海水温が一年で最も低くなるのがこれから3月までの季節。この期間は魚の食い悪く、釣り物がグンと減る釣り人にとって寂しい季節である。とはいえ、こんな時期でも楽しめるターゲットはいて、それが手近な波止周りで狙えるガシラ(カサゴ)、ソイ、メバルといった根魚たち。今週のつり作戦は冬の主役・根魚をイソメや身エサで狙ってみた。解説は松村計吾さん。昼間より夜のほうがいい型が出やすいので、暖かくして出かけてみよう!
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夜の波止根魚釣り
秋から初冬にかけて、タチウオやアジなどで賑わっていた波止周りも、低水温期に入り人もまばらになってくる。
確かに日中は寒々しく、風も強い日が多い上に、寒波ともなると出かけるのすらおっくうになる。
しかし、この厳寒期にこそ面白い釣りがある。
それが、「夜の波止根魚釣り」。
ターゲットとなるのはガシラ、ソイ、アコウ(キジハタ)、メバルにアナゴなどが外道として交じる。
何よりも魅力的なのが、案外身近な波止周りでこれらの魚が簡単に釣れてしまうこと。
根魚と言うくらいなので、石積みやテトラ、岩礁帯など海底に障害物がある場所が好ポイントになる。
手軽なのは初冬までタチウオ釣りをしていたような護岸周りで、波止際に捨て石が入っていれば言うことなし!水深は3~4mもあれば十分だ。
特に夜釣りなので、テトラ帯など足場の悪い場所はお勧めできない。
安全という観点からのみではなく、テトラに出たからといって釣果がケタ違いにいいというわけでもないからだ。
私が冬場にちょくちょく通っているのは、大阪市の指定する釣り解放区の一つ、シーサイドコスモなどのベランダ。
また、魚影が濃いエリアとしては、淡路島の各漁港内などが挙げられる。
ほかに、大阪なら泉南方面、兵庫なら須磨~姫路にかけての漁港や港湾部の護岸などにも、かなりの実績場が点在する。
日中、エサを放り込んでも、釣れてくるのはミニガシラばかり……なんて、冬の波止釣りを経験した人もいるハズ。
しかし、同じ場所でも、日が暮れて少しすると状況が一変し、いきなり20~25cmの良型ガシラが入れ食いになることも多い。
根魚タックル
では、そんな根魚釣りのタックルを紹介していこう。
根魚といってもガシラ、ソイ、アコウとメバルでは少し釣り方もかわるので、ここではメバル以外の手軽な根魚を対象にしてみたい。
基本的に波止際を探る釣りなので、2mまでの短ザオにスピニングまたは両軸リールのセットがあれば十分。
日暮れ直後の活性が高い時間帯は、いきなりサオ先を舞い込ませるような強烈な食い方をする場合が多いので、サオは何でもいい。
時合いが過ぎて少しすると、今度は一気にエサを食わずに、最初は突いて、その後パクリと食べる捕食イメージが強くなる。
そうなると穂先の硬いサオでは食い込みが悪くなることも多い。
その辺りを見据えて、私はロックフィッシュ用のルアーロッドやティップランロッドなどをよく使っている。
護岸に手すりがあり、サオを置いておけるような場所では、上向きに付く両軸リールだと上下がひっくり返ってしまうので、下向きに安定するスピニングが扱いやすい。
ラインはPEラインの1号程度か、ナイロン、フロロカーボンラインなら2~3号。
仕掛けはいつも2タイプを用意している。
一つは胴つき2本バリ仕掛けで、ミキイト3号、ハリス2号10~15cm、ハリはウミタナゴバリ(10号前後)やアブミ(7~9号)など。
オモリはサオの硬さに合わせて3~10号を使用する。
もう一つはテンビン仕掛け。
こちらは遊動式となるパイプテンビンに、オモリは3~10号。
テンビン下の仕掛けは、60ほどのハリスの両端にハリを結び、段差が付くように8の字でチチワを作った簡単仕掛け。
チチワをテンビン下のスナップに通せば、ハリスに長短の段差が付いた2本バリ仕掛けとなる。
エサ
エサはサンマの切り身を基本に、釣具店などで購入できるならアオイソメなども有効だ。
ただ、切り身に食ってくる根魚の方が大きい傾向にある。
サンマはスーパーで売っている塩サンマを3枚におろし、そのままだと身が分厚く抵抗が大きくなるので、身を少しそぎ取って薄くする。
その身を幅5~7mm間隔で、縦に切っていくと、長さ2、3cmでちょうどころ合いのエサができる。
また、その他に必須なのは、ライト類。
夜釣りなのでもちろんヘッドライトがあればいいし、穂先ライトも必要だ。
アタリが分からないまま放っておくと根に入られて根掛かり……なんてことになるので、前アタリからしっかりと意識して釣っていきたい。
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<週刊つりニュース関西版 APC・松村計吾/TSURINEWS編>