今月のテーマは「数を伸ばすメーター両ダンゴ」。埼玉県さいたま市にある武蔵の池での実釣を交えながら、この釣りのキーポイントをひも解いてみよう。今回は仕掛けについて。魚の活性が高い時の釣り方なのでラインの太さなどはそれほどシビアになる必要はない。細過ぎるのはトラブルの元になりやすい。時には軸が太く重いハリが必要な場面がある。適材適所の使い分けをレクチャーする。
TSURINEWS編集部
2018年5月27日
ヘラブナ釣り 淡水の釣り
数を伸ばすには?
両ダンゴで入れアタリを楽しもう!
数を伸ばす……。
つまりサイズは気にせず、ひたすらカウント数を伸ばす。
そのための両ダンゴだとしたら、考えるべきこと準備することとは何か。
戸張 誠
「エサ打ち回数でしょうね。いかに人よりエサをたくさん打てるか。アタリを多くだす、ヒット率を上げるなどは、それができてからの話だと思います」
となると釣りの所作をいかにスムーズにして、スタートから終了まで打ち続けられるかにかかっていそうですね。
戸張 誠
「はい。であればまずは竿の長さの選択が肝心です。自分にとって何尺の竿がもっとも負担が少なく、終日振り続けられるか。一般的には8~10尺がこの釣りのメーンだと思われますが振り込み→仕掛けの回収→取り込みの動作を考えたらできるだけ短い竿を使いたいところですね」
竿の調子は?よく言われるのは短竿ほど本調子(胴調子)が向いていると言われますが?
戸張 誠
「ハリストラブルの回避を最優先するなら軟調子がいいでしょう。しかし取り込み時間を短くするなら、張りのある(パワーがある)竿が有利です。現代のカーボンロッドならこれらを両立できる製品が多数ありますから、可能ならそのような竿を選ぶことを推奨します」
しかも、できるだけ軽い竿ですよね?
戸張 誠
仕掛けについて
仕掛けの注意点は?
戸張 誠
「浅ダナ釣りだと小ウキのイメージがありますが、高活性時の両ダンゴの場合はその限りではありません。オモリ負荷の多いウキを使い、トップをしっかりナジませるように心がけます。ですので道糸は細くする必要性はありません」
道糸が細いほどウキの立ち上がりがスムーズだとよく言われますが。
戸張 誠
「はい。しかしオモリ負荷の多いウキであればラインが多少太くても気にならないでしょうし、そもそも細過ぎる道糸はトラブルの元です。私は0.8~1号を基準にしています」
ハリスは?
戸張 誠
「道糸の半分理論はここでは置いておきましょう。要するに釣れる魚のアベレージサイズに合わせます。高活性が前提ですから0.5号を標準に、必要なら0.6~0.8号でも問題ありません」
例えば道糸0.8号でハリスが0.6号でもいいと?
戸張 誠
「0.6号が必要な場面は相当な入れアタリだと思います。魚のサイズもいいはずです。であれば道糸は1号にすべきです」
途中でハリスを0.4から0.5へ変更。
太いハリスのデメリットはないのでしょうか?
戸張 誠
「低活性なら細いハリスに替える必要がありますが、そもそも両ダンゴを選択しないはずです。それよりもライントラブルの心配なく釣り続けられる方が、ここでは大きなメリットになる。デメリットはほぼないと言っていいでしょう」
ハリはどうですか?
戸張 誠
「標準的なタイプの『
バラサ/OWNER』を例にするなら、魚のサイズに合わせて4~8号を使い分けます。さらに活性が高い時は『
セッサ/OWNER』など比重のあるハリが効果的です。実釣時はそのような状態でした」
取材日は、両ダンゴでよく竿が曲がっていました。
<戸張 誠/TSURINEWS編>
【数を伸ばすメーター両ダンゴ①】から読む
この記事は『週刊へらニュース』2018年5月11日号に掲載された記事を再編集したものになります。