伊勢湾伝統釣法”ウタセマダイ”を学ぼう【タックル編】

いよいよ乗っ込みシーズン到来!乗っ込みとはさまざまな魚が、産卵のために浅場に入ってくる行動のこと。クロダイ(チヌ)アオリイカなどが春に乗っ込みを迎えるが、忘れてはならないのが魚の王様マダイだ。今回はその乗っ込みマダイを効率よく狙える、伊勢湾伝統のウタセ釣法を紹介しよう。

TSURINEWS編集部 TSURINEWS編集部

船釣り エサ釣り

概要

乗っ込み期は産卵前の荒食いが期待できる。

枕詞(まくらことば)は和歌の修辞法であり、特定の文字を修飾することで情感を添え、句感を整えるものであるが、釣りの世界でも似たような使われ方をすることがある。

「パールピンクの女王」といえば、肌の白いオネエさんではなくシロギスを指し、「早春の便り」を届けてくれるのはアマゴであって、日本郵政では断じてない。

分かりやすくて便利な表現法であるが、某つりニュースのバックナンバーを読み返しても筆者は違えど毎年、毎月同じような文言が並んでいる。

誠にけしからんのである。

情報の速度ではネットにとてつもなく置いてけぼりの紙媒体、読者をこれからもワクワクさせるには記事の有用性は大前提として、読み物として優れていないとならないはずだ。

そして今回紹介するのは「伊勢湾伝統釣法」ウタセマダイだ(笑)。

なんだオマエも型にはまった紹介しかできないじゃないかとお怒りの皆さん、ちょっと聞きなさい。

中部圏にお住まいの釣りファンには、ウタセエビという言葉への細かい説明は省かせていただくが、伊勢湾伝統釣法ウタセマダイという言葉を透かして見ると、オキアミなど強烈な集魚力を持ってはいるものの、環境への負荷や根こそぎ釣ってしまう釣獲圧を嫌い、あえて高価で仕入れも不安定な当地のエサだけを使い、当地の魚を釣るという伊勢湾の魚を生業(なりわい)とする人間の覚悟やプライドが垣間見えないだろうか。

これ以上の説明が必要ない完成された言葉なのだ。

とはいえ、逆にこの分厚い表現がウタセマダイをとっつきにくくしているのも事実だ。

「ウタセは難しそうやしなぁ……」

何度か同船者から聞かされた言葉である。

確かに簡単ではない場面もある。

難しそうと敬遠される大きな要因の1つが、船釣りでは基本中の基本であるイトフケを出さずに釣るという大前提を覆し、あえてオモリを軽くし仕掛けを潮にフカせて流すシチュエーションがあるということだろう。

当地で「オンバセ釣り」とか、「トンバセ釣り」といわれるアレである。

言葉だけが一人歩きしてしまい、ウタセといえばオンバセ!と勘違いしている人も多いだろう。

確かにハマったときの破壊力はすさまじいが、実際はできる釣り座や水深、ポイントも限定されるため、ほとんどの場面ではオーソドックスな釣り方で十分対応できる。

タックル

参考タックル図。

では道具立てから釣り方まで順を追って説明していこう。

【サオ】

使用するタックルだが、ロッドは2~3m程度のもので、調子は7対3から6対4、5対5と長さも含め好みで選べばいいが、釣り座や波の高さによって使い分けられるよう複数あればベストだ。

1本で何とかしたいというなら、オモリ負荷40~50号で2.5m前後の6対4調子を準備すれば、大抵のシチュエーションで過不足なく釣りができるはずだ。

ウタセ専用ザオも販売されているが、代用するならヒラメザオが最も近い。

【リール】

リールは中小型の両軸リールを使用するが、もちろん電動でも構わない。

ミチイトにPEラインなら1.5~2号を200m、フロロカーボンラインなら6~7号を200mは巻ける製品を準備しよう。

細いPEラインだなと思われるかもしれないが、最近の製品なら1.5号もあれば強度は10kgを優に超える。

潮切りの悪い太いPEラインを使うメリットは1つもないので、思い切ってワンランク下の号数を巻くことを強くオススメする。

手巻き、電動どちらでも構わないが、潮が速い日の深場からの回収などを考えると電動リールに頼るのが得策だ。

仕掛け

長い仕掛けなので手前マツリに注意。

準備する仕掛けは数ある船釣りの中でも極端に少ない。

ウタセマダイは乱暴な言い方をすれば、「すごく長ーい胴つき仕掛け釣り」であるからハリ、ハリス、オモリにサルカンさえあればいいのだ。

【ハリ】

ハリはエビの座りのいい伊勢尼の9~12号を、当日のエビの大きさに合わせられるように各号そろえておく。

【イト】

ミキイトはフロロカーボンラインの6~8号、ハリスも同じくフロロカーボンラインの4~6号を1.5~2m取る。

ハリスの太さは食いにほとんど影響しないので、ヨレやすい細ハリスは不要だ。

時合いになれば太ハリスでも遜色なく食ってくる。

【オモリ】

オモリは20~60号までを用意する。

ウタセマダイの特色として、船中号数指定の場合を除けば、ある程度自由にオモリの号数を変更できることがある。

もちろん同船者に迷惑をかけない釣り座や潮の向きを見極めてからではあるが、これがだいご味でもある。

念のために1つずつでも5~15号までのオモリを忍ばせておけば、大ダイに出会うチャンスも増えるだろう。

<週刊つりニュース中部版 峯卓/TSURINEWS編>

【釣り方編】はコチラ

この記事は『週刊つりニュース中部版』2018年4月27日号に掲載された記事を再編集したものになります。