今回は、「電動リールを自分でメンテナンスして、新品の時に近い状態で使用したい!」というコンセプトの元、各部のグリスアップ作業したので紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター山本高史)
整備個所と作業工程
電動リールをメンテナンスする時は、まずしっかりと海水や塩を落とし、よく拭いて1日から2日ほど日陰などで乾かします。水滴がない状態から作業を始めるのが好ましいです。
今回行ったメンテナンスでは、よく海水があたる場所のグリスアップとサビ取りをしました。主な作業個所は、
・ウォームシャフト部
・ハンドル&ハンドルノブ
・電源ケーブルの挟み込み部
の3カ所です。
ウォームシャフト
まずは、ウォームシャフト部のグリスアップです。ここは、ラインを巻き取る際、まんべんなく巻き取れるようにするにするレベルワインダーという部品のシャフト部なので、油切れは命取りになります。入念にグリスアップします。
ハンドル&ハンドルノブ
次にハンドル部のグリスアップです。ハンドルのリテーナ部にプラスネジがあるので、これを外します。ネジが取れたらリテーナを外し、ハンドル固定ナットを外します。
そうすると、ハンドルで押し込んでいたスタードラグが浮いてくるので、押さえながら外します。
ハンドルとリールが外れたら、海水がよく当たるハンドルをメンテします。
続いて、ハンドルノブ部のメンテです。ハンドルノブを固定しているのは、小さな固定ボルトです。ハンドルキャップを外すと、中に固定ボルトがあり、小さなベアリングと銅パッキンが止められています。初心者は固定ボルトを外さないで、CRCなどのスプレータイプ潤滑剤を使用して汚れを洗い流し注油しておきましょう。
元に戻す時は、この工程の逆作業をしてもらえれば、元通りになります。これでウォームシャフトとハンドル部のメンテは、バッチリだと思います。
電源ケーブルの挟み込み部
そして、最後に電源ケーブルの挟み込み部をチェックしましょう。潮をかぶって高確率で内側に錆が発生しています。錆てしまうと電通しにくくなるので、錆取り剤を塗った綿棒で拭き取り、取り除きましょう。後は、接点復活剤を塗れば完了です。
メンテナンス後
さて、外した部品の復旧作業が終わったら、最後に動作チェックです。電源が入り、各スイッチ類や、メニュースイッチ、0セットボタン、警告音などきちんと聞こえるかまで確認できて、完了となります。
後は、釣り日和に遊漁船を予約して、クラッチ、ドラグ、ハンドル部、巻き上げ操作など、船の上で試上運転です。
メーカーのオーバーホールも活用
高価な電動リールは、なかなか買いかえできないアイテムでもあります。寿命をさらに延ばすためには、オーバーホールをすることでしょう。ただ、モーターのオーバーホールは難しく、私みたいに素人では無理です。やはり最後は、メーカーにオーバーホールをお願いし、寿命を延ばしてもらうしかないと思います。
自己責任でメンテナンス
最後に、自分でメンテナンスができれば、メーカーメンテナンスのように納期までしばらく使えなくなることはありません。また、常に自分の電動リールの状態がわかって使用できるというメリットがあります。
しかし、その一方で調子が悪くなったり、リールを分解した際に、何か部品を壊した、失くしたといったトラブルも自己責任です。このこともしっかり頭に入れて作業しましょう。
<山本高史/TSURINEWSライター>