生命感溢れる新緑の渓流を満喫。アマゴ釣りを楽しむ【静岡県・狩野川】

生命感溢れる新緑の渓流を満喫。アマゴ釣りを楽しむ【静岡県・狩野川】

新緑が眩いばかりに山を染め上げてきた4月12日(木)静岡県伊豆市を流れる狩野川支流の長野川へ向かった。

アバター画像 TSURINEWS編集部

淡水の釣り 渓流釣り

川の様子を探る

長野川は狩野川上流部の支流では、比較的釣り人が入る河川。

下流域は遊歩道などがある親水公園的な渓相で、ルアーマンやフライマンを見かけることが多い。

そこから2.5kmほど遡行したところにある長野橋から上流は、大きなエン堤が7基ほどあるものの、滝あり落ち込みありの本格的な渓流相でエサ釣り師が多い。

この日は釣り場に到着したのが正午前だったので、下流から上流まで車で走り、川の様子をみた。

生命感溢れる新緑の渓流を満喫。アマゴ釣りを楽しむ【静岡県・狩野川】このシーズンの渓流は最高のロケーションだ。

すると下流域にルアーマンの姿があったので、彼らの釣り上がるぶんを考慮して、狩野川出合から6kmほどの場所にある箒原付近から入渓することにした。

スギやヒノキの植林帯の踏み跡を使って川へ下りると、フキやワサビ、ミズなどが新しい葉を広げ、周りの樹々も力強く新芽を伸ばしている。

私はこの季節の渓がたまらなく好きだ。

新緑に包まれると自分の身体の中に彼らの力が入り込んでくるような錯覚さえ覚え元気が出てくる。

水温は12度、竿は中継8m、イトは0.4号で通し仕掛け、オモリは2号2Bを主体に使用。

エサはミミズとブドウ虫だ。

私は特殊な釣り方をしているので、どんな小さな川や沢へ入るときも8mの中継竿を使用しているが、長野川の規模自体は小さく、川幅は3~5mほどなので、普通の釣り方をするなら6m程度で十分だろう。

魚の動きを探る

まずは定番の小さな落ち込みを探り、この日の渓の機嫌を知ることから始める。

ポイントのどこに、どれくらいの魚が着いて、どんなアタリをだすかで、その日の魚の動きを探るのが私のルーティン。

生命感溢れる新緑の渓流を満喫。アマゴ釣りを楽しむ【静岡県・狩野川】模様がとても美しいアマゴだ。

すると、落ち込み直下の緩流帯で続けざまに6寸ほどのアマゴがヒット。

カケアガリまで流してアタるのは4~5寸と少し型が小さい。

食い方はかなり渋く、ツンで終わるアタリが多かった。

このようなときは前日に釣り人が入っていると考えられるので、魚へプレッシャーを掛けないアプローチが重要になる。

仕掛けの流し方も少し工夫が必要。

通常の下流から上流へ仕掛け投じ、流れに沿って引いてくる流し方ではオモリが先行し、アマゴに警戒されてしまう。

もちろん、狭い渓流では立ち位置をポイントの上流へ設定することはできないので、下流から上流へ仕掛けを入れつつもエサを先行して流すといい。

技術的には難しいが、これができると魚の食い込みが全然違うのだ。

この日も微調整を繰り返し、魚の動きに釣り方を合わせていくと、1時間10尾以上のペースで釣ることができた。

生命感溢れる新緑の渓流を満喫。アマゴ釣りを楽しむ【静岡県・狩野川】秋に尺になって戻ってくることを願い20cm以上はリリース。

水通しのいい流れ込みで水深がある場所からは7寸、落ち込み直下では6寸、カケアガリやトロ場では5寸が中心だった。

夕方になり、源流部にある8mの滝を越えると、型のいいアマゴが乱舞してくれた。

この日の最大は23cmほどだったが、彼らが順調に成長してくれれば、引き味も楽しめるようになるだろう。

秋口には尺上になってほしい気持ちを込めて、この日に釣れた20cm以上の魚はすべてリリース。

友人たちから次の日に天婦羅にして欲しいとの要請を受けていたので、6寸を10尾キープし、それ以下のサイズもリリースした。

午後5時30分に川から林道へ上がると、木々の間から富士山が見えた。

一日無事に楽しく釣りができたことを感謝して、山と川へ一礼をして車までの林道を歩いた。

生命感溢れる新緑の渓流を満喫。アマゴ釣りを楽しむ【静岡県・狩野川】アマゴの他に美しい富士山も見れた。

長野川で釣れる魚は100%アマゴで、下流から中流部まではアブラハヤも生息している。

出合いから漁業権が設定されている六ガ瀬橋までに大きなエン堤が8基ある。

六ガ瀬橋直下にある8mの滝は、左岸側を登れば林道へ出られる。

車は林道脇にある駐車スペースに止める。

周辺にはワサビやシイタケなどを栽培する農家が多いので、その人たちのジャマにならないように止めてほしい。

<静岡・菊地研人/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
東名高速沼津IC~伊豆縦貫道~伊豆中央道~修善寺道路~国道136号~国道414号~県道59号利用。
この記事は『週刊つりニュース関東版』2018年5月4日号に掲載された記事を再編集したものになります。