ステップアップ解説:クロダイ狙いカカリ釣り 場所を見る目を養おう

ステップアップ解説:クロダイ狙いカカリ釣り 場所を見る目を養おう

イカダ&カセで狙うカカリ釣りクロダイは魅力がいっぱいだ。今回は、釣果をさらにアップするための、経験を元にした考察とアドバイスをお送りする。

(アイキャッチ画像提供:海香)

TSURINEWS編集部

海釣り施設 イカダ&カセ

カカリ釣りクロダイ指南

ちょっとしたきっかけで始めたイカダ&カセで狙うカカリ釣りクロダイ。座って釣りができて、楽だなというのもあったかもしれないが、当初は典型的な待ちの釣りといったイメージでしかなかった。もう30年近く前になるか。

いざ始めてみると、「クロダイは、いても食ってこない」ということが次第に分かり、「なぜ」ということで続けるきっかけになった。結果を出すためのプロセスや手法、クロダイ独特の引き、サオや道具作り、修理も自分ですることができるなど、魅力も多いことが分かった。

利き手とサオの操作

1つ問題が出てきた。釣りをする動作、つまり一連の流れがうまくいかない。サオは右手の方が操作しやすいことが分かり、下向きリールに替えて、ひたすら左手でリールを巻く練習をした。慣れるのに半年かかったが、そのかいあって一連の動作はスムーズになった。

イカダ&カセでのカカリ釣りクロダイでは、サオの操作を優先した方が良いということだ。おそらく利き手の方がうまく操作できると思うが、決まっているわけではなく、両手が器用な人もいる。この釣りを始める人は、自分はどちらなのか見極めた方がいい。

クロダイの特徴

クロダイは濁りを好む。海が荒れて濁りと流れがあれば、背丈ほどの水深でも十分狙うことができる。雑食性で、磯場の貝類などもそのまま食っていることもあることから、アケミ貝をバリバリ食うのも当然だといえ、ダンゴを割るのに体を使ったりもする。

海中で群れていても、狭い空間では縄張り意識も強いという習性を持っている。また、10度を下回るような水温にも耐えることができ、人懐っこいところもあるというのが私の印象だ。

カカリ釣りクロダイのタックル

このクロダイを仕留めるサオやリ―ルは、専用だと明記されていれば、どんなものでも釣れる。ただ、続けているとこだわりや好みが出て、徐々に自分のスタイルができていく。人の感はいい加減なところもあって、知らず知らずのうちに釣り方も変化していき、いい穂先を作ったと思っても、数年たてば好みに合わなくなることがある。

これまで市販のサオもいろいろ買って、現在は10数本持っている。一年を通して主に使うサオは4本程度で、釣り場と狙う魚の大きさで使い分けているが、ハリやラインを含めたトータルバランスが大事になる。

ステップアップ解説:クロダイ狙いカカリ釣り 場所を見る目を養おう筆者が普段使用しているタックル(提供:週刊つりニュース中部版 APC・山口昇)

使っているサオの長さは1.35~1.6mで、その中間ぐらいの使用頻度が高い。イカダ&カセでは長さの区別はないが、狙う魚の大きさ、障害物のあるなしも考慮しながら決めている。短いサオは操作性がいいが、より長いサオの方が有利にやり取りできるなど、硬・軟を含め総合的に判断している。

リールはドラグ付き、ドラグなしのものを釣り場により使い分けているが、ほとんどはクラッチがあるだけのシンプルなものが多く、やり取りがスムーズにできる。

サオがのされそうになり、いきなりラインを出したり止めたりするのはバラす原因になる。腕とサオが一体でないことが原因で、サオ尻は手首の後ろに当てて安定させる。常にサオの角度とテンションを一定に保てば、余裕をもってラインを出して大型にも対応できる。無駄な動きは必要ない。

この場合サミングは重要で、経験で習得するしかないが難しくない。養殖小割りやカキ棚で大型を狙う場合は、ドラグ付きを使うことがある。大型のマダイなどもいて、サミングで対処できない場合に助けとなる。

ハリの選択について

ハリは短軸、細軸、色、形もさまざまで、これまでかなりの種類を試したが、さしエサに合っているかが大事。例えば、通常シラサエビと呼ばれるサイズのものに大きなハリを使えば、エビの動きがなくなり、結果、食いが悪くなる。生きエサは、軸の細いものがエサのダメージも少なく、軽量のため動きもいい。それと、狙う魚の大きさも考慮することが大事になる。

実釣においては、ハリ先を正常に保つことが最も大事で、魚を掛けた後や根掛かりの後は、爪に引っ掛かるかどうか、ラインにヨリ、傷はないかなど確認する。必要であれば面倒でも交換し、癖のついたラインはカット。

ハリやオモリは頻繁に交換することがあり、専用ケースに入れておくことで、釣り場での使い勝手がいい。

さしエサの選択について

さしエサの選択は、季節と釣り場の状況に合わせることを基本にするが、水温の低い冬場はボケ、オキアミといった軟らかいさしエサをメインに、水温が上がってくる夏場は硬いさしエサを食わすようにステージを作る。コーン、サナギなどの硬いさしエサはエサ取りに強く、大型のクロダイが好んで食ってくる。

「ステージ」とは、魚を寄せるポイント作りのことで、釣り始め、もしくは前半を中心にさしエサと同種のものなどをダンゴに入れ、サオ下、つまりポイントに入れる。サオを出す前にドボン、ドボンとダンゴを入れるのはいいが、状況判断が大事になる。遠くに流されたり、エサ取りもいないのにさしエサと同じものが大量にさしエサのそばにあれば、時合いになったときに食ってくるだろうか。ということも考慮する。

それと、さしエサは丁寧に付けることも大事で、雑な付け方だとダンゴから出た時、さらにハリから大きくズレるということもある。エサ取りにも取られやすくてメリットはない。

結果が伴って楽しくなり次の釣行につながる

釣果の違いはどこにあるのかということを考えると、その1つに、釣りは現場に行く以前から始まっていて、場所を見る目を持つということ。経験の積み重ねから、自分なりの情報を持つことが最終的には結果につながる。そうかといって、一年前のデータだけではあてにならないことが多く、積み重ねが大事ということになる。

SNSで情報を得たり、友人や先輩から聞いたり、教えてもらうのもいい方法で、真似をすることから始めるといい。それと、慣れないうちは釣り場を限定して通うということもレベルアップの近道だといえる。

実釣について

イカダやカセに渡ればすぐに寄せのダンゴを入れるというが、潮の流れなど状況判断が大事で、軟らかいさしエサというのがキーポイントになる。底釣りを基本に、エサ取りも好むオキアミなどでより多くの情報をつかむことを優先。これは、水深や底の状況、潮の流れ、エサ取りなどで、流れがあれば必要分ラインを出し2~3m潮下を探る。これを繰り返す。

この時、オモリの使用が大事。クロダイは口を使うのに「間」というものがある。これを埋めるのは、ラインを出すテクニックとオモリを使いさしエサを安定させる。オモリの使用は、さしエサがやや潮で流されるというのを目安にする。特に水深のある釣り場では、ラインにマーキングすることでさしエサの位置が分かり、釣り方にも幅が出て、ダンゴが途中で割れた場合、回収するかそのまま落とし込むかの判断もできる。

底の状況がカキ殻などで荒い場合は、ハワせようとして必要以上にラインを出すと、根掛かりの原因にもなる。エサ取りの種類や活性の状況はどうかなど、フグなどがあまりにも多ければ、コーンやサナギが有効になることも多い。得られた情報をもとに一日の組み立てを考え、1~2時間はポイント作りと考え続けることが寄せて釣ることに結びつく。

<週刊つりニュース中部版 APC・山口昇/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
海香
この記事は『週刊つりニュース中部版』2020年5月15日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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