日本海タイラバの釣り方
言うまでもないが、等速巻きが基本となる。巻くスピードもデッドスローからファーストまでと、ケースバイケース。船長に直近のヒットパターンを聞いて、作戦を組み立てよう。ちなみに、リールのギアがローギア(PG)の方が、巻き速度の調整をち密に行える。
続いて探る距離について。ポイントの水深にもよるが、探り上げる距離はまちまち。底付近を密に攻めるか、長い距離を引いて食わせるかは、その日の状況で変わるので適時対応していく。まずは連日海に出ている船長に、どのくらいの距離を引けば適切かアドバイスをもらおう。
ちなみにラインがどんどん出て放出角が大きくなってくると、当初指示があったタナまで探り上げるためには、余計にリールを巻く必要がある。どのくらい余計に巻けば所定のタナまで探れるかは、数学の平方根の概念で基準となる数値を算出できる。
具体的な数値を例示すると、例えば水深60mで、底から20m上までを探りたい場合、ラインの放出角が0度ならば20m。30度なら約23m、45度なら約28m、60度なら40mとなる。
海中のラインは実際は放物線を描いてたわむため、この理屈通りにはならないが、目安となる数値には違いないので参考にしてほしい。
マダイとのファイト
フッキングまでの過程は魚の大小に関わらず同じだが、大型がメインとなるためファイトにおいては丁寧なやり取りが必要となる。
大型とのファイトで鉄則となるのが、とにかく無理せず疲れさせること。80cm前後になると、ファーストランで30mぐらいラインを出されることもある。だが根に向かう魚ではないので、止まるまで走らせよう。
次に気をつけるべきは、バラシを防ぐこと。マダイが大きいほど、首を振る幅が大きくなり、ラインにかかるテンションのブレ幅も大きくなる。リーリングとロッドの曲がりを生かしてテンションを保ち、ブレを吸収する。
そして、ファイト中のドラグ値の管理。慣れたアングラーは相手が弱ったのを確認し、感覚で徐々に締めてファイトタイムを短縮するが、この域に達するにはかなり経験が必要。基本は初期設定を維持する。
しかし、相手がおとなしくなったのに、巻けども巻けども魚自体の重さでドラグが滑ってしまい、リールが空転するときは、スプールの動きを見つつ、巻くことができる最低限の値まで締める。締めすぎるとバラシにつながるので、慎重に行うこと。
この他、注意が必要なのが唇の先端付近にフッキングしてしまった場合。掛かったマダイがやたらと激しく首を振るときは、ここにハリが掛かっていることが多い。マダイの唇の先端は、分厚い歯茎の骨からなる。
唇の身の部分に掛かればまだいいが、歯茎にハリが刺さると、貫通せずに「先だけ刺さって魚が乗っかっている」だけの状態になる。この掛かり方をしてしまうと、バラシ率がグッと高くなる。とにかくテンションを緩めずにやり取りし、バラシを抑止しよう。
基本を大切に最新情報をチェック
以上、鷹巣~三国海域のタイラバゲームの基本について書いたが、まだまだ進化が激しいゲームなので、今季も新たなメソッドが生まれるかもしれない。釣り方は基本を大切にしつつ、ユニットやパターンは、最新の情報を見逃さないようにして入念にスタンバイを。
なお、同地区のタイラバ船の船長は、自らロッドを出して検証するなど、リサーチに余念がない。アドバイザーとしても非常に頼りになるので、釣果以外にも多大な収穫を得られるだろう。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>