3月7日、尾鷲市三木浦のカセに乗った。同釣り場へは久しぶりだったので渡船場を間違えるトラブルもあり、午前7時すぎの出船。10分ほどで通称・深場のカセへと渡った。ここでは先日にグレ(メジナ)狙いの人が乗っ込みクロダイを仕留めているので、大型狙いの一発勝負で挑むことにした。
不安定な曇り空、午後から小雨の予報
天侯が不安定な曇り空だが、午後から小雨が降る予報。
この時期の雨はつらいが、気温はさほど下がっていないので寒さはあまり気にならない。
対面する前のカセではすでに他の釣り人がサオを出していたので、早速ダンゴを用意してのポイント作りに取りかる。
1投目はオキアミのエサからスタート。
ダンゴを投入すると、思ったよりも水深は浅くて20m弱だ。
着底後に30秒ほどしてダンゴが割れたが、アタリは出ない。
しばらくして仕掛けを回収すると、オキアミは無傷のままだった。
3月は年間で一番水温が低下するので、エサ取りもおらず生命反応はないのが普通。
とにかく、打ち返しのピッチを速めて魚の活性を上げることにした。
午前9時ごろ、アタリがないものの、たまにオキアミのエサが吸われるようになった。
底では食わないので中層を狙ってみる。
5mほど上でダンゴを割って、オキアミをゆっくり落とし込んでいく。
しばらく繰り返しているとアタリが出たが、ハリ掛かりしたのは20cmほどのアジだった。
しばらくすると、対面のカセでサオが曲がって良型グレが釣れた。
オキアミのエサで、底で食ってきたとのこと。
その後もポツポツとグレやアジを釣り、こちらより魚の活性は高いようだ。
置きザオにアタリ!
昼を回り、コンロでお湯を沸かしてカップ麺を食べていると、無反応だった置きザオに突然アタリが出た。
大アワセを入れると手応えはあったが、クロダイの引きではない。
グングンと鈍い引きで暴れ回り、姿を見せたのは60cmほどのネコザメにガッカリ。
その後もアタリが出たが、ネコザメの群れが寄ったようでサメを連発する最悪の展開だ。
午後3時になり、納竿は4時なので残り1時間の勝負だが、小雨が降るなか気配もなくボウズかと覚悟していた。
ところが、納竿間際になってわずかにダンゴアタリが出て集中し、しばらくするとダンゴが割れた。
さしエサのオキアミを底でなじませていると、モゾッとアタリ。
その後で押さえ込んだところで大アワセを入れたと同時に確かな重量感が伝わってきた。
首を振るような引きからもクロダイの可能性が高い。
中層までくるとカセの下に潜り込んで抵抗する。
周りにアンカーロープなどの障害物はないので、無理をせずに慎重にやり取りを楽しんだ。
海面を見ると、ギラリと本命の魚影だ。
一発でタモ入れして、検寸すると51cmの年無しだった。
この貴重な1尾に満足して納竿とした。
この時期は辛抱の釣りになるが、釣れた時の喜びは倍増し、いつまでも余韻に浸ることができた。
<週刊つりニュース中部版 APC・倉沢晴則/TSURINEWS編>