オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法

冬は釣りもシーズンオフ、という人は意外に多いようだ。そんなときにしておきたいのが道具の手入れ。今回はスピニングリールのメンテナンス方法を解説する。

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船釣り エサ釣り

工具を使わないメンテナンスに挑戦してみよう

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法折りたたみハンドルの可動部にも注油を。

ひと口にメンテナンスといっても、簡単な注油から本格的な分解整備までその内容はさまざま。

今回紹介するのは誰にでもできる、工具を必要としない簡単なメンテナンスだ。

ただし、これは調子を維持するためのもので、すでに調子の悪いリールを復活させるものではないのでご了承願いたい。

メンテナンス=水洗いではダメ

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法メンテナンスの基本はオイルとグリス。

リールには多くの金属部品が使われているため、海水が付着したまま放置すれば当然のように錆が発生する。

また、結晶化した塩分が作動不良を引き起こすことも多い。

淡水の場合は海ほどのダメージはないにしても、砂やほこりなどの影響は少なからずある。

そのためメンテナンスの基本は水洗いとよく言われるが、実はこれが間違いの元。

その理由は、リールにはオイルやグリスなどの油脂類が使われているためだ。

これらは潤滑だけでなく、水や異物の浸入を防ぎ、錆の発生を抑えるという大切な役割を担っている。

冬でも快適に使えるよう、リールには低温流動性の高い油脂類が使われるため、大量の水で洗えば簡単に流失する

中には一緒にお風呂に入るなんて人もいるが、これはもう完全にアウトだ。
油脂類は熱で軟らかくなるため、お湯で洗えばさらに油分は流失しやすくなる。

また、水にドボンと浸ける人もいるが、これもアウト
お湯ならなおさらだ。

汚れは湿らせたタオルや歯ブラシ、綿棒で落とそう

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法ハンドルを外してベアリングに注油。

水圧がかかれば水は簡単にリール内部まで浸入して、油脂類を劣化させる。
見た目は確かにキレイになるが、洗えば洗うほど内部は蝕まれていくのだ。

分解しないで外部から注油できる部分など、たかが知れている。
完全に分解して整備するという場合を別にすれば、水洗いは可能な限り避けた方がいいだろう。

しかし、だからといって汚れたままでOKという訳ではない
汚れと一緒に必要な油分まで落としてしまっては意味がないのだ。

使用状況が堤防釣り程度なら、湿らせたタオルで拭くだけでも汚れは落とせる

手の入らない部分は、歯ブラシや綿棒などを活用しよう。

水を使って洗う場合の注意点

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法スプール裏のベアリングにもオイルを少々。

水をかけるのは汚れがひどい場合や、船やウエーディングなど海水を浴びるような条件で使用した場合だけ。

この場合も、細部に入り込んだ塩分を浮かせることができればそれで十分だ。

手順としては、まずドラグノブを締め込み、スプール側を上にした状態で上から弱いシャワー(私は霧吹きを使用している)をサッとかける。

ドラグノブにパッキンのない機種は締め込んでも無意味なので、ドラグノブを避けて斜めから水を掛ける。

いずれの場合も下側(ローターの裏側)から水をかけるのはNG
表面の塩分は簡単に溶けるので、軽くぬらす程度で十分だ。

次にブラシなどで汚れを浮かせ、これまた弱いシャワーでサッと流す。
あくまでも「サッと」だ。

あとはリールを軽く振って水気を飛ばし(リールまで飛ばさないように注意)、乾いたタオルで拭き取れば洗浄は完了。

注油をしてみよう

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法ハンドルノブの注油穴。

この状態で乾燥させたら、次は注油。

使用するのはリールメーカーから発売されているスプレー式のオイルとグリスだ。

両者の違いは、簡単に言えばその粘度。

回転を重視する部分や頻繁に注油できる部分はオイル、耐久性を重視する部分や負荷のかかる部分はグリスと使い分ける。

まずはハンドルノブハンドルの折り畳み部ラインローラーベールのピボット(回転軸)レバーブレーキの機種はそのピボットなどの可動部にオイルをスプレー。

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法ベールのピボット部にも。

隙間からひと吹きすれば十分だ(ダイワのマグシールドは注油禁止なので要注意)。

機種によっては、ハンドルノブやラインローラーに注油穴が設けられたものもある。

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法注油穴からオイルをさす。

はみ出したオイルはほこりが付着する原因となるため、きれいに拭き取っておこう。

次はドラグノブを緩めてスプールを外し、シャフトの根元にオイルを1滴
スプールの受け部にベアリングのあるものは、そこにも1滴注油する。

続いてハンドルを外すと内部にベアリング(または樹脂ブッシュ)が見えるので、左右にオイルを1滴ずつ。

グリスをさして仕上げ

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法ドラグノブの当たり面とパッキンにはグリスを薄く塗る。

そして最後はグリスの出番。

塗るのはドラグノブの裏側ドラグワッシャーとの当たり面だ。
ドラグノブにパッキンがあれば、そこにも薄く塗っておくといい。

指や筆などを使うと飛び散らずキレイに塗れる。

あとは元通りに組み立てて出来上がり。

注油の頻度は釣行回数にもよるが、サンデーアングラーであれば月に1~2回程度で十分だろう。

雨のなかで使ったときなどは、忘れずに注油しておきたい。

メンテナンスの際、あわせて確認したいのがスプールエッジの傷だ。

オフシーズンは愛機のお手入れを♪スピニングリールのメンテナンス方法スプールエッジに傷が入っていないかチェック。

キャスト時にラインを傷める原因となるため、指で触って段差があれば補修しておこう。

傷の大きさにもよるが、まずは240~400番程度の耐水ペーパーで傷を滑らかにし、最後は600~1000番で仕上げるといい。

さて、次回は両軸リール編。
こちらの方もお楽しみに。

<週刊つりニュース中部版 APC・浅井達志/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2018年1月5日号に掲載された記事を再編集したものになります。