20年間月イチで毛蟹を食す蟹愛好家が教える「活毛蟹の美味しい茹で方」

20年間月イチで毛蟹を食す蟹愛好家が教える「活毛蟹の美味しい茹で方」

20年以上もの間、月イチで毛蟹を茹でて捌いて喰らうことを自らに課してきた筆者が、よりおいしい活毛蟹の「茹で方」を紹介する。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

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宮崎逝之介

メインフィールドはオフショア。魚を求めて各地の海に足を運んでます。 ブログ『信州海釣り班 tsuritabel』管理人。ぜひブログ・インスタものぞいてみてください。

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レシピ その他

活毛蟹の茹で方

さて、いよいよ茹で方です。

輪ゴムで脚を固定

まず、毛蟹に輪ゴムを2本掛けて脚を固定する。

※輪ゴムをかけることで茹でている途中死後硬直し蟹の脚が水面からむき出しになることを防ぎます。輪ゴムは1本だけだと切れることもあるので2本にします。

湯を沸かす

大きめの鍋に2L以上のたっぷりの水と3%相当の食塩を入れて火にかける。

※湯量を多くすることで毛蟹投入後の温度の低下を軽減します。

※塩は高価な粗塩よりも、むしろ安価な食塩をおすすめします。粗塩は塩化ナトリウム濃度が80%程度と低いせいか蟹の味がボケた印象になる気がします。どうしても粗塩を使いたい場合は量を2~3割増しにしましょう。

毛蟹を投入

お湯が沸騰したら甲羅側を下にしてトングで毛蟹を挟んで投入します。

※湯量は毛蟹が完全にお湯に沈んでいれば適量です。落し蓋は使いません。爪の先端ぐらいは水面から露出していてもかまいません。この部分は食べないので。

※甲羅側を下にすることでカニみその煮崩れを防止します。途中でひっくり返したりして向きを変えてはなりません。

NGレシピ:たまに火にかける前の水の段階から毛蟹を投入するというレシピがありますが、毛蟹の旨みが流出する時間が長くなってしまうのでNG、沸騰後に毛蟹を投入すべきだと思います。

15分茹でる

強火で再沸騰させ、沸騰したら弱火にし15分茹でます。

NGレシピ:再沸騰後も強火のままだと甲羅の中のカニみそが煮崩れたり流出してしまったりするので、温度が下がらないように気をつけつつなるべく弱火で茹でる方がよいと思います。グツグツ言わす必要はありません。静かに茹でましょう。鍋にフタをするのもNGです。鍋ブタを乗せて蟹に圧がかかるとやはりカニみそが煮崩れるリスクが生じます。

冷やす

15分経ったら火を止めて、トングで毛蟹を取り出しザルなどにのせて湯を切り、熱が冷めるのを待ちます。熱いうちに食べてもいいですが、冷蔵庫で数時間冷やしてからのほうが毛蟹の身の甘さが強く感じられてダンゼン美味です。

NGレシピ:たまに身離れを良くする目的で茹でた毛蟹を冷水で冷やすというレシピを見かけますが、水がカニの身に浸透し味が水っぽくなるのでやめておいたほうがいいと思います。せっかく3%にした塩味も薄まってしまいます。

筆者はこれまで身離れが悪くて困ったことなど皆無です。急速に冷やしたい場合は、蟹をポリ袋等に入れて冷水で冷やすとか、冷蔵庫内で冷やすことをおすすめします。冷やすこと自体は悪いことではありません。冷やすとカニの甘さが引き立ちます。

ポリ袋に入れる場合は毛蟹のトゲでポリ袋に穴が空き浸水するリスクがあるので二重三重にしたほうがよろしいでしょう。とはいえ、それでもポリ袋に穴が空いて浸水する可能性が高いので、どちらかというと冷蔵庫で急冷する方法をおすすめします。

蒸しても絶品

ちなみに茹でると多少蟹の旨みが流出してしまうので、茹でるよりも蒸す方がさらに美味しいという説もあります。筆者も何度か蒸してみたことがあります。たしかに蒸した蟹の方が茹でた場合よりも毛蟹の旨みが凝縮されている印象がありました。

ただし、毛蟹の保存状態によっては毛蟹を輸送中に覆っていたおがくずのような臭いも凝縮されてしまいかなり気になる印象がありましたので、結局は「茹で」に落ち着いています。

いかがでしたか。茹でたら捌いて食べるだけです。次回は食べやすくする「捌き方」をご紹介します。

<宮崎逝之介/TSURINEWSライター>