前回はロッドの確認すべきポイントをお送りしましたが今回はリール編。釣りには行くけど、タックルのメンテナンスは面倒だという人もいるだろう。特にリールは、釣りをする上で要の存在。今回は、釣行後に簡単に確認できるリールのメンテナンス箇所と対処方法を紹介。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部)
1.スプール
スピニングリールとベイトリールでスプールの形が大きく変わってくる。基本的にベイトリールのスプールは摩耗意外では傷がつくことはないが、スピニングリールには様々な盲点が存在する。
1-a.スピニングリールのスプール
スピニングであれば、スプールリングが傷ついているとキャスト時や投入時にラインが引っかかり知らぬ間にラインに小キズが入る。これを放置しておくと新品に変えてもすぐにキズが入り強度が落ちる。特に人工物でのスレに弱いPEラインにとってこれは致命的だ。
筆者も過去に歴戦のスプールでメタルジグをフルキャストした時、いきなり50m付近でラインブレイクをした経験がある。メタルジグが大量のラインとともに遥か彼方へ消えていった。地球にも財布にもダメージを与えてしまったこの出来事もすべて、ラインスプールの傷が原因。
傷を極力減らすために、地面にスプールを地面(特にコンクリート上)に直置きしないことと、持ち運ぶ際にもカバーをしよう。
1-b.ベイトリールのスプール
ベイトリールは、スピニングリールのようにスプールが外側にない分、傷が付き難いが、いくつか注意事項がある。
先ず、ベイトリールの場合、気をつけたいことがブレーキ設定変更やメンテナンスでスプールを外したタイミング。落下させたり、根掛りをスプールを抑えて引っ張り外したりした場合にシャフト(軸)やスプール自体が歪んでしまうことがあある。
構造上歪んでいると飛距離や落下スピードが落ちる原因になる。また、本体の角が少しヘコむだけでもシャリシャリと異音がしたり、重量バランスが崩れて飛距離が落ちる。
回転がおかしいなと思ったらスプール周りをチェックしましょう。ブレを直すのは計測機器がないとはほぼ不可能です。潔く買い替えるか、念の為オーバフォールに出そう。
2.ハンドル
ハンドル部分で気をつけたい箇所は「ハンドル本体」と「ノブとベアリング」の2点。
2-a.ハンドル本体
ハンドルで気をつけておきたいことが「歪み」。ぶつけてハンドルやノブの軸が歪んだり折れたりします。
また「腐食」もチェックが必要。スピニングの場合は、ハンドルが取り外し可能になっている分、ねじ込みっぱなしでいると固着してハンドルが取らなくなったり、折りたたみ部分が腐食して折れることがある。
2-b.ノブとベアリング
ノブ内部のベアリング(ノブの回転させるためのもの)は、海水や砂が入り込みやすいのでジャリジャリになりやすいです。構造上簡単に取り外しできるのでマメにメンテナンスをするのがベスト。
回転が悪いと思ったらベアリングを交換しましょう。しかし、ネジに圧力をかけながら回さないとネジがなまってしまい封印されしハンドルノブになる可能性も。
また、締め込みが甘くノブなしリールにならないように注意も必要。ファイト中外れると指筋トレマシンへ変貌する。
曲がりはゴムハンマーで叩く、テコの力で無理矢理直すという方法もあるが、悪化させたり疲労でポキっと軽いノリであっさり折れるのでオススメはできない。
3.ギア&ベアリング
リールの進歩に伴い、構造は精密になった。その分、少しのキズやサビなどですぐに巻き心地が変わってくる。もしおかしいなと感じたならば、大抵どこか壊れていると思ったほうがいい。
少しの異変がほかのパーツを侵食し徐々に壊れる原因に。すぐメーカーに出そう。また、自己責任になりますが自身でオーバーホールする方法もある。しかしこのときに戻せなくなるとメーカーが受け付けてくれない可能性もあるので注意。手間はかなりかかるが、費用はほぼ変わらない。
海釣りは、塩分、湿気、紫外線、砂埃と機械には最悪の環境。リールからしたら生き地獄。長持ちさせたいなら釣行毎の水洗いが必須だ。
このときシャワーなど水圧をかけるとグリスやオイルが抜けてしまうので水を溜めた風呂桶などに漬けるか優しく洗おう。
4.レベルワインダー&ラインローラー
直接、ラインに触れ、飛距離に大きく影響してくるパーツ。ベイトリールにはレベルワインダー、スピニングにはラインローラーのパーツがついている。
4-a.レベルワインダー
レベルワインダーに異物が入ると巻いたときの違和感やスプールにラインキレイに巻けなくなる。つまようじなどで取り除き、キレイにグリスを取ったらグリスアップしよう。
4-b.ラインローラー
ラインローラーは重要なパーツ。ライントラブルがやたらと発生する場合は巻きすぎか大抵ここの回転が渋くなっているのが原因。
ベールとノブのベアリングは外に出ていてダメージを受けやすいので、注油できるなら注油。できない場合は確認が必須。
ベールは衝撃を与えると折れたり歪む場合がある。また、キズがつくとスプールと同様にラインを傷つけるので注意。
5.ドラグ
常に締め込んで放置しているとドラグの出る負荷が低くなる可能性がある。逆に洗うときは最後まで締め込むと浸水が少なくなる。
また、フェルト製のワッシャーの場合は、長期使用により内部でちぎれることもあるため、しっかり開けて確認が必要。
フェルトワッシャーなどグリスを塗るタイプは必ずドラググリスを使おう。異なるものを使うとライン出かたが変わってしまう。
売っていない場合は釣具店で、メーカー発注で取り寄せが可能。
リールは定期的にオーバーホールしてあげると10年以上使用可能だ。私はスピニングもベイトも10年以上使っているものもある。
思い出とともに末永く付き合うとより一層愛着がわくものだ。まさにプライスレス!
<四家/TSURINEWS・関東編集部>