「陸っぱりライトゲームはキャッチ&リリースがキホン?」 爆釣時にご注意を

「陸っぱりライトゲームはキャッチ&リリースがキホン?」 爆釣時にご注意を

ルアーフィッシングをしていると、しばしば爆釣する。釣りにおいては、「魚は持ち帰って調理してなんぼ」という人と、「いやいや、魚が釣れたらそれでOK」というリリース派に分かれる。ライトゲームを年中楽しむ私は後者だ。今回はその理由について語りたい。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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ルアーフィッシングの残酷さと意義

私の長い友人が、「どうしても、おまえの趣味に疑問を持っていた」と、以前言ったことがあった。「おまえの趣味」とは、もちろん釣りだ。その理由はかれの家庭のしつけというべきか、いわく、「ルアーで魚を釣って、痛めつけるだけ痛めて、また返してやるなんて、ただ残酷なだけじゃないか」と、子どもの頃、母親に言われ続けたらしい。

なるほど、と、これにはうなずくしかない。正論だ。このような言い方に、「いや、魚にはどうも痛覚がないらしいですよ」と、不確かな「痛覚論」のあるなしで反論することはできない。どちらにしても、魚という弱者で遊んでいることは紛れもない事実だからだ。

では、持ち帰って食うという、ルアー釣りの楽しみを兼ねた、すなわち食用としての釣りならばどうだろう。筆者も年に何度か持ち帰り用の釣りをするが、正直、釣りで得た魚に勝る味はないと思う。簡単にいえば、自分で釣って捌いて食べる魚は格別の味……。

それまで「疑似餌で釣るなんて卑怯だ」と言われたらそこまでだが、正直、たとえばメバルのように、疑似餌の方が釣りやすい魚もいる。そして、そのような魚は、スーパーマーケットの鮮魚売り場で買えば高価で、釣りで仕留めてしまった方が、よほど安価なのだ。

「陸っぱりライトゲームはキャッチ&リリースがキホン?」 爆釣時にご注意をスーパーの鮮魚の方が高い?(提供:TSURINEWSライター井上海生)

爆釣時の持ち帰り

しかし、私の考えとしては、少なくともライトゲームでの「爆釣持ち帰り」ほど、本当に残酷なものはないと思っている。ただでさえアジやメバルといったターゲットは、ルアーでカタにはめやすい魚だ。上手な人ならば、毎回10尾を超えるのも難しくはない。

一方、10尾を調理するとなると、これはまったく別の話。釣ることの容易さに比べて、調理は難しく、また手間である。私などは自身の調理技術の低さゆえ、自嘲気味に「俺が持ち帰る魚は惨殺されることになる」と自覚しているので、滅多に持ち帰ることはない。それは調理がうまくなりたいという向上心を、はるかに下回る。そして、本当に何より魚を捌くというのは、面倒なのだ。これは私の感覚でもあるが、多かれ少なかれ、釣り人のみなさんに共通するところではないだろうか。

またアジやメバルといった小さな魚は、1尾から取れる身が少ないので、満足に食おうと思えばまあまあの数を持ち帰らなければいけない。そうかと思って10尾も実際に捌いてみると、「こんなに食えねえよ」と思うことが多い。私のボーダーでは、人一人が夕食に一度食べる量として、アジの25cm超ならば4尾、メバルの25cm級ならば3尾だ。これ以上を持ち帰ると、現実にそこまで手間をかけて調理できない量となる。

「陸っぱりライトゲームはキャッチ&リリースがキホン?」 爆釣時にご注意を持ち帰りはほどほどに(提供:TSURINEWSライター井上海生)

過剰に持ち帰った魚を、結局自宅で捨てることになるほど残酷なことはない。ルアーフィッシングの残酷さより、無用な殺生を犯すことの方がよほど許されない。

リリースメインで楽しみたい

根本的な考えとして、少なくともライトゲームという「数釣り」を楽しむ魚釣りでは、持ち帰る数はほどほどにしたい。というのも、少なくともこの5年、私の感覚としても、メバルの数は沿岸からかなり減っている。釣れる魚が少なくなるというのは、ルアーフィッシングでは釣りの目的がさかさまになるようなものだ。個体数減を少なくするために、なるべく数釣りできる魚は海に返してやりたい。

また、魚を傷つけないという意味では、フィッシュグリップの持参も釣り人の義務ではないだろうか?魚は人の手で魚を触られると、大火傷に近い怪我をする。傷つかずに海に返してやるためにも、気配りをしてやりたい。

「陸っぱりライトゲームはキャッチ&リリースがキホン?」 爆釣時にご注意をフィッシュグリップで魚をつかもう(提供:TSURINEWSライター井上海生)

<井上海生/TSURINEWSライター>