現在の愛好会による管理となった。
水深は満水時で平均3m。小さな池のわりに水深があるほうだが、今期はまとまった雨が降っていないため約50cm減水している。
九頭竜沼の概況
ここは池のすぐ横を流れる用水路から水を引いている。この用水路も近くを流れる都幾川から引いており、今期は都幾川自体の水位が低いので水を引くことができないそうだ。
以前は減水時には池の近くにある井戸から水を引くことがあったようだ。だが、鉄分を多く含む井戸水のため水質が悪化して食いが落ちるとの理由で、現在はある程度の減水は止むを得ないとしている。
ただし前記のとおり満水時で3mあるので50cm程度の減水なら問題はなく、桟橋から水面が低くなる程度。
この釣り場のいいところは、何と言っても魚影の濃さだろう。放流は毎年行われており、中小型のヘラが主体。そのため寒い時期でも口を使ってくれる。
タナ規定
この釣り場にはタナ規定があり、オモリ~ウキ止め間が1m以上となっている。
もちろんこの時期でも宙で釣れるが、手堅くいくなら底釣りがいい。
竿は9~13尺程度で十分。エサはバランスの底釣りなら両グルテンでOK。風が吹いてなく流れもないようなときは、段差の底釣りも有効だ。
釣れるヘラが7~9寸主体なので、ラインは細くても問題ない。道糸は0.6号か0.8号、ハリスは道糸に合わせて0.3号か0.4号でいいだろう。
ここに来ている常連のほとんどが同沼愛好会の人たち。
もし釣り方に迷いがあった場合、皆さん親切なので、臆せず質問すれば詳しく教えてくれるだろう。
施設利用の注意事項
釣り料金は400円で駐車場やトイレを完備。釣り料金を支払い釣り場のルールを守れば、誰でも自由に釣りができる。
タナ規定や玉網の使用、1本バリ禁止などが看板に書かれているが、とくに注意していただきたいのは、ゴミの持ち帰りと利用時間の厳守。
当然ナイター釣りは禁止で、入場時間は10月1日~3月31日までは6時30分~16時、4月1日~9月30日までは6時~17時までとなっている。
これは安全面だけでなく、周辺住民への配慮でもあるので必ず守ってほしい。
<週刊へらニュース版 APC・若松恵治/TSURINEWS編>
九頭竜沼