10月26日、タチウオを狙って大阪湾の横瀬へ出かけました。テンヤでのタチウオ釣りは駆け引きも楽しいですが、食味もよく魅力たっぷりです。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・丸山明)
エサをタチウオに「見せる」
タチウオのテンヤ釣りの誘い方やアワセは、様々な技法を言われますが、基本的には超スローで巻き上げながらタナを探ります。ジグではなく生エサなので、必ず食いたくなります。だから、エサをタチウオに見せつけることが肝です。
テンヤは横になった状態で上がり、立ち泳ぎのタチウオは下からイワシの腹を食ってきます。達人は、ハリだけを噛むのがいると言いますが、そんな曲者は無視して、腹を食うのを待ち、グングンとアタリが出れば、エサを食っている証拠なのでアワせるタイミングです。
これが悩ましく、積極的にアタリに対して掛けていくか、または、強く引き込むまで待ち、グーンときたらアワせるかです。数を釣る人は積極的にアワせられるのかもしれませんが、私は無難にグーンと来たら、少し送り込んでから大きくアワせると同時に巻き上げます。今回はこれで通しました。同じようなアタリで掛からないのは、多くの場合、尻尾を噛んでいるのでしょう。
エサを食うのが下手?
今後もいろいろ試していこうと思います。関東のテンビン仕掛けで切り身で釣っても、一気に食わない場合も多いようで、そういう風に考えると、この魚は捕食の下手な「変わり者」なんでしょう。それだけに、釣法いろいろなれど、人気があるのですね。
しかし、基本は何と言っても、生エサを等速の超スローで見せつけて誘います。
30年も前の明石沖の乗合船で、胴突き仕掛けに海エビでタチウオを釣ったことがありますが、ハリスを切られながらも釣れたのは、魚影の違いだったのでしょう。テンヤでの釣りも、始まった頃にはよく釣れていましたが、個体数が減り、条件がかわったようです。
そして、タチウオは釣り後のお楽しみも抜群。適度に脂の乗った白身は、上品で味わい深いです。このサイズだと三枚下ろしより、適当な長さで切って、塩焼きやソテーが一番です。いくらでも食べられてしまう美味しさです。秋のタチウオは、釣って楽しく食べて美味しく、いかつい顔からは考えられない素敵な狙い物です。
<丸山明/TSURINEWS・WEBライター>