「早起きは3文の徳」な波止のターゲット5選 秋の早朝釣りのススメ!

「早起きは3文の徳」な波止のターゲット5選 秋の早朝釣りのススメ!

日中はまだまだ残暑厳しい9月。それでも朝夕の風は少し涼しく、心地いい季節になる。そんな季節にこそ楽しいのが早朝、短時間勝負の釣り。ちょっとだけ早起きして爽やかな風を浴びながら、涼しいウチにサッと釣って終了する。ぞんな短時間の釣りにオススメな波止周りのターゲットは多い。

(アイキャッチ画像撮影:TSIRINEWS関西編集部・松村)

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早朝を定義してみる

「早朝」を定義すると、夜明け前後から日が昇り、暑くなってくるくらいまでと言ったところだろうか。

時間的には朝5~8時を想定してみよう。そんな時間帯に釣れる魚って案外と多いのだ。もちろん、朝マズメという言葉があるように、魚の時合いとなる時間帯でもある。

そんな朝マズメに狙いたい魚の中から、今回は秋の早朝に狙いたい5種類のターゲットを「早朝ならでは」の釣り方と一緒に紹介していこう。

1.エサ取りが出る前にシロギス

「早起きは3文の徳」な波止のターゲット5選 秋の早朝釣りのススメ!早朝は良型が手軽に狙える(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

ほぼ昼夜を通して釣れるキスだが、早朝の狙いは何と言ってもチョイ投げでの良型狙いだ。日が高くなると、イトヒキハゼやメゴチ、ベラといったキス釣りではおなじみのゲストが釣れ出すが、要はその前にキスの入れ食いを堪能しようという作戦だ。

キスは基本的に「潮を釣れ」と言われていて、潮が動けば食いはよく、潮が止まれば極端に食いが落ちる魚。と同時に、朝の一時に食いが立って、日が高くなると急に食いが悪くなりかわりにゲストが増える。そんな経験をした人も多いはず。

暗い時間帯でも釣れるキスを狙うなら、やはり夜明け前から構えて起きたい。夜明けとほぼ同時くらいに釣りをスタートするつもりで、早めに釣りをスタートしても構わない。

早朝は静かにシンプルに

案外、暗いウチは波止回りなら波止際の敷石近くまで寄ってきていたり、サーフならかなり浅い場所にいたりする。これを釣るなら、やはり「静かにシンプルに」が基本だ。

シーバスロッドなどにPEライン0.8号、リーダー3号程度を巻いたスピニングを用意して、天秤はシンプルで着水音が小さなタイプが理想だ。具体的にはオモリが棒状のタイプで脚も細い素材が適している。これに仕掛けは全長1mほどの2本バリ。競技用キスバリなどの小バリがいい。エサはこの時間帯ならイシゴカイがいいだろう。

軽くキャストして、ゆっくりと引きずって探り、キスの溜まっている場所を探す。早朝のキスはビックリするような大きなアタリを出してくれるから魅力たっぷりだ。

気を付けたいのは群れを散らさない工夫をする事。大きな着水音を立てていると、あっという間に時合いが終了して、群れがどこに行ったか分からなくなる。こうなると遠投が効いて広範囲に探れる本格的な投げ釣りが有利となるが、やはりここは短時間で手軽に釣りたいので、群れを散らさずできるだけ長い時間を楽しみたい。

そこで、1、2尾のキスを釣ったら、ワザとそのポイントを少しズラしてみる。キスは日が高くなってくると、小さな群れでおちこち泳ぎ回るから、あまり警戒心を抱かせると移動が早く大きくなって釣り難くなる。できるだけ群れに気づかれないように、1尾ずつをしっかりと釣っていこう。

前述のゲストのアタリが多くなり始めたら、いつ終了してもOKだ。時期的には9月半ばからが釣りやすく、10~12月の落ちギスシーズンでも早朝の釣りは楽しめる。

2.フレッシュな新子アオリイカを狙え

「早起きは3文の徳」な波止のターゲット5選 秋の早朝釣りのススメ!人気のアオリイカも早朝がいい(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

秋と言えばエギングのアオリイカ釣りが人気。夏前に生まれた新子のアオリイカが波止回りでもたくさん見られる頃だ。そして、このアオリイカは小さい時にはあまり夜に釣れず、日中の方が盛んにエサを取る。

いくつかの説があるが、夜間はスズキなどアオリイカの新子と生息するエリアが重なるような大型のフィッシュイーターも多く、夜間にウロウロすると自らがエサになってしまうとか。真偽は分からないが、少し大きくなるまでは明るい時間帯の方が釣りやすいのだ。

と言う事で、アオリイカの新子も夜はあまり動いていないので、明るくなってくると、ようやく朝食を取り始める。つまりは活発にエギを追って、抱いてくれるのだ。これが、活性の高いフレッシュなアオリイカである。

日が高くなるにつれ、徐々に深い場所へと入っていくので、エギを追ってやってきて、すぐに抱いてくれるのは早朝の一時がメインとなる。

アオリイカはアジなどのように群れで回遊する生き物ではないので、同じ場所で釣っていると、エギに慣れて、スレてしまうのも早い。エギには興味があるけれど、抱くまでには至らないという場面に出くわすのは日が高くなってきた10時頃だろうか。

そして、新子アオリイカは付いている(溜まっている)場所があるので、姿を見つけるために広範囲にスピーディーに探っていきたい。

3.昼夜釣れるガシラも夜明け頃に時合い

「早起きは3文の徳」な波止のターゲット5選 秋の早朝釣りのススメ!いつでも釣れるガシラだが…(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

昼夜を問わず釣れるガシラだが、実は夜明け頃には活発にエサを追って浮いてきたりする。浮いてくると言っても、何もない中層や表層に浮く事はないが、波止際の壁沿いやロープなどの障害物で身を寄せられる場所があれば、それにそって浮いてくるのだ。

浮いているガシラはとにかくエサを食うのが素早い。そこで、胴つき仕掛けで切り身のエサでもいいし、ゴカイなどの虫エサでも構わないので、軽めのオモリで中層辺りから徐々に下げるように探っていく。

注意点としては中層のガシラはエサを取るのがヘタなので、しっかりと食わせる間を作ること。エサをガシラの口に運んで、完全に食っているのを確認してからアワせるくらいでいい。

ゆっくりと探っているとクッと竿先を押さえるような小さな反応が出るので、そこで、ゆっくりと竿で持ち上げるようにすると、反応が続き、エサを完全に食えば反転して下へと戻ろうとするので大きなアタリへと変化する。そこでアワせるのがベスト。

仮にアワセが早すぎて素バリを引いてしまっても、ハリ掛かりしなければ次の投入ですぐ食ってくる事も多い。

日が高くなると、障害物周りに身を寄せるようになるので、穴釣りや捨て石の隙間狙いへと変更するが、この釣りでは根掛かりが多くなるため、浮いているガシラが狙える夜明け頃がリスクも小さいのだ。

4.明るくなると朝食を取るカワハギ

「早起きは3文の徳」な波止のターゲット5選 秋の早朝釣りのススメ!秋の人気者カワハギ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

カワハギは夜間は寝ている魚で、夜釣りでは釣れない事が分かっている。夜が明けて、海中が明るくなってくると、突然、エサをあさり始めるので、カワハギも早朝釣りのターゲットだ。ある程度エサを食いあさって腹がいっぱいになると、エサ取り名人の名の通り、エサをおちょぼ口でついばむようになる。

早朝の時間帯はなんといっても夜に食べていなかった分を補給するための朝食である。警戒心やエサ取りがうまいと言うのを忘れるほどハリ掛かりがいいのが不思議だ。

ただ、波止周りでは早朝の時合いは短く、食いだしてから1時間も時合いが続かない事も多々ある。

これはカワハギと同様に潜んでいるベラやフグなどのエサ取りがカワハギよりも先にエサを食べるようになると、カワハギは遠慮するのかエサを食べるのが遅くなる傾向にあるようだ。全く食わない訳ではないが、効率が悪くなる。

波止周りでのカワハギ釣りで手っ取り早いのは胴つき仕掛けにハゲバリを付けた仕掛けで、シラサエビ(冷凍も可)をエサに一発勝負で掛けていく釣り。底にオモリを付けたら少しずつ上に探り上げる。アタリがあればそのまま少しずつ上げるスピードをアップさせていくとゴンゴンゴンと強烈な引きにかわる。

5.サビキのアジも秋は朝マズメ

「早起きは3文の徳」な波止のターゲット5選 秋の早朝釣りのススメ!これから大きくなるアジ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

夏前からサビキでは朝夕、日中を問わず釣れ盛っていたアジも豆アジから小アジ、そしてさらに大きくなると、群れも徐々に小さくなってきて警戒心も強くなる。

体長が20cmに近づくくらい大きくなると、日中にバタバタと釣れる事はあまりない。朝、夕のマズメ時が釣りの時間帯になるが、時合いとして明確なのが早朝の時間帯。

夜が明ける頃にいきなり釣れ出すと、サビキでも鈴なりになるほど釣れ、1時間もするとピタッと食いが止まり、それっきり…というパターンが多い。

釣りのコツとしては「釣れている時に手返しよく釣る」である。クーラーに塩氷(多めの氷に海水を入れる)を作って、どんどん放り込んでいく。基本的に底付近でのアタリが多くなるので、ドンブリカゴは重めで、まきエサを底に集中させてアジを集める。

手返しを多くする事で、何度もまきエサが投入されるので、アジが集まってくる。逆に連で掛けようとして、アジが掛かったまま待つのはよくない。群れも小さくなってくるので、1尾ずつをしっかりと釣る事が結局、大釣りにつながる。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>