冬ヒラメが開幕した。冬のヒラメはデカくて、そして美味い!難しい印象があるが、実は初心者でもチャンスが有るのが冬のヒラメだ。今回はヒラメ釣りでも奥深いと言われる、泳がせ釣りを紹介していこう。
冬ヒラメ釣りの投入
投入の合図があれば、必ずサミングしながら落とし込んでいく。オモリに任せてフリーで落とし込むと、イワシの口が割れて弱りを早めてしまうので注意したい。ヒラメは底棲魚であるから、もちろん海底に張り付いている。
しかし、着底したらすぐに50cmから1m底を切る。言い切ってしまえば2m浮かせても構わない。
ビギナーが陥りやすいのがココだ。ついつい底を引きずってしまうのだ。漁礁周りを攻めることがほとんどなので、根掛かりが頻発することを我慢すれば、アタリの数は変わらず出るだろう。
問題は浮かせていないと、いつヒラメが食ったかが分からないためアワセ時が分からないのだ。
船上で耳にしたことがあるだろう、「いつアワせたらいいんや?本アタリがこないぞ?」
ヒラメが海底にいる状態で食わせても、本アタリなど分かるワケはない。当然だが浮かせたイワシに食わせたヒラメはきれいにアタリを出す。
泳がせ釣りのアワセ方
まずはグンッとかガガガガッとロッドが入るが、ここでアワせても掛からない。船の上下動を伝えないようにそのまま待つと、ヒラメはイワシをくわえ直そうと細かくティップを揺らしながら、海底に戻るのでロッドを引き込んでいく。
いっぱいまで下げ切ったところで、大きなストロークでゆっくりとアワせる。バシッとアワせると良型ほど歯切れしやすいので注意しよう。
浮かせたイワシに飛びつかせ、下を向かせてハリに掛ける。文字にすると至極簡単だが、時間にしてわずか10数秒といったところか。この瞬間こそがヒラメ釣りのクライマックスである。
慎重に取り込もう
フッキングが決まればゆっくりと巻き上げ、小さくてもタモに取ってもらおう。ヒラメは口周りに肉がないので、がっちり掛かっていてもハリ穴が広がると、あっけなく外れてしまう。
何十匹も釣れる魚ではないので慎重に取り込みたい。
ヒラメ40なんて格言もあるが、実際に本アタリまで40秒かかった経験は私はない。短ければ数秒でカタがつくことだってある。しかし食わせてから引き込まれる本アタリを出すまでの時間は、何度やっても心臓バクバクで慣れることがない。
振り上げたロッドがガクンと止まった刹那、もうその後のやり取りはオマケみたいなものである。
引きの強さや食味の良さならもっと上がいるだろう。だが「食わせる」過程を楽しむなら、ヒラメ釣りはちょっととんでもない魅力である。
この時期にぜひチャレンジしてみては
釣ったヒラメは個別イケスに入れておくが、ハリを外すときにはその鋭い歯に注意しよう。タチウオ並みとは言わないが、エサを丸のみにした場合、8号ハリスをいとも簡単にかみ切っていくこともある。できればフィッシュグリップを使いたい。
今年も開幕したヒラメ釣り、各地の釣果も上々だ。アタリも多いこの時期、チャレンジには絶好機だ。
<週刊つりニュース中部版 峯卓 /TSURINEWS編>