現役船長が徹底解説 【2022年秋冬のティップランエギングの釣況は?】

現役船長が徹底解説 【2022年秋冬のティップランエギングの釣況は?】

秋も深まり冬の気配も漂い始めるこの時期になるとシーズンが本格化してくるティップランエギング。アオリイカは数いる釣りのターゲットの中でも特にシーズンによって釣果のムラが出やすいが、今シーズンの釣果は果たして。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・岩室拓弥)

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大凶作だった春のエギング

秋はティップランエギングスタイルで狙うことが多いボートエギングだが、春はキャスティングスタイルで狙う。もちろん大型個体が期待できる春シーズンも大人気となっている釣りだが、今年の春シーズンは近年に類を見ないほどの大凶作。

福岡周辺エリアでは佐賀方面や宗像方面が特に人気のエリアとなっていて、福岡近海エリアよりも比較的釣果も期待しやすいという印象が高いのが多くのエギンガーが共有するところだと思うが、今年の春はそれらのエリアでも大苦戦の日が続いた。

現役船長が徹底解説 【2022年秋冬のティップランエギングの釣況は?】タックル図(作図:週刊つりニュース西部版APC・岩室拓弥)

当船も他船ほどではないが春はエギング便で出船している。その時に乗船者の直近の釣果を聞いたりするのだが、だれ1人よく釣れたと答える人はいなかった。

佐賀方面では6月に入ったころになるとようやくある程度の釣果が出始めていたが標準には及ばず、宗像エリアに関しては2回連続ボウズをくらった話や船中(8人ほど)釣果が2、3尾などと耳を疑うような釣果が目立っており、とにかく今年の春シーズンに関しては誰しもが「めちゃくちゃ厳しかった……」と口をそろえるほどの大凶作シーズンとなっていた。

今年の釣果は?

例年ティップランのシーズンは10~12月いっぱいまで。当船でも10月からティップランの予約が入っていたものの、残念ながらそれらの日はシケの日が重なりなかなか思うように出船できない日が続いていたが、そのころには佐賀方面ではティップランの釣果が目立つようになってきていた。

そもそも今季のティップランエギングは、春の大凶作の影響で好釣果が期待できると個人的には予想していた。釣りすぎなどが原因でイカの個体数が激減したのが理由、そう考える人も多く、それも多少は不調に終わった要因のひとつであるかもしれないが、釣れなかった理由は単純に水温の推移などの影響で、単純にイカが岸ギワに寄りきれなかったと考えていたからである。

あくまで春の不調の原因も予想からくる推測にすぎなければ、ティップランが期待できるというのもある種の願望が入っているが……。

800g筆頭に数釣り成立

そんな中、数度の中止を経て10月22日に今季初めてのティップラン便で出船。当日は7人中4人がティップラン初心者で、そのうち3人は初めて。午前6時に箱崎港から出船してポイントに到着。風は無風だったが潮はよい感じで動いており、状況としては期待できる。

そう思いながら船を流し始めて釣りを開始すると、すぐにヒット。ヒットしたイカをランディングするためにネットを持ち構えていると、ほかの乗船者も次々にヒットする。開始直後からダブル、トリプルヒット連続であっという間に全員安打も達成。サイズも300~500gアベレージに、最大800gほどまでサイズアップ。

現役船長が徹底解説 【2022年秋冬のティップランエギングの釣況は?】アオリイカは群れでいる(提供:週刊つりニュース西部版APC・岩室拓弥)

中盤訪れた潮変わりのタイミングでは、単発ペースになり、ややまったりモードになったが、終盤は再びペースアップ。釣る人は10尾ほどの釣果となり、初心者の方々もしっかりと数を稼ぐことができた。

そして、その翌日もティップランで出船。2日目は前日と打って変わって強風が吹く予報となっていたので、少し早めに出船し釣りをスタート。前日同様に朝マヅメに連発を期待した中でのスタートであったが、1kgに迫る個体もキャッチすることができたものの単発ペース。予想していなかった展開に少しとまどいながらも細かくポイントを変えながら攻略の糸口を探っていくが、潮止まりの中盤になると完全に沈黙する展開に。

しかし、終盤に入って潮が変わると単発ペースながら徐々にヒットするようになり、そこから得たヒントを基に展開していくと連発モードに突入。そこからは当たり前にダブルヒットするようになり、最終的には前日同様の釣果にまとまり、釣る人は15尾以上の釣果となった。

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