福井県三方湖で大型外来魚「ハクレン」が初確認 その食味とは?

福井県三方湖で大型外来魚「ハクレン」が初確認 その食味とは?

福井県を代表する観光地「三方五湖」のひとつ三方湖で、1mを遥かに超える巨大外来魚「ハクレン」が漁獲されました。生態系への影響は大丈夫なのでしょうか。

(アイキャッチ画像提供:茸本朗)

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福井の湖で巨大ハクレンが漁獲

福井県若狭町にある三方湖。5つの色の違う湖が連なる「三方五湖」のひとつとして知られる観光地ですが、ここでとある巨大な魚が漁獲され、ニュースになっています。

その魚とは「ハクレン」。中国原産の淡水魚で、体長102cm、重さはなんと18kgという巨体です。当地に残る伝統漁「たたき網漁」で生きたまま漁獲されたそうです。

福井県三方湖で大型外来魚「ハクレン」が初確認 その食味とは?1mを遥かに超える(提供:茸本朗)

福井県水産試験場によると、県内での確認は1985年の記録開始以降初めての例だといいます。幼魚や稚魚などが確認された例もなく、生きたまま放流されたものと見られていますが、その理由ははっきりしていません。(『中国原産の大型魚ハクレン、福井県の三方湖で初確認 生態系への悪影響は低いか』福井新聞オンライン 2021.2.12)
  

ハクレンはどんな魚か

ハクレンはコイ科に属する魚で、原産国である中国では養殖が非常に盛んな食用魚です。体長は1.3m、体重は60kgを超えることもある巨大魚で、有益なタンパク源として明治時代に日本に移入されました。目が頭部の下寄りについていることから「シタメ」と呼ばれることもあります。

このように大きな魚ですが、基本的には植物プランクトンしか食べないおとなしい魚です。その特徴から、植物プランクトンの異常発生である「アオコ」の除去のために放流される例もあったといいます。

福井県三方湖で大型外来魚「ハクレン」が初確認 その食味とは?特徴的な顔つき(提供:茸本朗)

この魚はまた「非常に成長が早い」という特徴があり、成長ホルモンが作られる脳下垂体が、養殖魚の成熟を早めるための薬剤に加工されています。

巨大な外来魚ということで環境への負荷が心配になりますが、前述の通り植物食性で、直接在来魚を捕食するわけではないので、ブラックバスなどと比べると環境への影響は低いとみられています。また、その卵は浮遊卵で、川で流されながら成熟するため、大河でしか繁殖を行うことができません。そのため我が国では利根川流域以外で定着が確認されておらず、三方湖でも定着する可能性は高くはないと言えるでしょう。

ハクレンって美味しいの?

これだけ大きい魚ですと、やはり味が気になるという方もいると思います。前述の通り中国では重要な食用魚のひとつで、四大家魚(庶民的な魚)にもカウントされています。

大型で身も多くとれ、クセのない味で揚げる、煮る、焼くなどなんでもこいの魚です。コイ科の魚ですが、身質や見た目は海産魚であるブリにも似ています。脂の乗った腹身は特に美味で、ブリ同様に照り焼きや煮付けで美味しく食べることができます。コイ科の特徴である身に食い込んだ小骨が多く、食べるのにやや難儀するという欠点も。

福井県三方湖で大型外来魚「ハクレン」が初確認 その食味とは?まるで青魚のような身質(提供:茸本朗)

日本では利根川流域の千葉県・茨城県で漁獲されており、市販されることはあまりないですが、現地では洗いなどにして食べられているようです。もし運良く食べる機会があれば、ぜひトライしてみてください。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>