プチプチで宝石と称されることもある「イクラ」。同じような魚卵の商品で「スジコ」が存在するがいまいち違いが分からない。そんな人も多いのではないでしょうか。混同されがちな二種類の魚卵について比較してみました。最後にイクラの美味しい醤油漬けのレシピもご紹介します。(アイキャッチ画像:PhotoAC)
筋子(すじこ)
筋子(すじこ)とは、サケ科魚類の、卵巣に入ったままの卵、またはその塩蔵加工品のことを言います。
その名の通り、筋(スジ)のような卵巣膜によって卵が繋がっているのが特徴です。
卵を外す前のものは、全て筋子と呼ばれ、流通している物のほとんどが塩蔵加工品です。
このため特に未加工の筋子を生筋子と呼び、区別しています。
未成熟の卵を使用することが多く、粒の大きさは少し小さくなります。
また、塩漬けにして食べることが一般的ですが、この他にも醤油漬けや粕漬けなども作られています。
イクラ
サケの筋子の卵巣膜を取り除き、産卵前の熟した卵を1粒ずつに分けたものをイクラまたはバラ子と呼びます。
筋子と比べると、成熟した卵を使用していることもあり、粒も大きく、食感もプチプチとしています。
サケも様々な種類がいますが、サケ科最大級の大きさを誇るキングサーモンのイクラは、その体長に比例して大粒のイクラになります。
その大きさは直径約1.5㎝と規格外。ぜひとも一度は食べてみたいですね。
イクラの名前の由来
「イクラ」の語源はなんとロシア。ロシア語で「魚卵」「小さくて粒々したもの」という意味です。
ロシア人がばらしたサケの卵を「イクラ」と呼んでいるのを見た日本人が、これはいいと採用したのがイクラと呼ばれた始まりのようです。
それまで日本ではそれは全て筋子と呼ばれていたそうです。
また、ロシア語における「イクラ」はサケに限らず、魚卵であればタラコでもカズノコでも何でもすべてが「イクラ」となるようです。
ちなみにサケの卵は、ロシアでは「赤いイクラ」と呼ばれ、キャビアのことは「黒いイクラ」と呼ぶそうです。
筋子からイクラへの処理方法
筋子をほぐすときには「塩入りのぬるま湯」を使います。ぬるま湯(お風呂の湯加減)2Lに対して大さじ1の塩を溶かし混ぜます。
「塩入ぬるま湯」は筋子をほぐす際に必ず必要になりますので、3~4Lくらい作っておくといいでしょう。
筋子の処理 -卵巣膜の除去ー
①ボウルに筋子が浸かるくらい「塩入りのぬるま湯」を入れ、筋子を湯の中でほぐし、親指の腹の部分で卵を押し出すようにして、卵巣膜から卵を卵をばらしていきます。
※湯につけると卵が少し白っぽくなりますが、最終的に調味料に漬け込むと透明に戻るので、気にせず進めましょう。
②卵巣膜がある程度とれたら、底からやさしくかき混ぜて白い膜を浮かせ、上澄みと共に流します。
※水気は完全に切らず、卵が浸かった状態で、残った卵巣膜がないか、ほぐれていない卵がないかなどを確認し、あれば手でやさしく取り除きましょう。
③作っておいた「塩入りのぬるま湯」を足し入れ、①②の作業を繰り返します。
①~③の作業を数回繰り返し、白い膜や汚れがほぼなくなれば、ざる上げしてしっかり水気を切ります。
※白い膜は洗うたびに出てくるので、100%取り切れなくてもOK!
卵巣膜の処理が終わり、味付けまで完了するとイクラの出来上がりです。