キスといえば投げ釣りの人気ターゲットであるが、船から狙えばまた一味違った釣趣が楽しめ、さらなる釣果も期待できる。今週はこの船キスのあれこれを、沖釣りのエキスパート・今井浩次さんに解説してもらった。船釣り入門にもピッタリのターゲットなので、ぜひ挑戦してほしい!
キス用船タックル
キス用の船ザオは、一日中手持ちで釣ることになるので、軽くて持ち重りしないもので、なおかつサオ先が軟らかくて食い込みのいいものを選んでおこう。
サオ先が硬過ぎるとアタリがあるのになかなか食い込んでくれず、そのままエサだけ取られて食い逃げされることが多いからだ。キスが食い渋ったときほど、このパターンが多い。
小型の両軸リールは、1~1.5号のPEラインが150m程度巻けるもので、サオとのバランスを考えると重さは200~250g、ギア比も最低1対6ぐらいはほしい。
PEラインの先には3号程度のフロロカーボン製のリーダーを付けておく。長さは2mもあれば十分だ。
仕掛け
リーダーの先に付けるテンビンは、腕の長さが15cmぐらいの、半月テンビン、もしくはL型テンビンどちらでもいいだろう。
パイプテンビンは、テンビン全体がパイプでできている全遊動式のテンビンなので、ミチイトを送り込んでやるといくらでも仕掛けが出ていく仕組みになっているため、キスが食い渋ったときに有効だ。
仕掛けの太さは1号か1.2号で2本バリが標準だが、エサ取りが多くエサをよく取られる釣り場では3本バリにしてもいい。
ただ、3本バリのために仕掛けを長くし過ぎると、隣の人とのオマツリが心配なので、全長は1mまでにしておく。
ハリはフトコロの小さな早掛けタイプで、大きさは7号か8号で十分だろう。
ハリのチモトに小さな蛍光玉を入れてもいいが、フグが多い釣り場では止めた方がいい。どうもフグは光り物が好きらしく、蛍光玉が付いた仕掛けはよく切られる。
あと、エサを付けたり仕掛けを直したりするときに、サオを預けておくことができる簡易式のサオ受けがあれば便利だ。
エサ
定番のエサはイシゴカイかアオイソメだ。大きなエサは切って使うのでハサミも忘れず用意しておく。エサは船宿で用意してくれるところが多いが、中には自分で用意して出かけるところもあるので出かける前によく確認しておくこと。
エサは弱らせないよう小出しにして使うので、小型のエサ箱も用意しておこう。あとはエサ付けのスピードアップに欠かせない石粉もある方がいい。
さあ、これで準備は整った、あとは釣り場目指して一直線だ。