一年で一生を終える代表的な「年魚」4選 サイクル知れば釣果もアップ

一年で一生を終える代表的な「年魚」4選 サイクル知れば釣果もアップ

皆さんは「年魚」という言葉をご存知だろうか?寿命がわずか1年しかなく、1年間というサイクルの中で成長、産卵を繰り返している魚のことだ。釣り人たちにとっては、そのサイクルを知ることにより好シーズンを見極めることができる。今回は、「年魚」に当てはまる魚たち4種を紹介したい。

(アイキャッチ画像作成:TSURINEWS関西編集部・平塚悠介)

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目次

アユ

サケ目アユ科の淡水魚で、アユ自体をさして「年魚」と呼ぶこともあるほど、1年の寿命を持つ魚として有名。体長は成魚で20~30cmになり、非常に香り高いことから「香魚」と呼ばれることもある。

一年で一生を終える代表的な「年魚」4選 サイクル知れば釣果もアップ アユ(撮影:TSURINEWS関西編集部・平塚悠介)

アユの一生

淡水魚だが、稚魚の間は海で過ごす。海へつながっている河川に住んでいるアユは、秋ごろに河口で卵から孵り、2~3日で海へ移動する。そして翌年の2~3月ごろになると海から川へ遡上し、岩に生えたコケなどを食べながら過ごす。そして秋ごろに産卵をし、1年の一生を終える。

釣りシーズン

各河川で漁期が決められており、だいたい5~6月から9月いっぱい。12月まで解禁している河川もあるが、産卵も終えているため、冬はほとんど釣りシーズンの対象ではない。

ワカサギ

冬の風物詩といえばワカサギ。キュウリウオ目キュウリウオ科の魚だ。釣りの対象魚としてもすこぶる人気で、食味もよく、釣った後ですぐ天ぷらにしてくれたり、「ドーム船」と呼ばれる船からサオを出せる釣り場もある。また、実はワカサギは水質変化に強く、濁った湖でも暮らすことができるので、釣り場によって味が異なるのも特徴だ。

一年で一生を終える代表的な「年魚」4選 サイクル知れば釣果もアップワカサギ(提供:WEBライター・梅原正史)

ワカサギの一生

成長期に海へと下るものと、湖などの淡水で一生を過ごすものに分かれる。1~5月が繁殖期となり、卵は淡水中の枯木や草に産み付けられる。降海型は孵化後に海へと移動するが、陸封型は同じエリアで1年の一生を終える。ただし、湖によっては2~3年生きる場合もあり。

釣りシーズン

釣り場で漁期が定められており、だいたい10~3月ごろが釣りシーズンとなる。

ハゼ

ハゼとは、スズキ目ハゼ亜目に分類される魚の総称。日本には500近い種類が存在しているらしい。釣りの対象としてはマハゼが最もポピュラーで、ハゼ釣りと言えばマハゼのことをさす。一般的にマハゼの寿命は1年ほどだが、中には2~3年と生き延びて「フルセ」と呼ばれる大型になり、釣り人を喜ばせてくれることも。

一年で一生を終える代表的な「年魚」4選 サイクル知れば釣果もアップハゼ(撮影:TSURINEWS関西編集部)

ハゼの一生

マハゼを例にとると、河口付近に棲息しており、地域によっても異なるが、冬~春先にかけてが産卵、孵化のシーズンとなる。1年かけて成長し、メスは産卵後すぐに一生を終え、オスはその卵を守りながら孵化させた後に一生を終えると言われている。

釣りシーズン

8月中旬ごろから産卵前の秋にかけてが主なシーズン。シーズン初期は浅場で中~小型が釣れ、寒くなってくると深場で大きくなったものが釣れる。

イカ

釣りの対象となるイカにはアオリイカ、ケンサキイカ、ヤリイカ、コウイカなどがいるが、そのどれもが基本的に1年で一生を終える。大海原を潮の流れに乗って回遊しながら暮らしており、種類と住んでいる地域によってそれぞれのルートがある。ちなみにイカの成長速度は驚くべきスピードであり、体長が6~10mにもなるダイオウイカも寿命は2~5年しかないと言われている。

一年で一生を終える代表的な「年魚」4選 サイクル知れば釣果もアップアオリイカ(撮影:TSURINEWS関西編集部・平塚悠介)

イカの一生

種によって異なるが、アオリイカを例にすると、産卵時期は個体や海水温によって変化することがあるが、基本的に4~6月が最も盛んな時期と言われる。生まれたばかりの秋ごろは浅場で過し、寒くなるにつれ深場へ移動してどんどん成長する。そして、産卵時期の春が近くなると再び浅場へ戻ってきて産卵し、1年の一生を終える。

釣りシーズン

アオリイカの場合、2大釣りシーズンは春~初夏にかけての大型狙いと、秋ごろの新子狙いとなる。イカが深場に移動している10~12月でも、船から狙うことができる。

年魚と釣り

いかがだったろうか。年魚の場合、1年間で孵化、成長、産卵をすべて終えてしまうので、そのサイクルによって釣りシーズンも決まってくる。生態を知れば対象魚への理解も深まり、釣果アップにつながる。この知識を今後の釣りライフに役立ててほしい。

<平塚悠介/TSURINEWS 関西編集部>