著者は釣りを始めてもうすぐ30年が経過する。これまで様々な釣りを楽しんできたが、どの釣りにも共通して言える釣果アップの秘訣として「効率化」が存在すると考えている。今回は、渓流エサ釣りを楽しむ上でより良い釣果を得るための「効率化」に着目してみたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
効率化は何故必要?
まずは釣りにおける効率化とはなんなのか、そしてなぜ必要なのかを提起させてもらいたい。
時間は有限
そもそもの話になるが、「釣りに行ける回数は多くて週一度」というアングラーは多いのではないだろうか。
釣った魚を調理するまでがセット(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)著者の場合は基本的に「釣りに行く日=夕飯を作る日(食材買い出しを含む)」という事が多く、かつ息子が家に帰ってくる夕方頃までという時間制限付きだ。であれば、限られた時間内で良い釣果を出すのは至上命題と言える。
「釣れない時間」が短くなる
「釣り場に行って竿を出せば気分爽快!」と言えど、釣れなければストレスが溜まるものだ。短時間で入れ食い……とまではいかなくても、やはり1時間に数回程度は魚の引きを味わいたい、そう思う方は多いだろう。釣れない時間が短くなれば、これほど楽しい事はない。
良型の確率アップ
何度も同じラインを流し続けると、徐々に渓魚達は警戒し始める。これはそれだけ釣れにくくなるということだ。
良型に直結(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)渓魚というのは仕掛けを上手く流せば比較的すぐに反応するので、警戒される前に効率よく釣れば大きなアタリを出してくれるし、良型から食ってくる事も多い。効率化は良い事ずくめと言えるだろう。
あちこち回れる
気になるポイントが一か所しかない場合は特に問題ないが、限られた時間であちこち見に行きたくなるのも渓流師の性。無駄に粘ることなく、効率・テンポよく釣り上がれば、それだけ探る範囲が広くなり、好釣果に出会いやすくなるという寸法だ。
ゲームを参考に
著者はゲームをよくするのだが、ゲームは極力無駄をそぎ落とし、効率よくプレイする事で望み通りの結果を得やすくなる傾向にある。この考え方を釣りに当てはめ、無駄を削っていくのだ。
準備の効率化
ではここから、実際の効率化についてみていこう。まずは準備からだ。
纏めて注文
1シーズンで使用する針・ライン・オモリ等は、1年間記録をつけておくことで、どの程度使用するかがある程度わかるもの。セールのタイミングで纏めて注文・ストックしておけば、明日いきなり釣行!という事が可能となるし、まとめ買いによる割引が期待できることもある。
服装の固定
渓流釣りに行くときの服装はこれ!と決めておけば、迷う時間すらも無く流れ作業で行える。著者の場合は釣行から帰宅後に自分で洗濯を行い、乾いたらハンガーのまま纏めてクローゼットに収納。次の釣行時はそちらを着るだけとなっている。
仕掛けの固定
この竿ならこの仕掛け、この長さ……という物をある程度固定しておけば、毎回同じ仕掛けを作るだけなので手間や時間がかからない。著者は竿ごとに天井糸の長さを4パターンほど用意しており、水中糸の長さはある程度固定している。
こうすることで、現地では(1)どの竿を使用するか(2)どの長さの天井糸にするか(3)どの太さの仕掛けにするか(4)水位を見てオモリサイズ決定、という流れになっており、無駄な時間は少ない。
入渓までの効率化
次に、現地で無駄な時間を過ごさないようにするための工夫を紹介しよう。
食事の固定
著者はそもそもルーティーンを組むタイプの釣り師だ。
当時の「ボウズが無い」という記述は残念ながら昨年途絶えてしまったが、釣りに行く際の食事は予め決まっているため、今も同じコンビニで同じ食べ物を買っている。これなら迷う時間も必要ないし、滞在時間は大変短い。出来る限り早く現地に着く、もしくは睡眠を少しでも長くとるための工夫と言える。
エサ採り場
渓流エサ釣りに欠かせないのが川虫だ。著者はシーズン中に川虫をある程度ローテーションしており、それぞれの川虫を効率よく捕獲できるポイントを4~5か所抱えている。
クロカワムシならあの場所の岩場、ヒラタなら本流脇の支流の岩場……といった具合だ。水位・時期により使い分けることで、現在は「採れない」という事態がほぼ無い。時折、手軽に釣具店で購入できるブドウムシやミミズも選択肢に入れている。
入渓場所
著者はシーズン中、前日までの河川ライブカメラによる水位チェック、天候チェックを欠かさず行っており、ホームリバーの水位を常にある程度把握している。
入渓場所は非常に重要(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)釣行前日には入渓場所を第三希望まで決めてから出発するのだが、最初にエサ採り場、次に第一希望ポイントまで真っすぐ向かい、先行者がいればすぐに第二希望ポイントへ……といった流れになっている。これにより、必ずどこかに入れるのだ。
釣り方の効率化
では最後に、最も重要と言える「釣り方の効率化」についてみていこう。
遡行ルートの効率化
前提として、川を遡行する前に前方(上流側)を目視できるぎりぎりの所までしっかり確認しておき、予め仕掛けを通す場所に目付けをしておく。そして「その場所に仕掛けを通すにはどの立ち位置が良いか」を予め予測し、その場所へ安全に迎えるルートを選択して遡行する……というのが普段の著者の流れだ。安全と釣果、どちらも両立できるので大変オススメだ。
投入点を絞る
多数の釣果が望めるポイントでは、下流側・手前側から探るという基本に則って釣っていく。だが、過去に良型の実績がある場所では、あえて大本命と言える筋からいきなり攻めていく。
貴方ならどこを狙う?(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)この手法で過去に何度も「この場所で一番デカイやつだな」という個体を釣り上げてきた。逆にこの手法を取らなかった頃は、明らかに2番手・3番手サイズが多かった。この辺りは経験がモノを言うように思うので、通い詰めるしかない。
流す回数を決めておく
「ここは粘るぞ」という場所以外では、そもそもの流す回数を決めている。「これぞ」という流し方を3回して反応が無ければ、その周辺の有望な筋を各3回程度流す。これで反応が無ければ立ち位置やオモリサイズを変えてさらに3回程度流し、無反応ならば遡行再開、といった具合だ。これを実行するようになってから、明らかに釣果がアップしたように感じている。
場合によってはスルー
あまり実績が無い場所、投入するのに少々手間がかかる/仕掛けが絡む危険性がある場所は、流す回数をさらに絞って1~2回としている。ホームリバーの場合は着き場がハッキリしている傾向にあるので、よほどいい状況になっていなければスルーする事すらある。とはいえ竿抜けポイントが要チェックなのも事実なので、塩梅はカンによるところが大きい。
過去記事リンク:「竿抜けポイント」の発見が釣果の決め手! 渓流エサ釣りで釣果アップ術
名手のような効率のいい釣りを目指して
著者の尊敬する名手・井上聡さんの動画を拝見していると、川に立った時点で既にやる事が決まっておられるように感じられる。そして迷うことなく遡行してピンポイントに仕掛けを投入し、ご自身が解説した通りの場所で良型がヒット……というシーンを何度も目にしてきた。
これは動画だから編集されている、という訳ではなく、数ある効率化と研究によりヒットさせたワンシーンを、我々はピックアップして観ているのだ。数・型とも確実に良い結果が期待できるので、是非効率のいい釣り方を研究してみてほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>






