今月のテーマは「バランスの底釣り・野釣り編」。茨城県土浦市を流れる土浦新川での実釣を交えて、野釣りでの底釣りのキーポイントを戸張に解説してもらおう。今回はフラットではない底においてタナ切れを防ぐ方法について考えてみたい。底立てをやり直すのはもちろんだが、ウキの選択でタナ切れを防ぐことができる。それにはムクトップのウキがいいとのこと。
TSURINEWS編集部
2018年5月9日
ヘラブナ釣り 淡水の釣り
タナ切れを防ぐには?
PCまたはグラスムクトップのウキを使う。
野釣りではフラット(平ら)な底は少ない。
さらに水位が変動する釣り場がある。
これらをふまえて、どのように対応していけばいいでしょうか。
戸張 誠
「一つの方法として浮力のないトップのウキを使ってみるといいでしょう」
それはつまりムクトップのウキですか?
戸張 誠
「または細い径のパイプトップでも構いません。とにかくトップでエサの重さを背負わないようなウキを使います」
その利点は?
戸張 誠
「底の起伏に対してトップの出方(ナジミ幅)が順応しやすいのです。浅い所にエサが落ちればナジミ幅は少なくなりますし、深ければ余計にナジみます。また水位が変わればその分がナジミ幅に反映します。ところが浮力のあるパイプトップですと、場合によってはトップの浮力の方がエサの重さより多いことがあります」
場合によってとは、エサが溶けてハリに残っている量が少なくなった時のことですね?
戸張 誠
「はい。例えば起伏の少ない底だとして、深い方へ振り込んでしまうとエサが大きくハリに付いている時は底に着いていても、エサが開いてトップが戻ると下バリまたは両バリともに底を切って(離れて)しまう可能性があります」
浮力の少ないトップを選ぶ
それを防ぐため、あえて浮力の少ないトップのウキを使うのですね。
しかしメリットがあれば、デメリットがあるのでは?
戸張 誠
「トップの戻りがパイプトップに比べて遅くなるかもしれませんが、それがイコール釣れないことと関係があるかは別問題です。底釣りの基本的な動きは、ナジむ↓触る↓戻す↓アタる。しかし野釣りではそのような教科書アタリに固執してしまうと失敗の元になります。どのようなアタリであっても乗ればいいのです」
それが例え戻しのないアタリであってでもですか?
戸張 誠
「はい。それよりも意識したいのはエサが底を切ってしまうことです。エサが底を切ると、それまで現れていたアタリがなくなってしまいます。つまり致命傷になりかねません。ですので、教科書アタリを考えるのは、先の話とします。とにかくエサが底を切らないようなセッティングを施しておく。この方がはるかに大切なことです」
しかし、ムクトップのウキだと必然的にトップが細くなりますから、見づらくなりますね?
戸張 誠
「もちろんです。見えなければ釣りにはなりませんから、視認性を優先したウキを使っていただいて結構です。ただし前述したようにトップの浮力でエサを抱えてしまうので、底立てのやり直し、または底立てした地点への正確な振り込みなど、小まめな対応が求められます」
底釣りにおいてエサが底を切ることはよくないのは分かります。
しかし場合によっては底を切った方がアタリはでやすいことが多々あります。
相反する話ではありませんか?
戸張 誠
「今回のテーマは底釣りです。エサを底に着けて釣るのが大前提ですのでこのような話をしました。しかし、タナを切ってアタるようならそれでOKです。 そもそも野釣りに管理池のようなルールはないのです。私の経験において、底釣りでタナが切れていていい思いをしたことは少ないのです。一時的には〝どっちつかず〟の底釣りでも釣れるでしょう。しかし一日を通して考えると、タナ切れは防いだ方がいいと考えています。そのうえで早いアタリを狙うとか、底を切ってしまってもいいなどの判断をする。つまり順序をはき違えないようにしたいということなのです」
ありがとうございました、よく分かりました。
タナをしっかり取って良型を釣ろう!
<戸張 誠/TSURINEWS編>
【野釣りの底釣り編①】から読む
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土浦新川
この記事は『週刊へらニュース』2018年4月13日号に掲載された記事を再編集したものになります。