足繁く通っている伊豆半島全域では、3月頃から5cmくらいの小サバの群れがエサ取りとなり、メジナを釣り上げることが厳しい状況の磯が多かった。とはいえ、5月下旬にもなると一時のようにどうにも手が付けられない状況からはよくなってきた。そこで、前回の釣行時に好結果を出すことができた練りエサ主体のエサを準備して釣行計画を立てた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)
小サバ泳がせ釣り
時間にして9時過ぎ、船長が見回り船でお弁当を届けに来てくれた。朝食を5時ごろに食べたので、昼食には早いが橋本屋特製弁当を温かいうちに食べようか迷っていると、沖に投入した仕掛けに小サバが食った。「この小サバをハリに付けたまま泳がせてみたら、ヒラスズキが食いつくかも?」と閃いた。ちょうどウネリが少しあった影響で、磯際には程よいサラシができている。沖からゆっくりリールを巻き戻して小サバを磯際のサラシの中まで引っ張ってきた。
大型ヒラスズキがヒット
するとすぐに小サバがブルブルと暴れる感じがサオ先を通じて伝わった。ドキドキしながらアタリを待つこと数秒。サミングした中指を軽く弾くようにラインが引き出される。このときのハリスは1.5号。どうせヒットしても50cmサイズのヒラスズキ程度に甘く考えていた。まさかのサイズが来ちゃった!
ヒットしたときはまだ冷静で、腕時計を見て9時25分。取り込みまでどのくらい掛るかな?なんて余裕であったが……。そんなに甘くはなかった。少しでもサオを立てていると、奴はすぐにジャンプしてエラ洗いをする。サオを下にしていれば奴は底へと潜ろうとするか、沖に走り出す。ハリスが細いから無理はできないし、いつまでも奴にいいようにやられっぱなしでは、ハリスが切られるかハリが外れるか時間の問題。だましだましでも奴の体力が弱るようなやり取りを心掛けた。
激闘制して75cmヒラスズキ
時間にして約25分弱の9時50分前に奴がやっと海面に浮上した。とうとう浮かせてもエラ洗いをしない状態で出てくれた。一発でタモ入れも成功。久しぶりに気力体力の限界まで魚とやり取りをした。ジャンプをしているときはそんなに大きいとは感じなかったが、いかんせん重量感が半端なかった。磯に上げてまじまじ見ると「デカイ!」。メジャーで測ると75cm。この後は放心状態。
暫く休憩タイムを取った後、釣りを再開したが、メジナのサイズアップは果たせなかった。結局、尾長メジナばかり30~35cmを10匹ほど釣り上げた。塩焼きにと期待したイサキとタカベの姿は見ることはできなかった。しかし、それ以上の魚の大型ヒラスズキを捕ったのが最高の喜びとなった。
港で船長に検量してもらうと、75cm4.24kg。記憶に残る石廊崎釣行であった。「あぁ~、捕れてよかった!」
<塩田哲雄/TSURINEWSライター>
橋本屋
出船場所:本瀬港