ナブラが発生してルアーをキャストしたがいくら誘えど食わない。ショアでもオフショアでもこのような状況に遭遇することが多々ある。小さなベイトを偏食しているマイクロベイトパターンの場合が多く、アングラーを悩ませているはずだ。今回は、このマイクロベイトパターンの攻略法をいくつかご紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本 隼一)
マイクロベイトとは
マイクロベイトとは、一般的には、シラス(イワシの稚魚)、チアユ、ハク(ボラの稚魚)などの稚魚の総称で、大きさにして数cm程度の小型のベイトを指す。
筆者の経験上では、小型のイワシやサッパなどを目安として5cm以下のベイトであればマイクロベイトパターンとして攻略することが多い。
マイクロベイト偏食による影響
小さなベイトフィッシュを偏食し始めた魚は、捕食しているベイトよりも大きなものを見切ったり、あるいは見向きもしなくなる事が多い。この場合いくらナブラにルアーをキャストしても、ルアーの大きさがベイトとの大きさとマッチしてイなければ、魚に見切られてしまう。
これがアングラーを悩ませる「マイクロベイトパターン」である。
マイクロベイトパターンになりやすい魚種
青物系の魚は全般的にマイクロベイトパターンになりやすく、特にアジやカツオ(ソウダガツオを含む)等は頻繁にマイクロベイトを偏食する。その他、シーバスも春にチアユを偏食することもある。
マイクロベイトパターンになるとナブラが発生しても「魚はいるのに食わない」といった厳しい状況になることが多い。これを攻略できるかどうかで釣果は大きく変わってくる。
マイクロベイトパターンの重要な3要素
マイクロベイトパターン攻略に重要な3要素を紹介する。
1.タックルはSLSを
使用するタックルは、最近流行りのSLSのタックルがマイクロベイトパターンに適している。
SLS(スーパーライトショアジギング)とはライトショアジギングよりもさらにライトなタックルを指し、20g前後までのジグを使用するショアジギングのことだ。
エギングタックルやシーバスタックル等で手軽に出来る釣りで筆者もお気に入りの釣り方で、使用するジグのサイズが小さいのでマイクロベイトパターン時に効果的な釣り方でもある。
釣り具メーカーによっては専用のロッドを発売している所もあるが、エギングタックルやシーバスタックルをそのまま使用できるところもお手軽で人気な理由の一つだろう。
筆者は、8.3ftのMクラスのエギングロッドにリールはHGタイプの2500番を組みわせている。メインラインにPE0.6号でショックリーダーには、フロロカーボンの2.5号~4号を使用。ジグは7gから20gを使用する。
2.タングステンジグを使用する
タングステン製のジグは一般的なジグよりも高比重なため同じウエイトでもシルエットを大幅に小さくする事ができる。マイクロベイトにサイズを近づけるためにタングステンジグに変えた途端に食う事も多い。
やや高値なのが欠点ではあるが、ルアーボックスに1つか2つ忍ばせておけばマイクロベイトパターン時はもちろん、高比重を活かして潮流が速いときや強風時にも効果的だ。
最近では様々なメーカーがタングステンジグを販売するようになり選択の幅が広がっている。マイクロベイトパターンを攻略するのであればできるだけシルエットの小さなものを選ぶと良いだろう。カラーはイワシカラーやシルバー系が有効。
3,ジグサビキを使用する。
釣り方は、基本的には普通のショアジギングと変わらない。しかしそれでも釣れない時の最終手段として、お土産確保としても有効なジグサビキ。
実はマイクロベイトパターン時にも効果的だ。
ナブラが立っている場合はナブラの進行方向か向こう側にキャストして少し沈めてただ巻きしたりリフトアンドフォールさせると良いだろう。ナブラが立っていない状況でもボトムまで沈めてから普段のショアジグと同じようにアクションするだけである。
注意点
SLSはエギングタックルやシーバスタックルなどで手軽にマイクロベイトパターンを攻略できるが、エギングタックルの0.6号や0.8号といった細いメインラインを使用する場合、青物が掛かった場合などドラグをしっかりと設定しておかないと簡単にラインブレイクする可能性もある。
またロッド自体もライトなので無理に魚を抜きあげようとするとロッドを破損する恐れがある。抜き上げが厳しいと感じたらランディングネットを使用することを推奨する。SLSをする際は魚を抜き上げられない場合に備えてランディングネットを持って行こう。
<杉本 隼一/TSURINEWS・WEBライター>