10月1に、大阪・泉佐野のブルーマックス午後便で大阪湾タチウオキングバトル予選に参戦した。
予選会ならではの緊張感
やはり予選会となると少し空気感が違い、前夜になると忘れ物がないか不安で何度も目が覚める始末。
釣り座は受け付け時にピンポン玉を引いた番号で決まる。四隅が埋まったと聞いて慌ててピンポン玉を引きに事務所へ駆け込む。釣り座は左舷トモから2番目。
ブルーマックスの松田社長から激励をいただき、気持ちを切りかえて船に乗り込んだ。出発してからは賑やかで、いつもとかわらないブルーマックスの常連さんたち。
タックルに迷いが・・
この日は前年度5代目キングの辻氏がボランティアスタッフとして乗船していたので、気を引き締めて初めのポイントへと到着。午後1時40分にバトル開始。
上り潮が残っている中、水深45.3mからスタート。30mラインでアタリがあり、サオが軽く曲がってビンッと跳ね上がった。
これを2回繰り返し、もしかしてこれがよく耳にする「タチウオに弾かれる状態?」。
サオをチェンジした方がいいか判断がつかない。この日は極鋭タチウオテンヤ170AGSで掛けにいく釣りをイメージしていた。迷いながら、少し軟らかめのAGS178に手が伸びる。
当日使用テンヤとエサ
テンヤは快適船タチウオテンヤSS40号の夜光シルバーフレークと紫ゼブラ、サーベルマスター船テンヤRG―T40Qのスーパー夜光。
エサは特殊集魚効果のサンマ「KINGドラゴン」を使用。後々に聞いた話では、この時点でトップ12匹、私はまだ2匹と10匹差があり、手返しの遅い私には大きなハンデとも言えたに違いない。
タナの迷子で焦りが・・・
途中、タチウオの歯で2回リーダーを切られたり傷んだりして、サルカンをかえたり電動リールのスイッチが入らなくて30mから必死の高速手巻き。
なりふり構わずひたすら周りに置いていかれないように必死で数を拾う。
途中、また「タナの迷子」になり周囲の電動リールの音が気になりだした。焦る気持ちを落ち着かせ、今までいろんな人に教わったことを思い返し、大きく深呼吸して一度底まで落としてみた。
探見丸が示す水深40mより、さらにテンヤが落ちていく。こんなに深かった?そう、この時は下り潮になっていた。
テンヤが底にトンと着いて、軽く3回シャクる。そしてすぐに微速巻きを入れてキツメのハーフを3回、大きくサオを上げてリールを巻く。するとカツッとアタった瞬間に掛けにいく。
その繰り返しで数を拾う。
結果は船中トップ67尾!
午後5時30分、船長の終了の合図で納竿。また明日も予選か…と、それでもやり切った感は十分あった。
私の釣った数を3回数えにきて、さらに大きいタチウオを1匹取り出し、長寸用に取り出していた。
状況を把握するより緊張の糸が張り詰めている私に、5代目キングの辻氏が「1匹差で67匹でした。ミズリンおめでとう。よく頑張った」と…。
ある釣り師の方が「ミズリン、今までしんどかったやろ。おめでとう」
ずっとのし掛かっていた重圧のようなプレッシャーが、同じ苦しみを味わっていた先輩方からいただいた言葉の重みも伝わり、大粒の涙があふれて止まらなかった。
皆、この予選に抜けたくて必死で戦ってきた。それでも温かく力強くおめでとうと握手してくれた。