実は今が美味!イサキの洗い&ウロコの唐揚げ【釣果レシピ】

実は今が美味!イサキの洗い&ウロコの唐揚げ【釣果レシピ】

一般的には初夏が一番美味しいと言われているイサギ。しかし、イサギ釣りが盛んな中紀・印南の漁師さんに確かめたところ「3月の大型のものが一番うまい。」とのことだった。そこで今回はその真偽を確かめるべく、その漁師さんに「イサギの洗い」と「ウロコの唐揚げ」をつくっていただくことにした。

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イサキ(イサギ)の旬は?

“麦わらイサギ”という呼び名があるように、イサギの一番おいしいシーズンは麦の収穫期である初夏だといわれています。イサギ釣りが盛んな中紀・印南の漁師に「イサギが一番おいしい時期はいつですか?」と聞いてみたことがあります。

「えっ、イサギかえ。旬は5月終わりから6月の半ばまでかな。そやけどな、この辺りの漁師は1、2月のヤツがうまいいう人もおるよ。ただこれは希少価値と違うかな。がいに(大して)釣れんシーズンやからな。わしは、3月に釣れる型のあらい(大きい)ヤツが一番うまいと思うで」と意外な返事が返ってきました。

そこで、その答えを確かめるべく3月にイサギを釣りに出かけることにしました。そして、その漁師にお勧め料理を作っていただくことにしたのです。ひとつはイサギの洗い。もう一品がウロコの空揚げでした。洗いはお造りよりあっさりしていて、いくらでも食べられると言います。

漁師流のさばき方

漁師の料理は、早くて、うまくて、簡単がモットーですよね。それが魚を下ろす作業にも現われていました。

まず、イサギを三枚に下ろす作業ですが、ウロコも取らず、腹も裂かずにいきなり三枚下ろしが始まったのです。

最初は腹を手前にして尾の方から包丁を入れ、頭の付け根まで一気に切り開いたら、そこで片身を切り取ります。そして今度は、魚を裏返して同じ要領で開いてしまうのです。

こうして三枚に下ろし終わったら、腹骨をすき取って尾の方から包丁を入れ皮を引きます。

ここまでの工程は、あっという間に終わってしまったのですが、内臓にほとんど傷をつけていないため血が出る量も少なく、なるほど早くてきれいに下ろせるものだと感心したのでした。

イサギの洗い

こうして三枚に下ろし終わった身は、さく取りした後、お造りより少し薄めにそぎ切りにして氷水の中に入れ、よくかき混ぜます。

身がわずかに白濁してきたら、さっと取り上げ水気を拭き取ってからワサビじょうゆで食べるのですが、引いた皮もウロコを落とし湯引きにして一緒に頂くとおいしいですよ。

でき上がったイサギの洗いは、身がちりちりに弾け、鮮度のよさを誇示するかのように反り返っていました。早速2、3片の身をかき集めて、たまりじょうゆに少しだけつけて食べてみました。

冷水ですすいだだけに、身は十分に締まっています。しかも、身の表面の余分な脂や臭みが洗い流されて、端麗と表現できるほどあっさりした味に変身しているのです。

なるほど、これなら刺し身と違っていくらでも食べられるな…と一人納得したのでした。

ウロコの唐揚げ

もう一品、イサギの皮の空揚げは、ウロコを落とさずに引いた皮を使います。

ウロコをつけたままイサギの皮を5、6cm幅に切り、菜箸に巻き付けていきます。巻き終わったら爪楊枝で止め、少し高温の油で揚げるだけです。

全体に火が通るにつれパチパチと音を立てながらウロコが立っていくのが分かります。ウロコがほとんど立ち、泡が余りでなくなったら油から上げて下さい。

あとは、塩をパラパラッと振っていただくだけです。ビールのおつまみに最高ですよ。

実は今が美味!イサキの洗い&ウロコの唐揚げ【釣果レシピ】ウロコ付きの皮の空揚げは塩を一振りしてビールのつまみに最高

<週刊つりニュース関西版 今井浩次/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース関西版』2019年1月25日号に掲載された記事を再編集したものになります。