へらぶなプライムフィッシング:冬&渋には段差の底釣り①

へらぶなプライムフィッシング:冬&渋には段差の底釣り①

伊藤さとしのプライムフィッシング。その日その釣り場で最良の釣りを目指す新企画。1カ月ごとをめどにして釣り方、エサ紹介などを伊藤の実釣を交えて解説する。第1回は埼玉県さいたま市にある武蔵の池での段差の底釣り。厳寒期の食い渋りに威力を発揮するこの釣りを、シーズンイン前に復習を兼ねて今一度おさらいしておこう。1週目の今回はエサ紹介。なぜこの釣りには『段底』が向いているのか。応用編を含めて紹介する。

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淡水の釣り ヘラブナ釣り

『段底』

へらぶな釣りエサ『段底』。パッケージには「段差の底釣り専用バラケ」と書かれている。特徴はハリ付けしやすく、しっかりナジんで抜けもスムーズ

つまり裏を返すならハリ付けの変化が必要不可欠で、ナジませることも抜くことも状況次第ではあり得るということ

一つのバラケエサでそんなことが果たして可能なのだろうか?

なお今回の新企画ではこのように記者が歯に衣を着せぬ物言いで質問攻めしていこうと思っている。伊藤がそれにどう応えるか。そんなところも見どころになると思うので楽しみにしていてください。

粒戦とセットで

へらぶなプライムフィッシング:冬&渋には段差の底釣り①「段底」の使い方

「うーん。でもさ単品で使う人っている?

おそらくは最低でも粒戦とセットで使用する場合がほとんどだよね。いやむしろ粒戦とセットがセオリーと言ってもいいんじゃないかなぁ。メーカーもそれを見越して成分を調合してるしね」

確かに裏面には粒戦との相性も抜群と書かれていますね。

「でしょ。現代の段差の底釣りでは粒戦のような水に溶けづらい固形ペレットが必要不可欠なんだよね。むしろ大胆な言い方をするなら、ペレットがあればいい。

だけどそれだけじゃあハリに付けられない。そこで満を持して登場したのが段底なんだよね」

なるほど粒戦はそれ自体はハリに付けられるシロモノではないから、バインダー的なものが必要になる。それが麸エサであり、それを段差の底釣りに合うように調合したのが段底なのですね?

「そういうこと。タマゴが先かニワトリが先かじゃないけど、どちらも段差の底釣りにはなくてはならないものと思ってくれればいいよ

裏書の配合例では釣れない?

ブレンド例は段底4+粒戦0.5+水1となっていますが、記者が見た限りではもっといろいろなエサをブレンドしている人がほとんどです。裏書の配合例では釣れないのですか?

「面白いことを聞くね。基本ブレンドでも十分釣れるよ

でも釣り人って欲深いから『もっと釣りたい、もっと特徴を持たせたい』と思うからその他のエサも入れていくわけだよね。だから基本ブレンドで自分の釣りに合っているなら、それでいいんですよ」

段底の特徴はタテバラケと粒戦が入ってもハリ付けしやすいことですよね。

そこにたとえばもっと比重をつけたい、もっとハリ抜けをよくしたいとか、そういうことですか?

「そうだね。でも多くの人はそういったことは考えずに、とりあえずあの人が使っているからとか、紹介されたエサがこれだったからとか、昔からこのブレンドだからみたいなケースが多い。

なので、もしブレンドで迷ったなら基本配合例に戻ってみるのもいいかもしれないよね」

応用編は?

では応用編はあるのですか?たとえば段差の底釣り以外でもこのエサは使えるのでしょうか?

粒戦を併用するバラケを使う釣りなら応用は可能だよね。ただし、いくらハリ付けしやすいからと言って両ダンゴ用のエサでは粒戦とのマッチングが悪いやはりバラケを使うセット釣りに向いているんじゃないかな

それは浅ダナでも?

「もちろん。ただし浅ダナならそれに向いたエサもあるわけだから、あえて使う意味は薄い。やはり効果の度合いで言うならチョウチンセットに向いていると思うよ」

次回も「冬&渋には段差の底釣り」です。

<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
武蔵の池
この記事は『週刊へらニュース』2018年12月7日号に掲載された記事を再編集したものになります。