マダラといえば冬のイメージが強いが、釣りのターゲットとしてのマダラは、波穏やかな夏の日本海で狙う魚。大きなものはメーターを超え、釣り味も豪快だ。
今回は、そんなマダラのスロージギングでの攻略法を、マダラ釣りの雄・奥村眞佐夫さんに解説してもらった。ぜひ参考にしてマダラを仕留め、食味満点の夏のマダラをご賞味あれ!
マダラはどんな魚?
近年、中深海ジギングの初夏の風物詩となりつつあるのが、タラジギング。
今回はこのタラジギングについて解説してみたい。
【マダラの生態】
ここでいうタラはマダラのことで、成魚は食欲おうせいでメタルジグへの反応もよく、スロージギングの好ターゲットだ。
マダラは成長すると体長1m以上、体重10kg以上になる。
冷水域に生息し、生息上限水温は約12度。
本州では日本海は山陰より北、太平洋は東北地方より北に生息。
12~3月が産卵期。
成魚は何でも食べる大食漢で、貝類、頭足類、甲殻類、小魚など、さまざまな小動物を捕食するようだ。
私がジギングで釣ったマダラは、ハチメ(メバル)、ハタハタ、ニギス、スルメイカなどを捕食していることが多かったので参考にしてほしい。
【ポイントとシーズン】
狙う水深は200~260mと多少深いが、スロージギング初心者でも10kgオーバーの大物も期待できるとあって、スロージギング入門ターゲットとしてもお勧めだ。
関西は丹後半島沖や島根半島沖でタラジギングが盛んであるが、ポイントまで船で1時間半~2時間ほどかかるため、波の高い冬場は敬遠され日本海の穏やかな夏期(5~9月)が最盛期となっている。
夏期のタラに白子はほぼ期待できないが、身に栄養がいくため、これがなんといってもうまい。
タラの上品な白身を味わうなら絶対に夏期がお勧めだ。
また10月以降は高級食材の白子の保有率が上がるため、なぎが続く予報であれば積極的に狙っていただきたいターゲットだ。
群れで行動するマダラのポイントはほぼマダラ一色だが、周辺にはいろいろとおいしいターゲットが潜むので、マダラで満足したら他のおいしい魚種もぜひ狙ってもらいたい。
アラ、アカムツ、タヌキメバル、オキメバル、ユメカサゴ、ソウハチガレイ、アカガレイ、などなど。
マダラの食べ方
釣りたての新鮮なマダラはスーパーに並んでいるものとはまったく別物といっていいくらいおいしい。
白子が高級品として有名だが、身もクセのない白身でおいしく、火を通しても硬くならないため、和洋中どんな料理にも使いやすい。
肝や胃袋などの内蔵もおいしく食べられる。
焼く、煮る、揚げる、鍋…実にさまざまな料理を楽しめる。
手軽に大物が狙える釣り応えと、帰ってからの食の楽しみでこの釣りにハマる方が激増中!皆さんにもぜひチャレンジしてみてほしい。
【幅広い料理にピッタリ】
身は全くクセのない水分の多い白身で、煮崩れしやすいが、熱を通しても硬く締まらない。
刺し身(傷みが早いので釣った当日限定)、フライ、ムニエル、寄せ鍋、ちり鍋、チゲ、酒蒸し、ホイル焼きなどなど和洋中いろいろな食べ方ができる。
また白子、レバー、胃袋なども美味だ。
【白子】
白子や胃袋はさっとゆがいて氷水で粗熱をとり、ポン酢とネギで食べるのが定番だが、白子はフライにしても絶品。
【レバー】
そしてなんといってもオススメはタラのレバーを賞味いただきたい。
レバーは甘辛く煮つけたり鍋に入れてもおいしいが、お勧めは両面ソテーしてのレバー丼だ。
フォアグラに負けないおいしさを味わえるが、なんせ濃いので少量を味わうことをお勧めする。
<奥村眞佐夫/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関西版』2018年6月1日号に掲載された記事を再編集したものになります。