私に、南薩久志より船のルアー五目が絶好調との情報が届いた。
いてもたってもいられなくなり、五十肩の同僚を半ば強引に誘い、遊漁船「松風」の船長に予約を入れた。
「松風」は久志一帯の磯釣り・ショアルアー・オフショアルアーを釣り人の心に寄り添い、丁寧に案内してくれる。
メーンとなるのは、マダイ、ハガツオ、ヤズ(ブリの若魚)、ネリゴ(カンパチの若魚)、アカハタ、シイラと、なんとも豪華。
浅場からライトジギングでスタート
9月1日、午前6時、博多浦港から出港し、20分ほどで釣り場に到着。
まずは比較的シャローエリアで、青物や根魚をライトジギングで狙う。
40gのブルピンカラーのジグで、着底から5シャクリくらいをハイピッチでアピールする。
その後スローピッチで5シャクリ後、再度着底という流れで魚にアピールした。
しかし、ファーストヒットは隣の同僚。
「キターッ!」という声とともに、やり取りを始め「五十肩で腕が上げられないよ~(泣)」と言っていたとは思えない豪快なポンピング。
痛みも忘れさせるファーストヒットの相手は良型のハガツオだった。
「五十肩の新たな治療法は釣りなのか?」などと考えていると、次は船長にヒット! 50cmほどのヤズをゲットした。
しっかり焦らされた私の心情を察してくれたのか、ジグの着底直後にサオ先に「ゴツッ」という重みが伝わる。
「ヨッシャー!キター!」とアワセを決めると「グンッグンッ」という気持ち良い引きを楽しませてくれる。
久しぶりのファイトを楽しみ、35cmほどの高級魚アカハタをキャッチ。
それからは流すコースを変えながら攻める。
この一帯は水深が上下し、釣れる魚も様々。
着底直後にはアカハタやウミゴイ、少し巻き上げるとヤズやネリゴ、中層より上ではハガツオやシイラが食ってくる。
各々ライトタックルで青物や根魚とのゲームを楽しんだ。
深場エリアでタイラバに挑戦
9時30分ごろ、潮が緩み青物のアタリが遠のいたため、水深90~130mエリアに移動し、タイラバでマダイを狙う。
まずは150gのタイラバを落とすと潮はほとんど動いていないようで、真下に落ちる。
着底後はやや速めに25mほど巻き上げ再度落とす。
しかし、数回繰り返すも反応がないため、タイラバヘッドを90gへ変更。
今度はラインがやや斜めになった。
そして着底後の巻き5回転目でジワっと重みが乗る。
アタリだ!食い込みを待ち、ドラグが「ジジッ」と鳴ったところでアワセを入れた。
気持ちの良いドラグ音が響き渡り、マダイ特有の首振りが伝わる。
ファイトを楽しみながら58cmのマダイを釣り上げた。
隣の同僚に、釣れたタイラバのカラーと重量を伝えると、同僚にもヒット。
肩の痛みなど忘れたようで「肩、完全復活!」である。
涼しい顔でやや小ぶりだがきれいなマダイを釣り上げた。
同僚と「今日はもう満足だね」と話していると、船長に私たちとは違う大きいアタリ。
「これはまあまあデカイよ!」と言いながら、浮かせてくる。
「ゴボッ」という音とともに海面を割ったのは大型マダイ69cmだった。
その後は速くなった潮流にタイラバヘッドの重さをローテしながら対応し、各々1km前後のマダイを追加した。
午後1時ごろ「終わりましょうか」という船長の合図で納竿となった。
港でクーラーを確認すると、6種目11尾の大小様々な魚種で満足の釣果。
同僚も久しぶりの釣行で満足だったようだ。
秋が深まるにつれ、久志ではヒラマサやブリが活発になる。
また、磯からの上物、底物も熱を帯びてくるだろう。
どちらの秋も満喫できる久志の海へ、釣行されてみては。
<週刊つりニュース西部版 APC・西翔立/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース西部版』2017年9月29日号に掲載された記事を再編集したものになります。