これからのレジャーシーズン、磯遊びや川遊びなどに家族で出かける方も多いのでは?魚との触れ合いも比例して増える季節です。今回は、親子で知っておいて欲しい「サカナとの触れ合い方」を解説します。
魚に優しく!水遊びは楽しく!
夏。それは、家族で魚釣りや磯遊びに出かける機会が増える季節です。「魚が釣れた」、「網でたくさん採れた」など色々なパターンで魚と触れ合ってもらえたら嬉しいです。
でも、その際は魚に負担が極力かからないような扱い方法をしてほしいです。
正しい方法で取り扱わないと、魚は弱ってしまい、最悪の場合、死んでしまうこともあります。
1,なるべく水から上げない
大前提として、魚を持ち帰る予定がない場合は、なるべく水から上げないようにしましょう。
網で採ってすぐ観察する場合は、網の底部分に水が当たるようにし、魚が完全に水上に出ないようにしてください。
魚はエラ呼吸ですので、完全に水から出してしまうと、呼吸ができず、窒息してどんどん弱ってしまいます。また、しっかりと観察したい場合は、すぐにバケツや透明な容器に移して、観察するといいでしょう。
観察用の容器がない場合は、100円ショップに売っている、模型用のプラケースでも代用できます。これだとコストも掛からず、じっっっくりと魚を観察することができます。
手にとって観察したくなる気持ちはグッと抑えてください。観察が終わったら、容器を水の中に入れ、自然と魚が出ていくのを待ちましょう。
2,そのまま素手で触るのはNG
いきなり魚を素手で触ることがNGなのは、釣りをする人からすると、ある程度周知のマナーかと思います。
しかし、このマナーを知らない人も多いと思います。
この記事を呼んだ方は、今後なるべく魚を素手で触らないように気をつけましょう。
恒温動物である人間の体温は平熱で36~37℃くらい。変温動物である魚の体温は水温とほぼ同じ温度になりますので、人間の体温よりもはるかに低いです。
温度差によっては、人が触れるだけで魚は火傷をしてしまう可能性があり、火傷はしないにしても、体表を覆っている鱗が剥がれたり、粘膜が傷ついてしまうかもしれません。
このダメージから感染症になってしまう危険性もあります。素手で魚に触れる場合は、水で手を冷やし、手の温度を可能な限り下げてあげて、優しく触れるようにしましょう。
このちょっとした優しさが、魚の生死を分ける一因になるのです。
3,地面には絶対に置かない
魚を釣った時などに、魚が触れず地面に置いてピチピチとさせてしまう人がいますが、この行為は絶対にNGです。
夏場の地面はコンクリートだと、60°近くにもなります。
そのような場所に置いてしまうと、間違いなく重度の火傷をしてしまいますし、コンクリートのような硬い場所では、体表は傷だらけになってしまい、その状態で逃してもおそらくすぐに死んでしまいます。
魚が触れない場合は、網やフィッシュグリップなどを事前に用意し、前述のように優しく取り扱うようにしましょう。
4,魚が弱ってしまったら
どんだけ丁寧に扱っても、魚が弱ってしまうことはあります。
一例として、小さいバケツなどに長時間入れておくと、容器の中の水温はドンドン高くなっていきます。すると、魚の体温も徐々に上昇していき、のぼせたような状態になってしまいます。
また、水温が上がると、水中の溶存酸素は少なくなってしまい、こうなると、魚はひっくり返ってパクパクすることしかできず、かなり危険な状態になってしまいます。
まずは、水を新鮮なものに換え、魚の体温を下げてあげましょう。
併せて、ブクブクでエアレーションをしてあげることも大切です。
ブクブクがない場合は、ペットボトルなどの容器に半分くらい新鮮な水を入れ、30秒思い切り振り続け、その水をバケツに入れていきましょう。
そうすることで、必要な酸素を確保することができます。魚の調子が悪くなったら、まずは水温を下げて、体温も下げてあげる。
そして、エアレーションで酸素の供給を促すことを最優先にしてあげてください。
小さくても一つの命
どんなに小さくても、一つの命には変わりありません。
魚に限らず、命と触れ合うことは非常に大切なことです。
レジャーを通して親子で命の大切さを楽しく学べるといいですね!
<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>