釣りのゲスト魚としてもメジャーな「オジサン」という魚。響きがちょっと・・と、敬遠される方もいるかもしれませんが、今回は同魚のおいしい食べ方を紹介。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松田正記)
「オジサン」
磯釣りの他魚としてよく見かけるオジサン(ヒメジ科魚類)。下アゴに生えた2本の長いヒゲが特徴で、ウロコが大きくてあまり歓迎されません。しかし意外においしく、南九州ではベンゴイ(紅ゴイ)、海ゴイなどと呼ばれ、喜ぶ人も多いようです。今回は「オジサンの概念がかわる」超絶品な調理法を紹介します。
ウロコは素手で剥す
釣り場でハリ掛かりしたオジサンは、すぐに魚絞めやナイフを使って締めます。魚がおとなしくなったところで、ウロコを剥いでいきます。ウロコ取りがなくても簡単に手の指でウロコを剥すことができ、とても簡単に取れることを覚えておきましょう。
![『オジサン』を寝かして食べると美味しい&精がつく? 下処理とさばき方](https://tsurinews.jp/data/wp-content/uploads/2021/10/9b1fa5bb88be02a22264e96dedc7b2a8.jpg)
現地で下処理
次はエラとわたを取ります。オジサンは底近くでカニなどの甲殻類を主食にするためか、わたに少し臭みがあります。そのため、現地で処理するのが理想です。しかし、時間がない場合は持ち帰った後でもOK。さほど臭いは気になりません。
オジサンを寝かす
下処理をしたオジサンはキッチンペーパーに包んでラップをし、冷蔵室内のチルドで保存します。これを1~2日寝かせることで、うまみが増します。どの魚にも言えることですが、オジサンの場合は特にその傾向が強いようです。
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3枚におろして柵取り
寝かせたオジサンをラップから外し、3枚におろします。この際の注意点は皮を剥ぐ時です。皮はとても軟らかく、千切れやすいため、包丁をしっかり寝かせて剥ぐといいでしょう。あとは腹骨と中骨を取って〝柵取り〟にし、再びチルドに。その際もキッチンペーパーで包み、ラップをかけておきます。食べる直前までよく冷やしておくことが大事です。
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生食だと臭わない
いよいよ実食です。柵取りにしたオジサンは食感を出すためにも、1cm近い幅で斜め切りにします。これを皿に盛り付ければ刺し身の完成です。ワサビじょう油やゆずゴショ―で食べると、コリコリとした歯ごたえのあとに、うまみ(脂)が口いっぱいに広がります。
ちなみに煮付けや塩焼きは不向きです。その理由は脂が特徴的で、加熱することによって磯臭さが出るからです。従って、「オジサンは生食に限る」と言っても過言ではありません。
お寿司がおすすめ
そのほか、お寿しもおすすめです。この場合は柵取りしたオジサンを5~6mm幅で、やや広めに切るといいでしょう。参考までに最近流行りの〝炙り〟は少し火が通るため、臭いに敏感な人にはあまりおすすめできません。ここはやはり、生食にこだわってみましょう。お好みでシャリ(米)と魚の間に青ジソの挟んでもGOODです。
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栄養価に即効性
また、オジサンはウナギやウツボなどと一緒で、精がつく魚としても知られています。食べた翌日は釣りの疲れも取れ、まさに元気100倍。ただし、〝過ぎたるは猶及ばざるが如し〟食べすぎには注意しましょう。
<松田正記/TSURINEWSライター>