意外すぎる『マニキュア』と『タチウオ』の関係 ポイントはキラキラ?

意外すぎる『マニキュア』と『タチウオ』の関係 ポイントはキラキラ?

おしゃれ好きならマストなアイテムがマニキュア。実は、意外にもサカナが関係しているんです。そのサカナがタチウオ。今回は、ちょっとびっくりなサカナの活用法を紹介。

(アイキャッチ画像:Pixabay)

アバター画像 TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

現代のネイルアート

さてネイルアートといえば、主に手の爪(ネイル)をマニキュアやビーズなどで施す化粧や装飾を指します。

最近では、美容院やネイルサロンでジェルネイルと呼ばれるネイルアートで可愛いを楽しんでいる女子も多いはず。知らない人のために簡単に説明するとジェルと呼ばれる合成樹脂を爪に塗り、UVライトやLEDライトを照射して硬化、爪に密着させるというもの。

しかし今回の主役は、『マニキュア』。その色は赤や青など様々であり、成分や内容物によって見え方が変わってきます。

中にはパールが入ったようにキラキラしているものもあるのですが、実はその成分にある魚が使われているのです。

その成分について深く追求していきます。

タチウオのグアニン箔

日頃、マニキュアを使っている人は、パールが何でできているかを考えたことがある人は少ないと思います。

実は、意外にもみんなが知っている有名なサカナからできています。

そのサカナの名前は、聞いてびっくり、【タチウオ】。見た目は銀色にピカピカと光り、まるで剣(つるぎ)のような姿のサカナ。

食味も抜群で、お刺身や塩焼きにして食べると美味しく、高級な食材としても扱われています。

そして世界の可愛いにも、この美味しいサカナは貢献しています。実は、このタチウオにはサカナだけどウロコがありません。その代わりに『グアニン箔』という銀色の薄い膜が体を保護しています。

意外すぎる『マニキュア』と『タチウオ』の関係 ポイントはキラキラ?表面の輝いている部分がグアニン質(出典:Pixabay)

キラキラしたマニキュアの作り方

グアニン箔は簡単に採取が可能で、新鮮な太刀魚の体をよくこすると、グアニン箔をこそげ落とすことができます。

タチウオの体表に膜のような状態でついているので、こするだけで簡単に剥がれ落ちてしまいます。

その状態はまるで銀箔のように薄くペラペラとしています。

このグアニン箔を集め、よく乾燥させた後、細かくしたものが、あのマニキュアの液の中に入っています。

こうして、キラキラ輝くパール入り可愛いマニキュアが完成です。 

その他の利用用途

実は他にもグアニン箔を利用しているものが、私たちの身の回りには存在します

人工真珠

このグアニンは、模造真珠(人工真珠)の原料にもなっています。

セルロイドと呼ばれる樹脂といっしょに加熱し、半液体状になったところにガラス玉などの核となるものを何回もコーティングしていくことで、模造真珠ができあがります。

ルアー

魚釣りで使うルアーと呼ばれる疑似餌にも以前まではこのグアニン箔が使われていました。

天然のサカナ由来なので自然な色や素材感を表現することができました。

最近ではアルミ調塗料がより安価になったことなどから、グアニン箔はあまり使用されなくなりました。

しかし中には今でもグアニン箔が使用されているルアーは存在し、以前よりも高価なものとして取引されています。

現在のマニキュアについて

最近ではグアニン箔は主流ではなく、代わりにマイカ(雲母)に酸化チタンを被覆した雲母チタンが一般に使われています。

発色原理はシャボン玉の色と同じで光の干渉を利用したものです。平板状のマイカに屈折率の高い酸化チタンを被覆し、この酸化チタンの厚みを変えることによって光の干渉色を変化させ、緑や赤など色々な色を出しています。

このように様々な色を自在に作り出すことができるようになったことで、現在では様々なネイルアートを楽しめるようになりました。

ぜひ、今後マニキュアを使用するときには原材料を確認してみてください。

グアニンと書かれていれば、それはおそらく【タチウオ】由来でしょう。

意外すぎる『マニキュア』と『タチウオ』の関係 ポイントはキラキラ?爪を見て思い出すかも…(出典:Pixabay)

<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>