プロが教える【カンパチの目利き】 2022年大阪湾のシオの釣況も紹介

プロが教える【カンパチの目利き】 2022年大阪湾のシオの釣況も紹介

今年の大阪湾はシオが好調でした。今後秋が深まるにつれブリ族が優勢の海にかわっていくと思われますが、いましばらくは期待できそうな釣況です。そこで今回はおいしいカンパチの見分け方を、今夏の釣況とともに奈良県中央卸売市場の丸中水産株式会社勤務の著者が紹介します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

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有吉紀朗

1967年兵庫県明石市生まれ。奈良県在住。水産系の学校出身で仕事も水産系。小型船舶免許も高校生で取得。釣り歴40年以上だけど下手の横好きで自分が釣れれば誰でも釣れる。

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カンパチの目利き

毎年、夏に釣れるのがカンパチの小型魚。関西では「シオ」と呼ばれるが、今年は数が多く2ケタ釣れる日も多かった。そんなカンパチだが、スーパーで売られているものには天然と養殖がある。

養殖カンパチ

養殖もののカンパチは年中売られているし、年中美味しさはかわらない。朝活〆されたものを納品するから、鮮度もかわらないことが多い。

購入する場合は1匹で買うことは少なく、刺し身用のサクで購入するのだが、部位によっておいしさが違う。カンパチ1匹は3枚おろしをして、真ん中の血合いを除き、背側と腹側に分けて(4分の1)それを売れやすい価格に切ってパックされていることが多い。

どの部位が一番美味しいかというと、腹側のカマ寄りだろう。養殖のブリに比べると、養殖カンパチのほうが脂の乗りはアッサリしているので、脂が好きならば腹側カマ寄りを選ぶ。

どう見分けるかは店員に聞くのもいいのだが、自分で選ぶのなら皮の色で選ぶ。背側は黒っぽい黄金色。腹側は白っぽい銀色なので皮をひいて(皮を取って)いても分かる。断面も背側は三角形で腹側は二等辺三角形になっている。

プロが教える【カンパチの目利き】 2022年大阪湾のシオの釣況も紹介部位によって味がかわるカンパチのサク(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

天然カンパチ

天然ものは10月位まで売られることが多い。サクで売られているものは少し赤っぽいし、必ずラベルに天然と書かれている。1mクラスのカンパチは何度か食べたが、40cmクラスのほうが美味しい。

プロが教える【カンパチの目利き】 2022年大阪湾のシオの釣況も紹介天然もののカンパチ(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

6月、7月の大阪湾のシオ

大阪湾でもツバス、ハマチ、シオと青物の回遊が続いている。6月29日はジギングでハマチとキビレ。関西空港橋脚の関空寄りP5で釣り上げた。この日は流れ藻もあり、掛かった藻の中からタツノオトシゴも出てきた。

プロが教える【カンパチの目利き】 2022年大阪湾のシオの釣況も紹介タツノオトシゴ(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

7月27日はノマセ釣りで、ハマチ。場所は泉南深日沖。サビキ釣りで釣った小アジをイケスに泳がせていたが、弱るのが早い。それでも4匹を釣り上げる。

サビキをしていたら、コロッケサイズのアオリが数匹泳いでいる。エギで釣ろうかとも思ったが、泉南の対岸の淡路島では胴長15cm以下のアオリイカは採捕しないルールなので釣り上げなかった。

プロが教える【カンパチの目利き】 2022年大阪湾のシオの釣況も紹介大阪湾の朝焼け(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

8月はサビキノマセでシオ

8月7日はサビキノマセでシオとツバス。場所は関西空港橋脚。乗合船も多く来ている。ハリス5号のサビキ仕掛け4本バリを使う。これ以上細いと切られるがハリが、伸ばされることがあった。

8月11日もサビキノマセ釣り。ハリは太軸のイサキバリで4本バリ。ツバス2匹とシオ3匹。やはりシオのほうがおいしい。

プロが教える【カンパチの目利き】 2022年大阪湾のシオの釣況も紹介イケスを上から見ると漢字の八がよくわかる(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

8月16日もサビキノマセ。ベイトのイワシや小アジが釣れないとアミエビを撒く船も多いが、周りの海ではコマセ禁止なので、自分のサビキはカゴを付けない。

8月28日もサビキノマセ釣り。場所は関西空港橋脚。風と潮が強くポイントも狭いので釣り方をかえてみようと思ったが、操船のほうが厳しいので小技が使えなかった。

9月の大阪湾

9月4日はジグサビキと言うよりサビキノマセでオモリのかわりにジグを使ったような釣り。シオも型がよくなってきたので、ハリスを6号にする。ハリスを太くすればベイトは食いつきが悪くなるものの、本命のシオが根に入るのは防げる。

プロが教える【カンパチの目利き】 2022年大阪湾のシオの釣況も紹介関空連絡橋(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

朝5時半にポイントに到着。橋脚の潮表側で魚探にウルメイワシが映る。ウルメはハリに掛かればウロコが取れるので、このウロコがまきエサがわりになる。イワシが掛かれば底上1mまで下すと、ガンガンとサオが叩かれたあと絞り込まれる。釣れてきたのはシオだが、先月よりさらに型も大きい。

上層で食ってくるのはツバスで、同じ大きさでもシオのほうが引きは強い。根に向かって走るのもシオのほうが強い。やはりカンパチである。

プロが教える【カンパチの目利き】 2022年大阪湾のシオの釣況も紹介シオとハマチ(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

これからはツバス、ハマチのほうが多くなるが、水温の低下とともに脂ものってくる。

そんなわけで今夏はほとんど毎日シオを食べたが、毎日味と食感が違った。釣ったその日はコロコリで、釣り上げてから6日くらいでも刺し身で食べられた。

<有吉紀朗/TSURINEWSライター>