磯フカセ釣りで32.5cm頭に本命「春グレ」2桁キャッチ【福井・小浜】

磯フカセ釣りで32.5cm頭に本命「春グレ」2桁キャッチ【福井・小浜】

釣りたいものが多くて困るが、この時期は若狭で乗っ込みクロダイや春グレを釣りたい。寒グレではない、春グレだ。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・田中こうじ)

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海釣り 磯釣り

若狭の磯で春グレ釣り

昔は春の若狭といえばクロダイで、グレはエサ取り扱いのイメージだったが、だんだんグレの型が良くなり、十年ほど前から早春には40cm級が釣れるということで春の主役が変わった感じ。私もこの時期は大型クロダイを求めていたが、グレが気になる。そんな訳で4月14日、天気が崩れる前の福井県小浜市宇久を訪れた。

朝に港に集まったのは3人。私とルアーマンとご年配の方。谷久船長によると、なんと80歳を超えるらしい。そういえば、私が磯釣りを始めたころに違う渡船店で何度か同船した記憶がある。当時20代後半の私が54歳になったので、当時ははるかに先輩だったのだから、いまだ現役で磯に渡ることに敬服する。

「七蛇の鼻」に渡礁

出船して立神に着くと、ルアーマンを立神本島に、大先輩の磯師は立神のハナレに渡られた。実は、そのハナレに乗りたかったが、ここは遠慮しておこう。

船長にどこがいいのと聞くと、立神より七蛇がいいと言う。そんなわけで七蛇の鼻に渡礁。ここは二十数年ぶりに乗った。そのときはグレの釣果が良かった記憶がある。足元にデカいクロダイがいて、どうしてもそいつに食わせられなかったことを昨日のように覚えている。

磯フカセ釣りで32.5cm頭に本命「春グレ」2桁キャッチ【福井・小浜】谷久渡船で渡礁(提供:週刊つりニュース中部版APC・田中こうじ)

フラットな足場は、ワンドを挟んだ老人礁の向かいしかなく非常に狭い。潮が西に流れれば最高なのだが、なかなかその流れはない。一昨年は、その流れのときに尾長40cm超が出た磯だ。期待感は高まるが、見る限り潮は東流れだ。

エサ取り不在の好機

ゆっくり用意して、まきエサを足元に入れると何も出てこない。これがいいのだ。若狭の磯といえば、フグやスズメダイが闊歩(かっぽ)するイメージだが、ヤツらがいないこの時期に深いタナを狙うと大グレに出会える。私自身、昨年4月に隣の地区の泊で、若狭では大型と呼べる42cmを仕留めている。ただ42cmはそろそろ良型と呼ばれそうで、50cm級も狙える昨今の若狭だ。今年も泊では2月後半から40cm超が釣れているので、可能性は十分ある。

ミチイト磯の白1.75号に磯フロロ1.75号を直結し、ウキ下4ヒロで老人礁向かいに遠投。足元にもシモリがあってポイントだが、そこは温存した。ところが、沖のシモリ周りはさしエサが取られるかハリがないか……。足元には魚は見えないが、沖にはフグがびっちりいるようだ。フグはどのエリアでも厄介者だ。ヒガンフグならば調理師免許があれば最高のお土産だが、釣れるフグはゴマフグかな?昔はいなかったと思う。

30cm級グレ連続ヒット

押し付け気味に流れる潮に対してまきエサを遠投し、そのまきエサの沈下速度に合わせて狙っていると、嫌々するようにウキが入った。クロダイを思わせるようなウキ入れだったが、グレだろうと手首を返すと、キューンと心地いい引きがある。足元に締め込む引きも難なくかわしてキャッチ。28cmぐらいかな。この時期ではアベレージ小といえるだろう。昔はこれがアベレージ大だったが……。

磯フカセ釣りで32.5cm頭に本命「春グレ」2桁キャッチ【福井・小浜】若狭の沖磯でキャッチしたグレ(提供:週刊つりニュース中部版APC・田中こうじ)

続いたのは優に30cm超のポッテリグレでニンマリ。この後もフグに邪魔されつつもさしエサが深く入ると28~31cmが続く。30cmありそうだと思うヤツだけキーパーバッカンに入れながら釣っていると、午前8時前に谷久渡船が2番船で隣の磯に釣り人を乗せた。この流れのままだとまきエサ係になりそうだ。まあそれも持ちつ持たれつ、トーナメントではないので。

当日最大は32.5cm

ちょっとポイントを変えてあっちこっち探るが、10匹に1匹ぐらいがキーパーサイズでイマイチパッとしない。昼前にお弁当を持って来てくれた船長によると、老人礁向きになるシモリがいいそうだ。ただ、当日はそのシモリから足元に潮が当て付けるので狙えない。状況が味方してくれないと若狭の大グレは仕留められない。

漁師民宿の慈悲深いお弁当を舌鼓を打った昼すぎ、強かった潮が緩んだ。これはチャンスではないかとまきエサを遠投して沖のシモリを直撃すると、スパッと目の覚めるようなアタリ。サオに乗る引きは鋭い。コイツは尾長ではないかと思いつつ浮かせると、30cm強の尾長が浮上。スリムな回遊タイプだ。こんなのが若狭にもいるんだと思った。

同じ攻め方を続けていると、シモリ際で食ってきたのは当日最大サイズの32.5cmの抱卵グレ。こんなの昔は釣れなかった。海が変わってきていることを実感した。

海も変わりつつある?

話は異なるが、釣り座の前にある大敷網には、少し前に200kg超のクロマグロが4匹入った。10kg未満のヨコワは千単位で入ることもあるとか……。海は変わりつつあるのかもしれないが、サスティナブルでいたいと思いつつ午後2時に磯上がり。2ケタ以上をライブウェルに入れ、港で小さいヤツをリリースして8匹キープした。

帰りも同船となった80代の磯師は、フグに邪魔されながらもクロダイを3匹仕留めたそうだ。やりまんなぁ~、いつまでもお元気で。私も続きたいと思う。

<週刊つりニュース中部版APC・田中こうじ/TSURINEWS編>

▼この釣り船について
谷久渡船
この記事は『週刊つりニュース中部版』2023年4月28日号に掲載された記事を再編集したものになります。