こんにちは。釣り翌日、肩こりや腰痛、筋肉痛でグッタリしていては、楽しいはずの釣りが台無しになります。釣行後のストレッチとセルフマッサージを習慣にして、翌日からも仕事や日常生活を活き活きと送ってこそ釣り人です。今回は医師の私も行っているストレッチ&セルフマッサージを紹介しましょう!
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤惣一郎)
肩こりと腰痛の解消は
肩甲骨は体幹の背中側にある左右一対の三角形の骨。多くの筋肉で支えられ動きながら上半身がバランスの良くスムーズに動けるよう“つなぎ役”として重要な働きをしています。
揺れる船上で猫背など普段しないような姿勢を保ち続けると肩甲骨周りの筋肉や筋膜・腱・靱帯に「クロスリンク」という架け橋のような癒着が現れ自由な可動性を損ないます。
特に寒期はウエアーの枚数も増えて負荷が強まります。その痛みやひきつれが肩こりです。また骨盤と腰椎(上半身・体幹)をつなぐ腸腰筋や、骨盤と大腿骨(下半身)をつなぐ大腿四頭筋、大臀筋・ハムストリングなど骨盤周りの筋肉が硬くなり、血行不良になると腰痛になるのです。
ですから肩こり、腰痛の解消には、それぞれ肩甲骨と骨盤の可動性をアップすることが重要になります。
ストレッチ&マッサージ
ストレッチ&マッサージは筋肉、結合組織の緊張をほぐし、柔軟性を高め、血流を改善することで酸素不足を解消します。これがコリや痛みを改善する理由です。さらにストレッチ&マッサージには7つの効果があります。
1.柔軟性の維持向上
2.疼痛の緩和
3.血液循環の改善
4.精神的リラクゼーション
5.疲労回復
6.ケガの予防
7.筋肉の維持
ストレッチは広範囲に働き、マッサージは局所的に働きます。つまり釣り後はストレッチで上半身、下半身全体の柔軟性を高め、腕や脚、背中や腰に局部的なコリや痛みがあればピンポイントでマッサージしましょう。
マッサージは主に体表に近いアウターマッスルに、ストレッチはこれに加え深部のインナーマッスルにも働きます。でも、何となく伸ばしたり 揉んだりでは効きません。一つ一つのストレッチやマッサージがどの筋肉、筋膜、靱帯に効いているかを確認しながら、呼吸をしっかりして、酸素を局所に送り込むことが大切です。
また各筋肉には表と裏のように、必ず反対の働きを行う対の筋肉が存在します。これを拮抗(きっこう)筋と呼びます、例えば太ももの前面にある大腿四頭筋なら後面のハムストリングが拮抗筋。筋肉をストレッチする際には、必ずその拮抗筋も伸ばしておかないと肩こりや腰痛を悪化させることもあるのです。
凝っている場所に硬いしこりのようなものが触れる場合があり、数秒押し周囲に痛みが拡がれば(関連痛)それがトリガーポイントです。筋肉や筋膜が癒着して炎症が起こり 炎症を治すために免疫細胞が集まって慢性的にむくんでいるポイントです。トリガーポイントのマッサージケアを行えば 関連痛も改善します。
マッサージレッスン開始
不自然な姿勢や動作が続くと筋肉や筋膜・腱・靱帯に「クロスリンク」という架け橋のような癒着が現れ自由な可動性を損ないます。それが痛みやこりです。
ストレッチ&マッサージは、筋肉、結合組織は勿論、血管や神経にも働きかけ、柔軟性の維持・向上、痛みの緩和、血液循環の改善、精神的リラクゼーション、疲労回復、ケガの予防 筋肉の維持といった多くの効果をもたらします。
矢印が力をかける向き、黄色線は意識して延ばす筋肉・靱帯。一つ一つのストレッチやマッサージがどの筋肉、筋膜、靱帯に効いているかを確認しながら、呼吸をしっかりして、酸素を局所に送り込むことが大切です。
以下 各々のストレッチ&マッサージが効く筋肉・関節
腰のストレッチ
a:ハムストリング(大腿裏の筋肉群)、背筋、腹斜筋、膝関節、股関節、腰
b:ハムストリング、背筋、膝関節、股関節
c:背筋、膝関節
d:大腿四頭筋、ハムストリング、腹斜筋、足首
下半身のストレッチ
a:大臀筋(お尻)、腰
b:ハムストリング、膝関節
c:大腿四頭筋、ハムストリング、足首
d:中臀筋、肩、首
腰痛に効くストレッチ
a:腸腰筋(脊椎と大腿骨をつなぐ腰痛に重要な筋肉)、大腿四頭筋、腰、足首
b:肩、背筋
c:腹斜筋、側腹筋
d:肩、上腕、胸鎖関節
肩のストレッチ
a.b:腕、肩、肩甲骨、背筋
首~肩のストレッチ
a:ストレッチポールやエクササイズボール、テニスボールなどを使ったストレッチ
b:首、肩
c: 背筋、肩甲骨
セルフマッサージ
a:ヒラメ筋
b:前脛骨筋(釣りだけでなく運転中にアクセルで頻回に使う筋肉)
注意事項
脊椎骨・椎間板が原因の肩こりや腰痛:首や腰が動かない、しびれなどの症状がある、激しい痛みの場合は、椎間板ヘルニア、脊椎管狭窄症、腰椎すべり症などが考えられます。この場合は自己判断せず整形外科や神経外科を受診しましょう。
適切な負荷を!目指すはイタキモ
ストレッチはいきなり痛みを感じるまで伸ばしてはいけません。10~20秒(できれば30秒)深くゆっくりした呼吸と共に行い10~15秒のインターバルを置いて 3~4セット。徐々に強くし最後は 痛みを我慢できる限界まで伸ばす。
マッサージは 緩すぎると効果は出ない。「始めは多少痛いがじんわり気持良くなる強さ「イタキモ」がベスト。また身体が冷えた状態で行うことは危険です。ホットタオルで温めたり、入浴後に行うのがベストです。
釣行後のストレッチとセルフマッサージを習慣にしてヘルシー&スマートなフィッシングライフを送ってください。
<近藤惣一郎/TSURINEWS・WEBライター>