レトロタックル(釣具)のススメ 【魅力・メンテナンス・長く使うコツを解説】

レトロタックル(釣具)のススメ 【魅力・メンテナンス・長く使うコツを解説】

旧車の高級モデルはおいそれと手が出せる世界ではないが、レトロ釣り具の世界は、もっと気軽に楽しめる。また、それを使って実際に釣行し、釣果を手にすることができれば楽しみもさらに拡がるだろう。今回はそんなレトロタックルの楽しみについてまとめてみた。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)

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牧野博

初めて投げ竿を持ったのはもう50年近く前、関東で就職してからクラブに入会し、投げ釣りの面白さに魅了されました。根掛かりの多い砂地の磯場や河口内でわざわざ引き釣りをするという特異な習性があるほか、秋にはヘラ竿を持って汽水域を徘徊することもあるようです。

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レトロタックル(釣具)とは

昨今、趣味や道楽の世界では、レトロブームが一つのトレンドになっているようである。例えば車の世界では、一般的に旧車と呼ばれているスポーツモデルや高級セダンの中古車、アパレルの分野では、ビンテージ物の古着などが注目を集めている。

レトロタックルに、厳密な定義などないと思う。ただ、あるジャンルの釣りを10年、20年と続けているアングラーなら、自身が当時使っていた、あるいは人気があったモデルを釣り場で見かけると、「懐かしい」と感じるだろう。

最近は釣り竿やリールもモデルチェンジのサイクルが2~3年と短くなっているが、モデルのブランド名は引き継がれてゆくことが多い。何代目……、何年式……といった具合である。キャスターの間でも、使っている竿を尋ねられたら、ブランド名で会話をしたりする。メーカーはこのブランド名を大切にしているが、その初代タイプならば、レトロタックルと呼んでもいいように思う。

レトロタックルとの出会い

レトロタックルに出会うには、中古の釣り具専門店をのぞいたり、ネットオークションなどの情報を得るのが一般的な方法といえる。また、確率はぐっと低くなるが、町の小さな釣具屋さんにエサを購入するために立ち寄った時、昔の竿やリールがしれっと陳列されていたりすることもある。

長年あるジャンルの釣りを続けておられるアングラーの方なら、手持ちの竿の数も2ケタに達しておられる方もいると思う。そうしたコレクションには、レトロタックルと呼べるものが多い。

レトロタックルを使う楽しさ

竿やリールも素材やメカニズムが常に進歩している。特に竿は、アングラーの手足として機能する釣り具であり、それ自身の中にはコンピューターや機械的なメカニズムが全く入っていない分、反発力や操作性、調子など、アングラーがその感触を体感できる部分は多い。

レトロタックル(釣具)のススメ 【魅力・メンテナンス・長く使うコツを解説】レトロな投げ釣りタックル(提供:TSURINEWSライター牧野博)

例えばハイカーボンの投げ竿で、30年前の竿と最新の竿を振り比べてみると、曲がりの調子や穂先の返りの速さ、細さやそこからくる振り切りやすさなどの違いが体感できるので非常に面白い。

自分の釣りとマッチ

また、長年あるジャンルの釣りをされているアングラーの方なら、レトロと呼べるタックルの中にも、特に自分の釣り方などにマッチして使いやすく丈夫で、古くても捨てがたいモデルがあると思う。こういうモデルは結構入念にメンテしたりするもので、これもレトロタックルの興味深い世界といえるだろう。

そんな竿やリールで新しいタックルとそれほど遜色なく釣りが楽しめたなら、結構おもしろい釣行になるかもしれない。

周囲から注目されることも

竿やリールのデザインなども時代によって流行がある。それを使って釣りをしている時、竿やリールのデザインはあまり意識していない。そういう意味では、クルマのスタイリングと似た要素があるかもしれない。しかし釣りを終了して竿の継ぎを解いた時、巻き糸などのデザインは目に入る。

また、他のアングラーは意外に竿などの道具を見ているものである。これは完全に自己満足の世界であるが、隣で釣っているアングラーに、「それどこのメーカーの竿ですか?」などと聞かれることもよくあった。そんなときのやりとりも結構楽しいもので、レトロタックルは、アングラーに、使う楽しさ、見る・所有する楽しさを同時に味わわせてくれる。

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