大阪湾の「夏の陣」がいよいよ開幕。大人気のタチウオ釣りが始まったようで、主戦場の須磨沖、泉南沖ともに“初陣”の乗合船からはドラゴン級のタチウオの写真がお目見えした。そこで、大阪・泉佐野北中通漁港から出船の大型乗合船夢丸が7月16日に「タチウオ釣りに行く」とのことなので私も乗船した。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・大西満)
夢丸でテンヤタチウオ釣行
今回乗船した「夢丸」は、以前のブルーマックスが新しく体制がかわり、船名も「夢丸」となってデビューしたものだ。船長と中乗りさんはかわらず、タナの指示など行き届いたアナウンスで安心して釣りができることはかわらない。
午前4時前に受け付け開始で、予約の人数がそろったので4時過ぎに出船、この日は須磨沖を目指して走った。明るくなったころに、明石海峡大橋が見えるポイントに到着したが、ほかの船は見当たらない。まだ、ハシリだからだろう。
イワシエサで挑戦
この日の相客は10人。片舷5人だから広々としたものだった。私の竿は先調子の1.9m。40号のタチウオテンヤにイワシを縛り付けておろす。
「水深65m。底から50m付近まで反応あります」とのアナウンスだったので、それを目安に底付近をていねいに探ったがアタリはない。水深は刻々とかわり、そのたびに船長の案内で水深、狙いタナもかわる。
「50m付近でいい反応あります。しっかりと誘いを掛けてください」との案内で、その気になってがんばってみたが私には気配なし。と、隣の人が大きく竿を曲げた。上がってきたのはメーター級のタチウオで「指5本級」か。
食い上げは即アワセ?
ハシリのタチウオは大型が揃う、と言われるが、それにあやかりたいと私も頑張ったのだが。テンヤの着底後、1m巻き取ってから電動リールのレベル3でゆっくり巻きしながら、1~1.5mごとに軽くチョンチョンとテンヤを動かす誘いを掛けながら釣っていると、誘って巻き上げ始めた時にコンッと食い上げのアタリが出た。
午前8時過ぎ、釣り始めて2時間あまりも経ってからのことだった。「食い上げは即アワセ」と心得ているから、すぐアワせたが空振り。それが3回続いて「次は少し待つ」と思って待ちかまえていると、また食い上げがきた。アワせずに待つと、2度ほど食い上げてからクッと鋭い押さえ込みがきた。
指5本97cmタチウオ登場!
もう待てない!反射的に竿を跳ね上げるとドーンッと乗った。すかさず巻き上げ全開。穂先は一気に海面に突き刺さり、電動リールがギャーンと唸る。
思わず、腰を落として竿をタメるような引きがきたが、竿を仰角に構えて弾力を効かせてリールを巻き上げ、ようやく水面に大きな「銀太刀」が浮いたところで、先糸を持って抜き上げた。メジャーを当てると97cm、指5本幅の良型だった。
サイズは90cm超えの良型ばかり
船長の話では「朝は上潮が走りすぎていたが、この頃から潮が素直になってきた」らしく、アタリが続いて出るようになった。
いずれも、ゆっくり巻き上げながら鋭く短い誘いを掛けた直後に「さわり」がきて、そのまま巻き続けるとグッとくるアタリで、釣れるタチウオは全部90cmオーバーの良型揃いだった。
11時頃からまた、(私には)アタリが遠のき、誘いを掛けてもただ巻きで釣っても反応なしの時間が続く。それでも諦めずに誘いを掛けていると、時々、誘いの直後にコツッとアタリが出てタチウオが釣れたから「諦めたらアカン」と自分に言い聞かせながら釣り続けた。
最終釣果
12時半に沖上がりで、私の釣果は14尾(85~97cm)だったが、トップは20尾で、船中では119cmや118cmの「泣きドラゴン級」も上がっていたから「初期は大型が釣れる」の格言は本当のようだった。
タチウオ釣りは始まったばかりで、釣り場は須磨沖、泉南沖の「よく釣れる場所」へ行く。これから8月、9月にかけて最盛期を迎え、アタリもはっきり出て釣りやすくなるが、暑い時期だから水分補給を忘れず、日照、暑さ対策を十分にして釣りを楽しみたい。
<大西満/TSURINEWS・WEBライター>